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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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2020年8月の記事一覧

ロイヒターレポート The Leuchter Reports

注意2:この記事は下記の「注意」にある通り、歴史修正主義研究会にあったロイヒターレポートの翻訳記事から脚注を省いてコピペだけしたものでした。しかし、2022年11月に全面的に私の方で翻訳+コメント付きで新たに記事を起こしています。翻訳内容自体は歴史修正主義研究会版とそれほど大差はありませんが、ロイヒターの主張がどれほど噴飯物か徹底的にコメントしてありますので、その私のコメント付きで読みたい場合は、以下をご参照ください。 「ロイヒター報告」本文 ――ポーランドのアウシュヴィ

ホロコースト否認論を否認するテスト-14山崎カヲル氏による「さまよえるVergasungskeller」の痛快さ。

2000年前後頃に、西岡昌紀氏や木村愛二氏を相手にホロコースト議論をしていた高橋亨氏や山崎カヲル氏の見解はかなり痛快です。それ故、日本の否定派界隈は高橋氏や山崎氏に対し精神的優位性を保つためだと思いますが、意味不明の余裕をぶっこく以外に対抗策はなかったようです。それはそれとして議論自体はかなり痛快で、読んでいて笑いを堪えるのは難しいのですね。木村愛二氏が本多勝一氏や週刊金曜日を訴えた裁判で、完璧に敗訴しているのに「実質的大勝利」というセリフを吐いたのを見て、笑いを超えてほんと

BBC制作『アウシュビッツ ナチスとホロコースト』におけるビルケナウ・ブンカーの描写について。

アウシュビッツのビルケナウ収容所で、ユダヤ人大量虐殺が始まったのは、1942年3月頃とされているが、最初はビルケナウの敷地の外にあったブンカーⅠ(赤い家)と呼ばれる場所から始まった。しかしこれを否認論者は、その存在自体を疑問視するらしい。何故なら、ブンカーはビルケナウの敷地内にクレマトリウムⅡ〜が完成し、そこで大量虐殺が始まると取り壊され、完全になくなったからである。(ブンカーⅡ(白い家)は44年内までは残り、ハンガリー系ユダヤ人が増えすぎた時にガス室として再稼働している。そ

否定派の航空写真分析専門家の実態は?

航空写真の歴史は古く、まだ飛行機のない時代から、気球を使って高高度から地上を撮影していました。世界初の航空写真はフランス人が1858年に撮ったとされています。日本でも1877年に西南戦争において気球を使って航空写真が撮られたそうです。航空機が発達していた第二次世界大戦時にはたくさんの航空写真が撮られるようになっており、特に軍事目的には航空写真分析は欠かせないものとなっていました。 アウシュヴィッツ収容所などの航空写真も撮られて、資料として残されており、それらを使用すると、高

アウシュヴィッツの様々な議論(32):ガス検知器に関するカルロ・マットーニョとアーサー・R・バッツの奇妙な言い争い。

この記事は、ずっと前に、まだほとんど何も知らなかった時期に翻訳したものですが、改めて読み直してみて、あれから私も随分と理解が深まりましたので、その時はあまり理解できなかったのに、今では8割くらいは理解できるようになりました。 その当時は、よくわからないままに適当な用語でググって見つかった記事をただ単に翻訳していただけなのです。確か、対抗言論の山崎カヲル氏による記事の中の元記事をネットにないかと探してたんじゃないかな? それで、今回新たに全面的に翻訳し直してみて、なるほどなる

ホロコースト否認論を否認するテスト-12「え? アウシュビッツにプールがあった?」

※こちらのページは、記事を新たに作成し直しているので、削除しました。新記事はこちらです。

フランケ・グリクシュの「再定住行動報告」

本記事で紹介するフランケ・グリクシュの「再定住行動報告」とも呼ばれるレポートは、フランケ・グリクシュが当時の親衛隊将校であり、その親衛隊側の人物が、戦時中にアウシュヴィッツ・ビルケナウのユダヤ人に対するガス処刑の内容を詳細に記述したレポートです。このようなアウシュヴィッツのガス処刑を戦時中に記述した内部文書はこれ以外には存在しないので、大変貴重なものです。 当然、修正主義者たちはこのようなガス処刑について記述された内部文書なるものの証拠性を認めません。しかし、この報告書が世

