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奇跡5

前回のお話↓



虚しさが募る。

どんな感情でいればいいのか、わからない。
愛子は言えなくて苦しかった、もしも伝えたら、この関係が終わるって思ってたし、もしもこの幸せを崩すようなことを自らしてしまったら、自殺するのと一緒だと思っていた。

あなたのことが好きだから

そりゃ最初は憎かった。
本当の親子なら、お金さえあれば、そう思っていた。
けれども、一緒にいるうちに私の気持ちは変わった。

血が繋がっていたって、私はあなたのことが好き。

これを奇跡って言うんじゃないかしら。


唇を噛み締めた。

奇跡って言葉で片付けられないよ。
全て、今までの全て、運命ってことなら、受け入れるよ。
でも、でも、

ずるいよ。

ずるいよ。

ずるい…。


父さんはどこまで知ってたの?
全部知ってたさ、全部含めて面白かった。
これが人生最後だと思うと、私の人生は楽しく面白く、最高な人生だったと感じてね、いつ死んでもいい。

また、あの笑いだ。

今思えば、父さんの遊びに付き合っていたのかもしれない。
最初から。


翌朝、父さんは息をしていなかった。






今日は少なめ、最後まで読んでくれてありがとう。

続き



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