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誰も取り残さないドラマ〜セックス・エデュケーション〜

私は本当にこのドラマが大好きだ。このドラマの何が凄いって過保護な親、麻薬中毒者の親、黒人、障害者、周りに合わせすぎて自分を見失った人、上手く言語化できないから暴力に頼ってしまう人、あらゆる立場の悩みを持つ若者を題材に扱っておきながら登場人物たちに違和感がないことである。センシティブなテーマになんのてらいもなく、鋭く切り込んでいく様である。それに大体テーマ盛り込みすぎると無理やり感が出るのにそれが無い。ユーモアにも富んでいる。素晴らしいヒューマン系ドラマだ。

タイトルに書いたようにこのドラマは多様性もテーマにしているから、ただただ意地悪な陽キャも出てくるんだけど「実は友達には凄く優しいし、片親が亡くなってて生きている父親は半身不随、父親を手伝っている」みたいな裏事情にも後々触れることで陽キャにすら愛着が湧いてくる作られ方をしてる。他者の攻撃性を見ても「大変な人生を生きてきたのかもしれない」と他者の背景を想像するきっかけを与えてくれる。人間は多面的であることの良い一例でもある

また、「性と恋愛のあり方」という扱いづらいテーマに鋭いメスを入れた作品としてもっと評価されるべきだと思う。タイトルも面白がりながらティーンが「ちょっと冷やかしていくか〜」というような軽いノリで見たくなるようなキャッチーさがあり、ちゃんと届けたい層にキッチリと届いてそうなのが感動する。特に以下のシーンは性教育の話題をする時の必修の参考資料にして欲しいくらいだ。

「禁欲なんてうまくいくわけがない」このフレーズは特に汎用性が高く、性教育以外の場面でも言えることだと思う。ある程度自我を持った人間に頭ごなしの指導は効かない。何事においてもリスクがあるからと言って全回避するのではなく、実現可能なやり方として「自衛できるように」リスクや対策を教え、自分たちでリスク回避できるようにするというのが適切な教育のあり方だと思う。

好きなシーンで言うと「誕生日は生まれてきたくなかった日」と称するキャラに「毎年の誕生日の日だけページを破ったスケジュール帳」をプレゼントするユーモアセンスが大好きなんだけど、他にも数え切れないくらいあって、好きなシーンを切り抜きながら見ていこうとすると遅遅として物語が進まないくらいだ。随所の皮肉も大好きだし、ティーンネイジャーには絶対に刺さると思う。
私はこのドラマが好きすぎてもう既に5回くらい視聴した。これを超えるものが無い気がして
新規開拓をする気があまり起こらない

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