子供がいないデメリットを他国と比較してみた
私は中国語の勉強をしている。その過程で知ったお隣中国と日本を比較して、子供がいないデメリットを考えてみようと思う。
結論から言ってしまえば、相対的にみて日本で生きて行くなら子供がいなくてもほとんどデメリットがないのではないかと言える。
お隣の中国では、親孝行🟰子供を産むことという意識がある。
中国の大都市の若者なら、子供は産まない主義の女性もいる。でも大多数の人は子供を産むことは(望む望まぬに関わらず)人生で必須であると考えている。
時代が進んで便利になってもこの観念が根強いのはなぜか。
それは日本とは違い、中国では子供がいないデメリットが大きい社会だからだと思う。
そのデメリットとは、周りからとやかく言われるというレベルではない。生活に支障が出るレベルだ。
例えば、中国で入院した場合、日本のように看護師さんが介助してくれない。
看護師さんはあくまでも専門的な医療行為しか(注射や点滴交換など)やらない。
食事の準備やトイレや着替えなどの介助は全て家族や友達が病院に来て看病するのが常識だ。
もし介助してくれる人がいなければ、お金を払えばスタッフを雇えるらしいが、家族や友人のように親身に介助してくれるとは限らない。
さらに、入院するほどでもない病気になっても医者にかかるのは一苦労だ。
中国にはクリニックがなく、大規模な病院しかない。
風邪でも大学病院にいかないといけないと考えてみてほしい。
小さな病気から大病までみんな同じ病院に行く。すると待ち時間が半端ない。
検査を受けて結果が出て診察が完了するまで何日も、下手したら数週間かかるのが普通だ。
老人が付き添いなしで行くのは無理な話だろう。
また、中国では日本ほど社会保障が充実していない。
健康保険的なものはあるが、上限が決められており、上限を超えたら自己負担になる(2020年頃の北京市の健康保険の仕組みを調べました。中国では地域によって体系が異なるようです)。
つまり、癌など医療費が高額になる病気になると、保険が適応されず、家を売って医療費を捻出しなければならない。
家族が1人癌になったら中流家庭が極貧になると言われている。
また、年金については、公務員、国有企業や大企業に勤めていない限り、十分な年金はもらえない。
となると、老後の生活を支えてくれるのはやはり子供しかいない。
年金については、今後日本も怪しいけど。笑
こういう訳で、中国では子供がいるかいないかは老後の人生が詰むかどうかに関わってくる。
そのため、周りの人から親切心で結婚や出産を催促される頻度も高い。
そもそも子供を産むのが親孝行と言われているから、そのプレッシャーは日本の比ではない。
社会構造から見ても、社会観念から見ても、結婚したくない人や、子供がいない人にとって非常に生きづらい社会となっている。
だから、中国では子供がいないことのデメリットが大きい。
では、翻って日本を見てみれば、それ程のデメリットがあるだろうか?
子供がいなくても風邪をひいたらクリニックで簡単に診てもらえるし、紹介状を書いてもらえば大学病院でスムーズに見てもらえる(多少待ち時間はあるが)。
医療費が高額になったら、高額療養費制度があり、医療費のために多額の借金を背負うこともない。
少ないながらも年金を貰えて、若いうちに自分でコツコツ貯金しておけば老後も食いつなげるでしょう。
あと、住居問題!
中国の方々がなぜあんなに家を買うことに執着するのかということだが、不動産バブルだったのもあるがそれだけではない。
中国では賃貸に関する法律が未整備で、大家が結構横暴に家賃を値上げしてくる。
契約中でも構わず値上げできるし、突然退去を迫られることもある。
そのような状況下では、やはり持家でないと生きづらいのだ。
多くの女性の結婚相手の条件には「持家」が必須となっている
だから、親は息子に頑張って家を買ってあげる。そうすると自分は老後の資金がなくなるので、やっぱり子供に養ってもらうのだ。
それに比べると日本では賃貸でも安定して暮らすことができる。
法律があるから大家の権力が抑えられていて、なんなら借りている人の方が法に守られて強い。
老後も賃貸暮らしでもやっていけるだろうし、今後高齢化社会で高齢者でも家を借りやすくなっていくはずだ。
さて、子供がいないことのデメリットについて、お隣中国と日本を比較してみた。
その結果、社会構造や観念から見てみると、日本では相対的に子供がいないことのデメリットが少ないことがお分かりいただけたかと思う。
他の国に目を向けてみると、同じ子なしでも境遇が異なることが分かる。
どうして子供にこだわっているのか、その社会の構造を探ってみると見えてくるものがある。
こうやって外国のことが分かるようになったのは、外国語を勉強したからだ。語学の勉強の醍醐味は、自分の視野が広がるところだと思う。
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