上級管理職のリーダーシップ開発 ビジネス・インパクト・リーダーシップ®(Business Impact Leadership~BIL)
1.概要
上級管理職は、複雑で多様な責務に直面しています。彼らは、組織のビジョンを実現させる役割を担っており、 将来、経営幹部に昇進する可能性のある職位です。 経営幹部への昇進時には、政治的ネットワーク、業務の複雑さ、職場における人の力関係など、著しい変化と格闘することになり、これらは多大なストレスの原因になる可能性を秘めています。そして、一度経営職に就くと、自分のリーダーシップ・スタイルを築き、それを極めるまでには数年かかります。
ビジネス・インパクト・リーダーシップ® (BIL)は、上級管理職向けのコースです。本シリーズは学んだ内容をすぐにビジネスに適応できることを念頭に設計され、上級管理職が自身のリーダーシップ・スタイルのもとで、事業戦略の実行を成功させる上で重要な課題に対応する能力の強化を図ります。
2.成果目標
BILは、リーダーが次のような能力を習得できるように設計されています。
3.実施方法
・【CL】DDI認定BILファシリテータの派遣
・【VC】バーチャルクラスルーム
※DDI認定BILファシリテータの養成は、日本では実施していません。
4.コース一覧
・組織力を高めるコーチング
・組織の人材開発
・イノベーション文化の浸透
・変革を引き起こす
・意思決定の力学を習得する
・EQを高める
・戦略を成果に変える
5.各コースの構成
①組織力を高めるコーチング
上級管理職のコーチングは、初級・中級管理職のコーチングとは全く異なります。今日のリーダーには異なる職務を持つ人々を率い、組織全体の生産性を向上させると同時に、様々な世代の人々を統率し続けることが求められています。そのため、リーダーは多方向のコーチング・スキルを高め、チームメンバーとのより効果的な意思疎通を図るための思考を刺激する問いかけ方法を習得することが必要です。
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■ 成果目標
■ コース概要
★セッションのオープニング
参加者は優れたコーチの質や上級管理職のコーチングと初級・中級管理職のコーチングの違いについて話し合い、信頼の方程式を使用して自身の信頼性を評価する。
★高度なコーチング・スキル
参加者はエンゲージメントのレベルとコーチングの質を高める傾聴、共感力、思考を刺激する問いかけについて学ぶ。
★スキル実習
事前課題で特定したコーチング機会を用い、高度なコーチング・スキルを用いたコーチングについて、実習相手と話し合う。参加者同士で、相手の強みと改善点についてフィードバックを提供する。
★コーチとしての自身の 価値の観察
参加者は自身のコーチとしての有効性を測定する5つの指標について学ぶ。自己診断は参加者のコーチとしての価値を観察する際に役立つ。
★まとめと実践計画
自社のコーチング文化について話し合い、参加者はコーチング・スキル強化のために、やめる行動、開始する行動、継続する行動を検討する。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダーからシニアリーダー)
・標準所要時間:6時間30分(オプション演習を除く)
・参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間20~30分 参加者自身のコーチング・スキルを自己診断し、コース内で強化すべきコーチング機会を特定する。
■ 強化する主要コンピテンシー
・コーチング
・コーチングと人材育成
■ 関連コンピテンシー
組織の人材の育成 人材の育成
■ 関連コース
・最高のパフォーマンスを引き出すためのコーチング(IM: ExL)
・チャンスを活かす5分間コーチング (IM: ExL)
・変革を引き起こす (BIL)
・組織の人材開発 (BIL)
・EQを高める (BIL)
②組織の人材開発
リーダーはビジネスの優先事項を実行する即戦力になるリーダーやメンバーをより多く備え、チームの成長を加速させる重要な役割を果たします。そのためには、リーダーはチームや個人の強みと能力開発ニーズを正確に特定し、チームの能力開発の現状と将来像を明確にすることを学ばなければなりません。また、将来のリーダーの役割を担うハイポテンシャル人材を見極め、育成し、能力開発の効果を測定し、フィードバックを提供する方法を把握する必要もあります。
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■ 成果目標
■ コース概要
★戦略的能力開発
参加者は人材開発の推進者としての役割を学び、見返りの大きな能力開発モデルを使い、メンバーの能力開発の方法を検討する。
★能力開発モデル- フェーズ1: 診断
