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リーダーシップ開発における5つの課題

今日の人事担当者が直面するリーダーシップ開発における最大の課題と、その解決策について学びましょう。

方角を示さないコンパスや、旅のたびに更新される地図を想像してみてください。これは新しいビデオゲームのチャレンジではなく、現代の職場でリーダーが直面する不確実な状況を象徴しています。リーダーたちは、このような変化の中で多様な課題に挑んでいます。


1.概要

リーダーシップの環境は急速に変化しており、それに伴いリーダーの役割や必要とされるツールも進化しています。技術やAIの進展に伴う職場の変化は、人事担当者に新たなリーダー育成の課題を突きつけています。これらの課題に対処し、未来に備えたリーダーを育てることが急務です。

2023年の「グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト調査」では、1,500を超える組織から集めた約14,000人のリーダーの回答をもとに、人事チームが直面するリーダーシップ開発のトップ5の課題が明らかになりました。

2.リーダーシップ開発における課題のトップ5

🔷課題1.学習を仕事と関連付ける

私たちの調査結果から、学習が有効であるためには、その内容が仕事に直結している必要があることがわかりました。そうでなければ、学んだ知識は定着しません。リーダーには、学んだことを業務上の課題に結びつけて活用する力が求められています。

リーダーが多忙な日々を送り、学習の時間が限られている今、学習内容の関連性はさらに重要です。時間や注意を競う中で、学習が実務に直接結びつくものであれば、専門能力開発への参加意欲が高まります。

企業は、キャリアアップにおける能力開発の重要性を示すことで、学習の価値を高めることができます。また、シニアリーダーは能力開発を優先事項とし、それがビジネス戦略の一環であることを強調するべきです。

🔷課題2.パーソナライズされた体験の創出

リーダーシップ開発では、個々のリーダーに適したパーソナライズされた学習体験を提供することが求められます。万人向けの学習プログラムは、もはや効果的ではありません。2023年の調査によると、リーダーたちは自分の成長領域を特定するために、より多くのデータ分析を求めています。

人材アセスメントを活用した能力開発は、学習内容の関連性を高め、リーダーにとって最も価値のある分野に集中する助けとなります。パーソナライズされた学習は、個々のリーダーの学習意欲を高める要因にもなります。

多くの組織が、育成プログラムのパーソナライズを強化するために取り組んでいます。リーダーシップ開発プログラムをアセスメントの結果に基づいて設計することが、ますます重要になっています。調査によると、HR担当者の64%がリーダーの強みと弱点を評価し、その診断結果を基にリーダーシップ開発プログラムを開始しています。

人材アセスメントの分析結果を活用することで、リーダーが学ぶ内容の実務との関連性が向上します。個別化された学習は、リーダーがどの分野で最も価値を得られるかを明確にし、その学習効果を最大化します。学びが個別化されている場合、リーダーが注ぐ努力は、彼らにとって関係の薄い一般的な育成に比べて、はるかに有意義になります。

🔷課題3.深い学びの促進

リーダーは、学習内容に没頭することと仲間との交流を重視しています。調査では、61%のリーダーが他者との共同学習を求めています。組織は、リーダーが経験を共有し、学びについて議論できる学習グループの結成を考慮すべきです。

没入型学習の提供には、日常の業務からインスピレーションを得たシミュレーションが有効です。リアルな状況を模した学びの機会を提供することで、リーダーがスキルを実践的に習得し、リスクのない環境でスキルを磨くことができます。

🔷課題4.共感力の向上

仕事のプレッシャーが高まる中、共感力はリーダーにとって欠かせないスキルです。共感的なリーダーは、従業員とのつながりを強化し、エンゲージメントの向上を促します。

リーダーが共感を持って耳を傾け、サポートを提供することで、従業員とのつながりが深まり、リーダー自身も理解されていると感じさせることができます。私たちの継続的なグローバル調査によると、共感的なリーダーのもとでは、チームのエンゲージメントが高まり、人材の定着率も向上する傾向があります。

🔷課題5.燃え尽き症候群の軽減

リーダーには柔軟な学習機会とサポートが必要です。リーダーの70%が日常業務での疲労を感じており、リーダーシップ開発はそれに対応するために価値あるものである必要があります。

リーダーの多く(70%)が、1日の終わりにしばしば疲労困憊していると感じていると答えています。関連性がなく、パーソナライズされておらず、没入型でもないリーダーシップ研修は、優先順位が低くなりがちです。能力開発においては、明確な価値と実務への適用が求められており、リーダーがそれに対して高い優先順位を付けたくなるようにすることが重要です。さらに、従業員の燃え尽きを防ぐために十分な準備ができていると感じているリーダーは、わずか15%に過ぎません。

チームの燃え尽きを防ぐためには、リーダーが対人関係において重要なスキルを向上させ、それを実践することが必要です。具体的な行動には以下が含まれます。

・共感を持って話を聞き、サポートする。
・自分の失敗を素直に認める。
・弱さを見せることを恐れない。
・ウェルビーイング(心身の健康状態)について積極的に問いかける。

こうした行動を取ることは、信頼に基づいた人間関係を職場で築くのに役立ちます。リーダーが信頼されることで、チームメンバーが燃え尽き症候群に陥るリスクも低くなります。

3.リーダーシップ開発の課題に取り組む

世界は驚くべきスピードで変化しており、リーダーはその変化に対応するための支援を必要としています。厳しい変化に柔軟に対処できるリーダーシップスキルを身につけることが、リーダーにとって最大の課題です。

このコラムはその取り組みの出発点にすぎません。すべてを一度に解決する必要はなく、リーダーシップ育成の主要な課題のいくつかに着手するだけでも、企業はより良い立場で未来に備えることができます。

4.関連ソリューション

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6.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

7.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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