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太陽の100億倍明るい光でナノの世界を見ることができる施設「ナノテラス」が仙台市にオープンしました。ナノテラスは言い換えれば巨大な顕微鏡。アマテラス光で無理ならナノテラスなんで、粋なネーミングですね・・・

こんにちは、DJムッチーです。
物理が得意だった僕は、凄く小さい物を見るのに光学式顕微鏡には限界があって電子顕微鏡しかないとずっと信じてました。
人間の目は、0.1ミリの大きさのモノを見るのが限界で、それより小さいものは理科の実験で使った光学顕微鏡を使います。0.1ミリと言うと毛髪やミジンコクラスの大きさです。

光学式顕微鏡 画像解析アプリとセットで使います

光学顕微鏡は、対象に光を当ててレンズで拡大して観察します。レンズやデジタル技術で1500倍ぐらいまで拡大が可能で、0.2μmぐらいまで見ることができます。0.2μmは乳酸菌などの菌類なんかがこの大きさです。
(μmはマイクロメートルと読み10の-3乗mm、つまり1mmの1/1000の大きさです。)
理科の実験で顕微鏡の倍率を上げていくと、どんどん像が暗くなった経験はありませんか? そもそも光学顕微鏡というのは、倍率を上げるほど暗くなります、集められる太陽の光の限界が0.2㎛が見れるほどの光量なのです。
太陽神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)の限界と言っていいと思います。

電子顕微鏡

0.2μmより小さいウィルスなどを見るには、光ではなくて電子を対象に当てて観察する電子顕微鏡を用います。電子顕微鏡なら、1μm~0.1nm観察できます。DNAが、0.2nmなのでDNAまで観察できるという事になります。
(nmはナノメートルと読み、10の-6乗mm、つまり1mmの1/1000000の大きさです。)

電子顕微鏡の発明で化学が変わった

太陽の光より明るい光

電子顕微鏡には検証したくても、試料を真空中に置く必要があるという弱点があります。つまり水分を含む物質の観察では水分が蒸発してしまい、干物を見て生きている魚を想像しなくてはならなかったのです。
光学式顕微鏡ならこの心配はないのですが、ナノを見るには光がたりません。そこで、強い光を作り出して光学式で観察できるようにしたのがナノテラスなのです。

ナノテラスでは、電子を加速して磁場を使って方向を変える時に発生する光が、太陽の光の100億倍になるという性質を使います。

電子ビームが直線の施設と似たような仕組みでぐるぐる回ります。 円周の加速器は1周349メートルあり、1秒間に80万回以上回ります。
電子ビームは磁石で曲げられ、向きが変わると光る特徴があります。 この光が「放射光」と呼ばれ、実に太陽の10億倍も明るく強い“輝度”をもつのです。

太陽の100億倍の明るさの光を作り出すのには、広大な面積の施設が必要で、そのためナノテラスは巨大顕微鏡と言われています。

仙台市に出来た巨大顕微鏡 ナノテラス

ナノテラスが作る光の用途

ナノテラスが作る光による観察や分析は、食品、資源・エネルギー、化粧品、自動車、金属加工、医薬品とさまざまな産業分野で利用ができる。
例えば、夏場には欠かせない素麺の弾力を生み出す麺に出来る気孔の形状と触感のナノ単位の相関分析は、揖保乃糸という素麺メーカーが研究中です。
石油を掘らなくて済むよう、プラスチックなど石油製品のポリマーをリサイクルして使い続けるために必要なのが、分子レベルでポリマーがどうつながり、どうバラバラにして原料に戻すかとうナノ単位の分析。放射光で解析し、シミュレーション技術や人工知能(AI)と組み合わせれば実現できるそうです。

磁石の表面をナノレベル光でN(赤)とS(青)の分布を解析

企業と研究者 マッチングして利用

ナノテラスは、大企業や大学に加えて研究開発の経験が少ない中小企業が気軽に利用できるのが特徴です。
製品開発したい企業と、解析などの技術を磨きたい研究者とをマッチングして共同で利用してもらう仕組もナノテラスは備えているそうで、すでに約150の企業などが利用する予定があるそうです。
これから商品に新しい切り口をお考えの方、是非ナノ分析にトライしてみてはいかがでしょうか。

物理好きのよもやま話にお付き合いいただきありがとうございます。
ナノテラスのオープンは、日本がモノづくりを担う新しい時代の幕開けの大切な契機かもしれません。
事業の心願成就は、神宮へ行って天照大神にお願いしましょう!

それでは、今日はこの辺で失礼します。
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じゃあまたこの次
DJムッチーでした。


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