評価分析シートを用いて、開発すべきコンピテンシーを特定し、能力開発計画プロセスの最初のステップとして、能力開発の成否を左右する要素を学ぶ。
★フェーズ2:学習
10/20/70のガイドラインを掘り下げ、継続的な支援を提供することの重要性を学び、選定したチームメンバーの能力開発計画を作り始める。
★フェーズ3:適用
測定評価、障害とさまざまな適用機会の活用に焦点を当て、能力開発計画を完成させる。
★まとめと実践計画
能力開発を継続するための重要な行動を特定し、目標実現に向けた行動計画を考える。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダー)
・標準所要時間:6時間30分
・参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間40分 組織の人材開発担当者としての役割を検討し、ケーススタディを読み、自己診断を行う。
■ 強化する主要コンピテンシー
・組織の人材の育成
・コーチングと人材育成
・人材の育成
■ 関連コンピテンシー
・多様性の尊重
■ 関連コース
・組織力を高めるコーチング (BIL)
・EQを高める (BIL)
・リーダー自身とメンバーの能力開発 (IM: ExL)
・戦略を成果に変える (BIL)
③イノベーション文化の浸透
常に革新的であることはこれまでも重要でしたが、このことは多くの組織にとって、新たな常態(ニューノーマル)をうまく進むために不可欠なリーダーシップの最優先事項であると、近年頻繁に耳にします。競争優位性を高めるための革新的なソリューションを見出すことは極めて大きなプレッシャーです。リーダーは新たな要求を満たす考え方やアプローチを推し進めなければなりませんが、イノベーション文化を推進するために、リーダー自身が必ずしも極めて高い創造力をもつ必要はありません。本コースでは、イノベーションを支持するためのテクニックを学びます。これらのテクニックを使う経験を積むことにより、リーダーはイノベーションを起こす理想的な環境をつくり、チームを鼓舞し報いる文化を浸透させることができます。
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■ 成果目標
■ コース概要
★セッションのオープニング
参加者はイノベーションの実現におけるリーダーの役割と行動を考える演習に取り組む。
★イノベーションの定義と理解の一致
イノベーションに関するさまざまな課題の種類や範囲を検討する。
★イノベーションの課題を最小限にする
リーダーの役割の概要:イノベーションを起こす状況をつくり出すために、リーダーがとるべき4つの重要な行動を学ぶ。これらの行動の発揮度合いを自己診断し、他者と比較することにより、自分の行動に対する洞察を得る。
★イノベーションの課題を検証する
イノベーションの促進を妨げる原因とそれらを克服する方法を考え、課題の対処に役立つリーダーとしての4つの行動を探索する。
★まとめと実践計画
本コースの重要なコンセプトを振り返り、職場適用のための計画を立てる。イノベーションの推進者として、今後30日間で自身がとるべき行動を作成する。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダーからシニアリーダー)
・標準所要時間:6時間30分
・参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間10分 イノベーションの課題に対するイノベーション指数を完了する。
■ 強化する主要コンピテンシー
・イノベーションの推進
・革新性
・起業家感覚
■ 関連コンピテンシー
・組織の鼓舞/活性化
・やる気の鼓舞
■ 関連コース
・変革を引き起こす (BIL)
・EQを高める (BIL)
・意思決定の力学を習得する(BIL)
・戦略を成果に変える (BIL)
・イノベーションの促進 (IM: ExL)
④変革を引き起こす
競争が激しさを増す中、急速にビジネスを進めていくための“現状打破”は、リーダーの責任です。 しかしながら、リーダー自身に変革の準備ができていなかったり、変革を不本意ながら受け入れている状態だとすると、どのようにして変革を推進していくことができるでしょうか?関係者、多角的な視点、コミュニケーションや賛同を得ることの重要性を理解することにより、変革を推進するスキルを身につけます。
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■ 成果目標
■ コース概要
★セッションのオープニング
リーダーを取り巻く環境に対して、継続的に注意を払う必要があることに気づくことを目的とした演習を通じて、必要に応じて行動を起こすタイミングと方法を理解する。その後、変革を推進するときの、特に、ミドルリーダーに関連する課題について話し合う。
★変革の推進
