コルチゾール(ストレスホルモン)とは
コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンの1つです。
主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのタンパク質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症及び免疫抑制などで、生体にとって必須のホルモンです。
例えば、その炎症を抑える働きから、ステロイド系抗炎症薬として治療にも広く使われています。
また、
ストレスを受けたときに、脳から刺激を受けて、分泌が増えることから『ストレスホルモン』とも呼ばれています。
分泌されたコルチゾールは、各標的器官にて効果を発揮しますが、その濃度が高くなると、脳の『ネガティブフィードバック機構』によって、自身の分泌が抑制され、その濃度を低く保つように制御されています。
しかしながら、
過剰なストレスを受け続けると、この機構が壊れて、コルチゾールの分泌が慢性的に高くなり、これが、うつ病、不眠症などの精神疾患、生活習慣病などのストレスの関連疾患の一因となる
ことがわかってきています。
またこのホルモンは過剰なストレスにより大量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることが、近年のPTSD患者の脳のMRIなどを例として観察されています。
海馬は記憶形態に深く関わり、これらの患者の生化学的後遺症の1つとされています。
脳・心・体は密接に繋がっているのです。