ホロコースト否認論を否認するテスト-番外編04「アーカイブの彼方にある否認論への徹底批判」

今回は、シリーズ本編にするか番外編にするか迷った。別にどっちでも同じだと言われれば身も蓋もないが、本人的には一応区別しているのだ。どういう基準で? ……うーむ。 ホロコースト否認論は既に死んでいる。先ず、基本的なことを言っておこう。ネットにはホロコーストを否認する人達、否認というよりも歴史修正論が成り立つ可能性があると思っている人、もっと言えば、ホロコーストはもしかするとなかった、あるいは遥かに規模の小さいものであった可能性があると思っている人、そんな人達が多分六百万人くら

ホロコースト否認論を否認するテスト-10

今回は以下サムネリンク記事を、DeepLを中心に翻訳に用いつつご紹介します。ロイヒターレポートそのものを自分で逐次批判ていうのをやりたいんですけど、とにかくこれが読みづらくて、今回は部分的な反論をしているものを紹介します。どこかに読みやすいロイヒターレポートの翻訳ってないのかなぁ?💦なお、脚注番号、脚注は省いていますので原著等を知りたい方はサムネの中のリンクから直接たどって下さい。 ▼▼▼翻訳開始▼▼▼ AUSCHWITZ-BIRKENAU CREMATORIA: CIV

ホロコースト否認論に対抗するには?

今回は単なるコラム・エッセイです。 Facebookでは、ホロコースト否認論が未だ野放しになっているそうですね。二年ほど前にそうした話題があったのは記憶にありますが、BlackLivesMatter などの運動の広がりにも合わせて、#NoDenyingItハッシュタグをつけてをつけてホロコースト否定をFacebookに削除するように訴えている運動になっているようです。アウシュビッツ博物館もこの通り怒ってます。 その二年前には私はどちらかと言えば「言論の自由」派でありザッカ

ホロコースト否認論を否認するテスト-09 Twitter Denials 08

今回も以下のリンク記事の紹介です。翻訳はDeepLを使用しつつ独自の解説を加えていきます。 36.ねぇねぇ、なんでコロコロ収容所死者数が変わるわけ? 数字適当に弄ってるのバレバレでしょ。アホらし。 うーーーむ、なかなかしつこいみたいですねぇ、被害者数の推計値です。何遍言えば君たちは分かるんだ! みたいな。これらのツイートは、ともかくいろいろな時期による差であるとか、あるいはこっちにはこう書いてあるのにこっちと違うとか、虐殺人数が大幅に違うことすらあるので、あまりにいい加減

ホロコースト否認論を否認する-番外編03「ホロコーストとは何か」

私は別に学者先生でもなければ、もちろんユダヤ人でもないし、一介のド素人でホロコーストについてようやくまともに少しかじり始めたばかりのまだまだ無知な人でしかありません。 私より遥かに詳しい人がいるのは当然承知の上です。ですから、私の方が詳しい!素人が何抜かす!と思われる方はここで退散下さい。このシリーズをやっているのは、主として私自身の学習のためであり、今一つは日本にはホロコースト否認論に対抗するサイトがほとんどないという状態を知って危機感を感じたからです。一応目標はあります

ホロコースト否認論の否認テスト-08 Twitter Denials 07

※写真はアインザッツグルッペンと呼ばれる現地虐殺部隊の実際の光景です。 今回も以下のリンク記事の紹介です。翻訳はDeepLを使用しつつ独自の解説を加えていきます。 31.ユダヤ人は嘘つきばっかなんだからホロコースト被害者の証言なんて信用できるわけないじゃん。 ええっと、この項に私が付けたタイトルはちょっとツイートの文章とはズレています。でもその方がわかりやすいと思ったのでそうしています。添付画像のニュースが何のことはちょっとわかりかねるので。多分、ニュース画像内のユダヤ

ホロコースト否認論を否認するテスト-07 Twitter Denials 06

※上記写真はアウシュビッツ収容所からソ連軍により囚人が開放されたときのものです。こちらにその時の様子を撮影した動画があります。下記の30で言われているのはこの映像のことが多いようです。なお、どうやらここで紹介されていた人はこの映像に写っていたのかも知れません。 この記事は以下のリンクの私的解説です。原則として地の文は私の解釈、引用は翻訳文です。但し例外もあります。翻訳にはDeepLを使用しています。 26.ホロコーストの証拠写真なんて捏造ばっかじゃねーか。 これは、昔話