事前課題のChange Analysis Worksheetを使い、参加者同士で、変革の取り組み方の状況を分析する。
★変革スタイル
参加者は変革に対する取り組みと対処に関する個人の3つのスタイル(保守型、現実型、独創型)を診断するChange Style Indicator(CSI)を完成させる。
各スタイルの人が他のスタイルをどのように感じるかを探求する。
★変革プロセス
変革プロセスモデル:認識、反応、模索、実行について学ぶ。人々の変化への反応を考えるとともに、各段階におけるリーダーシップの促進要因と阻害要素を検討する。
★まとめと実践計画
変革への取り組みについて、やめる行動、開始する行動、継続する行動について考える。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダーからシニアリーダー)
・標準所要時間:6時間30分
・参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間15分 変革への取り組みを特定する。
■ 強化する主要コンピテンシー
・変革の推進
・変革リーダーシップ
■ 関連コンピテンシー
・複雑さへの対応
■ 関連コース
・変革推進リーダーシップ (IM: ExL)
・イノベーション文化の浸透 (BIL)
・変化を受け入れる (IM: ExP) EQを高める (BIL)
⑤意思決定の力学を習得する
リーダー、特に上級管理職は、日頃から複雑で、影響力の大きな意思決定に直面しています。また、その意思決定は、適切でかつ、効果的な改善策であることが求められます。リーダーの意思決定における最大の課題は、恐らく最善の結果ではない方向にリーダーを引き寄せる複雑に込み入った意思決定の力学が働くという事実かもしれません。
本コースでは、リーダーがこれらの力学に対処し、意思決定に支障をきたす個人的バイアスと組織的バイアスを克服するために役立つ意思決定の原則について学習します。
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■ 成果目標
■ コース概要
★セッションのオープニング
ファシリテータは、上級管理職が行う意思決定に伴う複雑な力学、意思決定のレンズ(これらの力学に効果的に対処する要因)、そして、主観的な要因に基づく意思決定の原因となるバイアスについて説明する。
★バリュー
意思決定の指針を貫く: 対立するバリューや目的のうち、どちらかを選択しなければならない場合、どのようにバリューのレンズを使うかを検討し、バリューに関連する偏見を克服する。
★観点
大局的な見方を手に入れる:ファシリテータは、観点のレンズについて説明し、意思決定を下したり、バイアスを避ける様々な観点を検討するよう促す。
★経験
人生の教訓から学ぶ:参加者はチームに分かれ、経験を効果的に活用して意思決定を行う際にバイアスとなる過去の経験の影響について討議する。
★リスク
不確実なことを管理する:意思決定に伴うリスクを検討し、自分自身のリスク許容度と組織のリスク許容度を比較し、意思決定者として直接関係のあるリスクについて検討する。
★4つのレンズを使った意思決定
意思決定をあらゆる角度から明確かつ客観的に見るために、意思決定のレンズをどのように活用するかについて話し合う。本コースで学習した内容を用い、4つのレンズを使いこなす能力を診断する。
★まとめと実践計画
本コースで学んだ主な内容を共有し、意思決定の力学を習得するために、やめる行動、開始する行動、継続する行動について考える。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダーからシニアリーダー)
・標準所要時間:6時間30分(オプション演習を除く)
・参加人数:8~16人 事前課題:所要時間45分~1時間 参加者自身の意思決定の方法やこれまでの実績をよく知っている上司と話し合い、 参加者がコース内で分析する重要なビジネス上の意思決定を特定する。
■ 強化する主要コンピテンシー
・意思決定
・業務運営上の意思決定
■ 関連コンピテンシー
・リーダーシップ資質
・政治的情勢への対処
■ 関連コース
・イノベーション文化の浸透 (BIL)
・質の高い意思決定 (IM: ExL)
⑥EQを高める
リーダーが一人で仕事をこなすことは不可能です。そのため、リーダーは自らの「EQ(こころの知能指数)」を高めることが、チーム、パートナーシップや組織の業績向上につながることを理解しなければなりません。自分のEQを診断し、自分の意思や組織の業績達成の妨げになる感情に支配されない方法を学びます。
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■ 成果目標
■ コース概要
★オープニングセッション
