かつての人にとっての夢の国
2006年の春の自転車旅行も書き終わりました(5記事)。
また、広島、和歌山、三重については、自転車旅行以外で訪れた時の写真も番外編としてまとめさせてもらいました(4記事)。
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ちょっと遠い記憶ですが、西日本を旅行して思ったことを書きたいと思います。
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西日本だろうが3月でも十分寒い
当然ですが、なんだかんだかなり寒かったです。
プロ野球も春キャンプとかやってるから、なんとなくポカポカ暖かいイメージが勝手にあったものの、なめてました。。
日も短い上に、日が落ちると寒さも一段と深まるため、体力が要ります。キャンプ泊だと寒さで眠れないということもよくありました(凍死しなくてよかった。。)。
キャンプ場が少ない
④(3/25~28)のnoteの期間以外は、ほとんどキャンプ泊。しかし、海沿いの都市部を走る機会が多かったからなのか、キャンプ場が少なかったんですよね。
しかも、そもそもキャンプ場があったとしても3月にまともに営業している可能性が低いっていうオチです。
note中ではあまり触れないようにしているものの、結構公園で野宿的なこと(ゲリラキャンプ?)もよくやってました笑
学生時代は何よりもお金が大事で、宿に泊まるより、野宿で全く平気でした。銭湯の人に頼んでそこの駐車場にテント張らせてもらったこともありました。
こうしてお金をケチるからこそ、20日にも及ぶ旅行が出来るわけですしね。
なんだか今では信じられません。大分タフになりました。
夢の国がいっぱい
ここからが1番感じたことです。
私の趣味嗜好の原点のような部分です。
西日本は長く歴史の中心となっていた背景もあり、古い史跡、文化財、名勝、信仰の場所が多くあります。
私のnoteから察していただけるかもしれませんが、私は寺社仏閣を見るのが大好きです。そういった意味ですごくエキサイティングな道中でした。
今回の旅でも、厳島神社に始まり、金毘羅宮、熊野三山、伊勢神宮等々、日本のオールスター的な聖地を巡ったような気がします。
それらの寺社仏閣は、長い間に渡って人々の絶大な信仰を集め、多くの人が訪れた場所です。かつての人々がどのような思いでそこを訪れたのかに思いを馳せるとジーンとくるものがあります。
例えの良し悪しはあるかと思うものの、かつての人々にとって、そういった歴史ある大御所の寺社仏閣はディズニーランドのような感覚だったのではないかと思います。
今のように物質的に豊かではなく、社会制度が不条理だった時代、そして日々の自然現象(天候による農作物の豊/凶作、突然起こる自然災害)に翻弄されていた時代、かつての人々の大多数は、現代とは比べものにならないくらい大変な生活を送っていたのかと思います。
そんな彼らにとっての宗教的な存在(神様、仏様)は、今よりももっともっと信じられていて、もっともっと心の拠り所であったんじゃないかと思います。
そんな神様仏様にお近づきができる大聖地的な寺社仏閣は、夢の国であり、現代でいえば全国の少年少女が(もしくは大人も)夢中になるディズニーランドに行くような感覚だったのかなと。ミッキーが神様で、社殿はシンデレラ城といった置き換えになってくるのかと思います。
例えば、お伊勢参り(お蔭参り)は江戸時代に流行したようですが、各集落では全員でお金を出し合い、毎年その集落の代表数名が順番でお参りに行くシステムだったようです。伊勢から遠い場合は何十日もかけて歩いて行ったとのこと。
そして伊勢神宮に着くとみんなテンションMAX、泣いて喜んだそうです。
少しWikipedia(お蔭参りの頁)から引用します。
江戸時代以降は五街道を初めとする交通網が発達し、参詣が以前より容易となった。世の中が落ち着いたため、巡礼の目的は来世の救済から現世利益が中心となり、観光の目的も含むようになった。<中略>伊勢神宮参詣は多くの庶民が一生に一度は行きたいと願う大きな夢であった。<中略>当時、最新情報の発信地であったお伊勢さんで知識や技術、流行などを知り、見聞を広げるための旅でもあった。お蔭参りから帰ってきた者によって、最新のファッション(例:最新の織物の柄)や農具(例:新しい品種の農作物がもたらされる。箕に代わって、手動式風車でおこした風で籾を選別する唐箕が広まる)、音楽や芸能(伊勢音頭に起源を持つ歌舞が各地に広まる)が、実際の品物や口頭、紙に書いた旅の記録によって各地に伝わった。
お小遣いを頑張って貯めて、何年かに1度、深夜バスでディズニーランドに遊びに行く地方の女子高生/女子大生とシンクロするものを感じます。
そんな風に、かつての人々が日々の生活に苦しみながらも、その場所を訪れることでどれだけの喜びを感じ、救われたのか、それを想像するだけで心に沁みてしまいます。
それが私が寺社仏閣を訪れるのが大好きな理由であり、それを実感した旅行がこの2006年の春だったと記憶しています。
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さて、2005年度、私が大学2年だった時の旅行を書き終わりまして、次回からは大学3年時の旅行の記録を作っていきます!
それでは!
*カバー写真:湯浅の菜の花(和歌山)【2006年】
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 他のnoteも是非読んでいただければ嬉しいです。