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石垣島に生息する蝶「ミナミキチョウ」がわずか4年で93%がメスなったのは、細胞内細菌ボルバギアのしわざでした。星新一のSF小説のようなお話です!

こんにちは、理系の話題に飛びつきがちなDJムッチーです。
生命の不思議は科学なのかと問われると、違いますと応えたくなるような話をまたまた見つけました。
石垣島に生息する蝶「ミナミキチョウ」が、わずか4年で93.1%がメスになったという事です。理由は分かっていて、ミナミキチョウの細胞内にいる細菌「ボルバキア」が自身の繁殖に有利になるようにオスを殲滅していったためなのだそうです。
観測を開始した2018年には、石垣島のミナミキチョウのオス・メスのバランスは、およそ1:1だったそうです。それが2022年にはほぼメスになってしまったようです。
この研究は、福井大学、千葉大学、農業・食品産業技術総合研究機構のジョイント研究で、宿主をメスのみにする細菌ボルバキアが、石垣島のミナミキチョウに急速に広まる過程を 観測した結果、明らかになりました。
人間にも感染するこのような細菌がいたとしたらと考えてしまいますが、それは物語の世界のお話で、そういう細菌はいまのところ発見されていませんのでご安心ください。

メス化したミナミキチョウの

昆虫のおよそ 40%の種が保有している細菌類ボルヴァキア

昆虫の細胞内には共生細菌が生息している場合があり、その一部は、宿主の生殖を様々な 方法で操作するそうです。昆虫のおよそ 40%の種が保有していると推測されているボルバキア等の細菌が起こす生殖操作には、子のうちオスのみを殺す「オス殺し」や、子を全てメスにする「メス化」などの劇的な現象を発生させます。
このような共生細菌は基本的に感染性は持たず、宿主の細胞外では生きられません。このことから、他の生物への感染はないと考えて良いようです。矯正細菌は宿主の母から子 に世代を越えて伝播しながら生き延びています。
特徴的な点は、母からのみ子に伝播し、父から子には伝わらないため、オスに伝播した場合はそれ以降の世代に伝播することができず、 オス宿主が死ぬのを待つのみとなります。
この性質から、ボルバキア等の細菌の一部は、宿主の生殖を操作することで子をメスのみにするようになったのではないかと考えられて いるそうです。

細胞共生細菌 ボルバキア

研究の内容

2015 年から 2022 年にかけて、石垣島で合計 1392 匹のミナミキチョウを採集し、オス・メス比 を記録。その結果、2015〜18 年にかけてほぼ 1:1 であったオス・メス比が 2019 年からメ スに偏り始め、2022 年には 93.1%がメスになったそうです。また、採集した個体を持ち帰り全ての個体のボルバキア保有の有無を PCR 法によって調査した結果、2017 年以 降保有率が上昇し、2022 年にはメスの 87%がボルバキア を保有していることが分かったそうです。

石垣島における野外のオス・メス比がメスに偏り始めた2019 年に、野外で採集したメスを実験室内に持ち帰り、次世代を飼育し、そのオス・メス比を確認したところ、ボルバキアを保有 していた個体では、メス化が起きていて、野外で ボルバキア が広がることによ ってオス・メス比がメスに偏ったことが明らかとなりました。

ボルバキアの利用法

ボルバルキアは、生殖を守るために宿主さえも操作するような排他性を持っています。この性質を利用してインドネシアの研究者は、 蚊にボルバキア菌を感染させると、蚊がデングウイルスを媒介することを防ぐことを解明しました。研究の結果、発生率を77%低下させることが判明したそうです。
このように、ボルバルキアも利用法によっては有効な細菌のようです。

デング熱はボルバルキアで蚊の媒介を阻止できます

ボルバルキアに打ち勝った蝶

リュウキュウムラサキという蝶は、オス殺しを引き起こすボル バキアが蔓延することによって著しくメスに偏っていたオス・メス比が、数年で雌雄 1:1 に回復 したことが報告されているそうです。
細菌が作り出す不均衡を、生物の抵抗力が均衡状態に戻した実例です。
ボルバキアが引き起こす生殖操作への抵抗力を宿主側が獲得することで、やられっぱなしだったミナミキチョウのオス・メス比 が回復に向かうかもしれません。あるいは、ボルバキアが引き起こす生殖操作によってオスがいなくなると、石垣島のミナミキチョウは絶滅へ向かうかもしれません。

絶滅を自らの手で阻止した リュウキュウムラサキ


自然の神秘は、底知れないですね。
神様の思し召しと思ってしまいますよね・・・
それでは、今日はこの辺で失礼します。
話のネタに困ったら使ってくださいね。

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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。


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