職場において感情を表に出すことが適切かどうかについて話し合い、コースの目的を確認する。
★良い上司/悪い上司
良い上司と悪い上司の特徴や影響をグループで検討し、リーダーのEQ(こころの知能指数)が業績にどのような影響を与えるかについて話し合う。
★価値観、感情、言動、高業績
EQモデルの要素と、価値観、言動、信頼の関連性について掘り下げて考える。さらに「感情の支配」の概念と、その感情が周囲に与える影響について話し合う。
★EQモデル
EQの5つの要素を確認し、EQの構造について学ぶ。
★EQの向上
EQ指標の結果から理解を深め、自分の強みと啓発点について分析を行う。演習を通じて、感情のトリガーと自己認識を深める。
また自分の話し方や声、そのEQへの影響について再検討する。事前課題を使い、本コースで学習した「基本原則」や他のテクニックを活用して、スキル向上の演習を行う。
★まとめと実践計画
EQに関連するリーダーシップ・スキルを向上させるために、やめる行動、開始する行動、継続する行動についてまとめる。
■ コース詳細
・対象者:初級管理職から経営幹部職
・標準所要時間:6時間30分
・参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間30~40分 自分とは違う見方から問題点を特定する。EQ「基本原則」を読み、自分のEQ指標を完成させる。
■ 強化する主要コンピテンシー
・自己認識の確立
・感情的知性(EQ)
・信頼の獲得
■ 関連コンピテンシー
・経営幹部としての存在感
・継続的学習
■ 関連コース
・成果を生み出すリーダーのコミュニケーション・スキル(IM: ExL)
・組織の人材開発(BIL)
・変革を引き起こす(BIL)
・イノベーション文化の浸透(BIL)
・戦略を成果に変える(BIL)
・組織力を高めるコーチング (BIL)
⑦戦略を成果に変える
組織は上層部から戦略を実行できるリーダーを求めています。彼らは実行する優先順位を見極め、確実に実行し継続させるための時間を確保しなければなりません。
本コースでは、優先課題の実行に自分自身とチームを従事させ、効果的な戦略の実現における障害を克服する手法を学びます。
■ このようなお悩み・課題に直面していませんか?
■ 成果目標
■ コース概要
★セッションのオープニング
戦略の実行において重要要素である「フォーカス」「アカウンタビリティ」「エンゲージメント」「サステナビリティ」を紹介する。
★重点戦略の維持
戦略の実行に関連する「無秩序」「フォーカス」「観点」の概念について考える。戦略的フォーカス分析を行い、組織の戦略の優先事項に彼らがどのように時間とエネルギーを使っているのかを確認する。
★測定評価
測定を行うことや、効果的な先行指標と遅行指標を設定する基準の重要性について学習する。
★アカウンタビリティの原則
組織内のアカウンタビリティの課題について話し合い、能力、範囲、行動に基づくフィードバックやプロセステンションの概念を含むこれらの課題をどのように克服するかを検討する。
★自分とチームのエンゲージメントを高める
戦略の実行におけるエンゲージメントの役割についての洞察を深めるための体験演習を行う。
★整合性の評価
戦略の目的を達成するうえで促進要因と阻害要因となるシステムやプロセスについて考察する。
★サステナビリティの実現
リーダーが戦略を継続して実行するために活用できる5つの要素を検討し、各要素を評価する。
★まとめと実践計画
戦略の実行と継続に関し、やめる行動、開始する行動、継続する行動について考える。
■ コース詳細
・対象者:上級管理職(ミドルリーダー/オペレーショナルリーダーからシニアリーダー)
・ 標準所要時間:6時間30分
・ 参加人数:8~16人
・事前課題:所要時間60分 参加者は戦略的フォーカス分析(Strategic Focus Analysis)を完成させ、業績目標と共にコースに持参する。
■ 強化する主要コンピテンシー
・戦略実施の推進
・戦略的方向性の設定
・戦略的意思決定
■ 関連コンピテンシー
・成果達成の推進
・戦略の実行
■ 関連コース
・変革を引き起こす(BIL)
・組織の人材開発(BIL)
・EQを高める(BIL)
・イノベーション文化の浸透(BIL)
・フロントライン・リーダーのための戦略実行(IM: ExL)
6.DDIとは
DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。
◆DDI社の4つの専門分野
DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円 (令和 2年12月31日)
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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