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梅チキンカツ
2020年11月18日 14:49
恋人ができないまま迎えた、初めての東北の冬。忘年会シーズンに突入した街で、僕はあるデビューを飾った。19歳にして初めて、「女性が接客してくれる店」に踏み入ったのだ。当時、僕は繁華街の居酒屋でアルバイトをしていた。魚介系を売りにしたその店は、安くて量も多いということで、そこそこ繁盛していた。我ながら、フロアの仕事は向いていなかった。食器をキッチンへ下げている間にお客さんに声を掛けられ
2020年11月13日 00:01
大学1年の夏休みが明けた。何も起こらなかった夏の後に迫る秋は、とても切ない。空がきれいで、夕焼け雲に胸が締め付けられる。彼女が欲しい。彼女に温めてほしい。僕はその一念のみで日々を過ごしていた。僕が採った作戦は、「まずは男友達を増やす」だった。それもなるべく、別の学科、学部の友達だ。その裏に隠された打算は、もちろん女子だった。それぞれの男友達には、僕がまだ見ぬ女友達がついている。
2020年11月12日 22:44
大学での初めての恋が、2か月余りで何も起きないまま終わった僕は、こう考えた。「自分の良さをわかってもらうには、やっぱり時間が必要だ」そうなのだ。決して格好良くはない僕だが、高校時代までには告白というものを何度かされたことがあった。手をつなぐ以上のことはしたことがないが、彼女がいたことだってあった。サッカー部で、明るくて、友達もそこそこ多くて、それなりにまじめで。そんな僕を好きになってくれる
2020年11月11日 15:21
知らん。何が「挑戦している君へ」だ。挑戦している時点で、もう半分は上がりだろう。挑戦している君は、きっと報われるからだ。世の中、挑戦できない奴の方が大半だ。俺ならもっとうまくやれる。私ならこうするのにな。独り、部屋でそんなことを思って。でも何もしない。何もできない。鬱々と自分と対話して、きっといつかやれるなんて慰めて、いつかなんて来ない。思い出したくもないのに、でも何か
2020年11月11日 18:11
本当に、箸にも棒にも引っかからない童貞だった。大学に入って最初に僕が恋をしたのは、アイカさんという女の子だった。僕の大学では、他県からやってくる新入生を対象に、入学前に「ティーパーティー」という名の歓迎会を開いてくれた。神奈川出身の僕は、わざわざそのティーパーティーに合わせて引っ越しをした。大学の生協(高校で言えば生徒会みたいな存在)が主催してくれたそのパーティーには、おそらく100人