梅チキンカツ

新聞記者から転身し、ニュースプラットフォームの末席を汚しています。団塊ジュニアで、就職…

梅チキンカツ

新聞記者から転身し、ニュースプラットフォームの末席を汚しています。団塊ジュニアで、就職氷河期末期世代。noteは初心者です。童貞の話が好きなので、それ界隈のことを書いていこうかと思います。全部、連作のようになっています。

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  • 童貞ソーロング

    自分が書いた童貞の物語をまとめています。

最近の記事

童貞はフィリピンパブでも間違える

恋人ができないまま迎えた、初めての東北の冬。 忘年会シーズンに突入した街で、僕はあるデビューを飾った。 19歳にして初めて、「女性が接客してくれる店」に踏み入ったのだ。 当時、僕は繁華街の居酒屋でアルバイトをしていた。魚介系を売りにしたその店は、安くて量も多いということで、そこそこ繁盛していた。 我ながら、フロアの仕事は向いていなかった。食器をキッチンへ下げている間にお客さんに声を掛けられ、注文を頼まれる。1つならいいのだが、それが2つ3つ、テーブルも複数なんてなると

    • 童貞はしょうもない奇跡を起こす

      東北の小都市でも、奇跡みたいなことというか、信じられないことは起こる。 大学1年の冬がいよいよ本格化してきた。 僕は、あまり熱心ではないが一応フットサルサークルに属していて、みんなで大会に出ようということで、参加してきた。 大会は何の結果も出ず終わったのだが、その晩の打ち上げで、ちょっとした事件が起きた。 一応、フットサルサークルにも女子マネージャーみたいな人がいて、飲み会にはもちろん彼女らも参加していた。 その4人ほどの女子マネには、すでにサークルの男たちの唾がつ

      • 童貞は詩を書く

        大学1年の夏休みが明けた。 何も起こらなかった夏の後に迫る秋は、とても切ない。空がきれいで、夕焼け雲に胸が締め付けられる。 彼女が欲しい。彼女に温めてほしい。 僕はその一念のみで日々を過ごしていた。 僕が採った作戦は、「まずは男友達を増やす」だった。それもなるべく、別の学科、学部の友達だ。その裏に隠された打算は、もちろん女子だった。 それぞれの男友達には、僕がまだ見ぬ女友達がついている。男友達を増やせば、それだけ女の子と知り合える機会も増えると考えた。 合コンでは

        • 童貞は文通をする

          大学での初めての恋が、2か月余りで何も起きないまま終わった僕は、こう考えた。 「自分の良さをわかってもらうには、やっぱり時間が必要だ」 そうなのだ。決して格好良くはない僕だが、高校時代までには告白というものを何度かされたことがあった。手をつなぐ以上のことはしたことがないが、彼女がいたことだってあった。サッカー部で、明るくて、友達もそこそこ多くて、それなりにまじめで。そんな僕を好きになってくれる女の子は、数年に一度現れた。 それがまた、自分の中で変な自信にもなっていた。

        童貞はフィリピンパブでも間違える

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        • 童貞ソーロング
          5本

        記事

          童貞はco‐opで働く

          本当に、箸にも棒にも引っかからない童貞だった。 大学に入って最初に僕が恋をしたのは、アイカさんという女の子だった。 僕の大学では、他県からやってくる新入生を対象に、入学前に「ティーパーティー」という名の歓迎会を開いてくれた。神奈川出身の僕は、わざわざそのティーパーティーに合わせて引っ越しをした。 大学の生協(高校で言えば生徒会みたいな存在)が主催してくれたそのパーティーには、おそらく100人くらいの新入生が集まった。 そして結果的に、僕が大学卒業後も連絡を取っている友

          童貞はco‐opで働く

          「打席に立つ」しかなくね?

          知らん。 何が「挑戦している君へ」だ。 挑戦している時点で、もう半分は上がりだろう。挑戦している君は、きっと報われるからだ。 世の中、挑戦できない奴の方が大半だ。 俺ならもっとうまくやれる。私ならこうするのにな。 独り、部屋でそんなことを思って。でも何もしない。何もできない。 鬱々と自分と対話して、きっといつかやれるなんて慰めて、いつかなんて来ない。 思い出したくもないのに、でも何か愛おしくもある、何者にもなれず、ひたすらうじうじして、そんな自分を隠すように、大

          「打席に立つ」しかなくね?