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第5章<成長する>コーチングをうまく機能させる要素

1.最高経営幹部階層による支援

アクセラレーション・プールのメンバーの能力開発は、それを支援すべき最高経営幹部の関わりがなければ実現しない。われわれは、多くのコーチングが組織の戦略と整合した包括的な目標がない状態で行われて、失敗に終わるのを見てきた。業績上の問題を改善するために、エグゼクティブ・コーチが上司の代理としての役割を期待されることもあるが、そうした方法はめったに成功しない。ほとんどの能力開発戦略は、上司の関わりを必要とするからだ。仕事ぶりを改善するには、本人、コーチ、上司の3人体制で協力し合って能力開発戦略を進めなければならない。


2.能力開発のニーズの正確な診断

コーチングは、本人とコーチの双方が能力開発の優先順位について合意したときに始まる。第4章で触れたように、能力開発を始める前に何を開発するかを明確にしておかなければならない。コーチングの関係性を堅固なものにするためには、個人の能力開発のニーズに関する信頼性の高いデータが不可欠だ。また、その診断を個人が受け入れることも必須である。通常、参加者はアクセラレーション・センターの結果に関するフィードバック(テストの結果だけでなく)を受け入れるので、プロによるコーチングとアクセラレーション・センターを組み合わせるのが得策だろう。

3.明確な計画と目的

本章で先述したように、能力開発計画に進捗状況と成功度の測定を含むことが重要である。期待される成果を明確にせずにコーチングを始めてはならない。

4.ビジネス(戦略)とのつながり

自身の能力開発がビジネスに与える影響を理解させるには、経験を積んだコーチと、社内の主要な関係者(上司など)からの情報が必要である。個人の能力開発をビジネス戦略と結びつけることで、能力開発に議論の余地のない妥当性がもたらされる。

例えば、競合への洞察と競争ポジショニング戦略を改善するという能力開発目標は、初めての市場で、初めてリーダーの役割に就く人にとって重要となるだろう。個人の能力開発に再び取り組むリーダーにとって、業績に直結したテーマほど能力開発に役立つものはないからだ。ここでも、最大の影響力を発揮するためにエグゼクティブ・コーチと上司の協力が欠かせない。

5.変化を望む

エグゼクティブ・コーチは、自身の能力開発に関心のない個人を担当することもある。能力開発の必要性や価値が理解できないリーダーは、ほとんど改善を示しそうにない。だが、これは徐々に変えられる。コーチングプロセスに対する最初の反応は、間違いやすいのだ。個人がコーチングを受け入れるには時間がかかるし、コーチングが功を奏するにはさらに時間がかかるので、コーチング・プロセスに対する最初の反応はあまり良くない。だが、これは徐々に変えられる。

コーチとの関係や信頼が深まるにつれ、真の自己洞察や自己決定ができるようになり、プロセスに対する当事者意識が高まる。そして、ビジネス目標、職務に関連する責任、個人的な目標の達成には自分の能力の変化と成長が役立つと信じるようになる。さらにコーチの支援により、最終的に行動の変化と個人の成長を達成することへの強い意志、緊迫感、努力を示すようになる。

6.コーチとリーダーのマッチング

最もよく聞かれる質問のひとつが、「アクセラレーション・プールのメンバーや経営幹部のコーチは上から任命されるべきか、自分でコーチを選ばせるべきか?」というものだ。答えは、コーチングの目的による。特定のスキル(口頭でのプレゼンテーションなど)を身につける必要のあるプールメンバーは、組織内で確かな実績があるコーチを付けられることに抵抗はないだろう。

だが、大きな仕事の移行を管理したり、失敗によって弱い立場に追い込まれた経営幹部の評判を取り戻すなど、幅広い目的の場合は、コーチと個人の相性に気をつけなければならない。この場合、コーチの選出に本人が関わるほうが、長期にわたる成功につながりやすい。

7.おすすめ人材アセスメントソリューション

8.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

9.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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