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上京後(1988年)はじめて出会った輸入盤CDは The Sugarcubes の Life's Too Good であった。
当時、宇田川町にあったタワーレコードで購入したCDは長方形のブリスターパックに入って売られていた。タワーレコードはお店に入ると紙の匂いなのかインクの匂いなのか、独特の匂いがすることや、商品の陳列方法や店内の色合いなどから、少しだけ異国に来たような感覚を味わうことができた。
当時は東武東上線沿線に住んでおり、東京のどこに何があるのか全く把握できておらず、近場で買い物を済ませることが多かった。自由に使えるお金が少なかったこともあり、どこのお店で見つけたのか大体覚えている。赤いCDケースに入った France Gall のベスト盤は、池袋PARCOにあったオンステージ、Desireless の Francois はディスクポート池袋(後のWAVE)で見つけたものだ。全て今は無き輸入盤ショップである。
この時代になると、いわゆるロックと呼ばれる音楽とは縁遠くなっていくのだが、何故か The Doors のレコードだけは揃えていた。
上京したばかりで生活基盤を整えることが先だったため、まだそれほど音楽に投資できないまま時間が過ぎていった。この note を書くことで回想すると、思い出すのは雨の日の記憶。上京して高ぶっていた気持ちは、雨のアスファルトを透明に感じさせていたのかもしれない。
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