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あなたはADHD? ADHD(注意欠如多動性障害)とは|【ADHD本人が簡単に解説!】

はじめまして、寺尾誠弘です。

 ADHDの人の約30%が定職に就けていない、約40%がうつ病などの気分障害を抱えている事が明らかになっています。

 今回は、私も当事者であるADHD(注意欠如多動性障害)について、わかりやすく解説しています。

1.ADHDとはどんな障害か?

 ADHDは発達障害の1つで、大きく分けて3つの特徴があります。
①じっとしていられない(多動性)
②静かに遊べない・待つことが苦手で他人の邪魔をしてしまう(衝動性)
③活動に集中できない・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めない(不注意)

 ADHDの特徴を見て、「こういう事私にもある!」と思う方は多いと思います。その理由は物をなくすことや集中が欠けることは誰にでもあるからです。ここで一つ注意が必要なのは、ADHDの人はこれらの特徴が一般的な人の基準よりも多く見られるという事です。そして、それが原因で気分や対人関係などに障害が生じている状態であれば、ADHDの可能性は高いと思われます。心療内科などで検査する事をお勧めします。
 例えば、物忘れをしてしまっても、頻度が低ければ「たまには忘れることもあるよね」とその時は多少困っても周りの人も許してくれると思います。
 何度も物忘れをするとなると「自分は何てだらしない人なんだ」と自分を責めるばかりか、周りの人からも「あの人はだらしない人」と認識されて、気分が落ち込んでしまったり、周りとの対人関係が上手くいかなくなってしまったりしかねません。
 その物忘れも「忘れないように対策すればいいじゃん!」と思うかもしれませんが、ADHDは忘れないように対策を打っても対策した事すらも忘れてしまうという事が起こりうるのです。

2.ADHDの症状はみんな同じか?

 人によって、ADHDの特徴の出方は全く違います。多動性や衝動性の症状が強く出て、不注意の症状は弱いという人もいれば、逆に不注意の症状だけ強い人もいますし、全ての症状が強いという人もいます。つまり、ADHDの症状は人それぞれなのです。
 例えば、私の場合は不注意の症状がかなり強いです。
不注意の症状が強い場合は、仕事での複数同時作業(マルチタスク)はかなり苦手で、ミスを連発してしまいます。私が営業職をしている時には「お客さんと雑談しながら、タブレット端末を操作して、商品の説明をする」というマルチタスクが上手くできずに、タブレット端末の操作ミスや商品の説明漏れなどのミスは日常茶飯事でした。また、忘れ物・無くし物が多く、家を出る時に鍵や財布やスマホを探すこともよくありますし、物を無くした時は交番にも何度もお世話になりました(いつも手元に戻ってくるので、日本は何て良い国なんだと感心します)。また、外からの刺激ですぐ気がそれてしまうので、私は話を聞いているつもりでも、話の内容が頭に入っていないことがよくあります。
 多動性が強い場合には、じっとしていられず、そわそわしてしまうという特徴が見られます。例えば、映画館では席にじっと席に座っていられません。じっとしていることが苦痛なので、姿勢を何度も変えたり、手足を動かしたりして物音を立ててしまうこともあります。仕事においても、ミーティングや上司の話を聞くなどを長時間するのは苦しいです。
 衝動性が強い場合には、思い立ったら行動してしまう特徴があります。例えば、ネットサーフィンをして「この商品が欲しい!」と思ったら、後先考えずに購入してしまいます。そんな事を繰り返して、未使用の物が家に溜まってしまうという人もいます。また、ギャンブルやタバコなどに依存しやすい事も明らかになっています。

3.ADHDは治るの?

 結論から言うと、ADHDは根本的には治りません。ADHDは脳の機能の障害であり、ドーパミンという物質が脳内で不足することで起こると言われています。
 だから、コンサータという薬によって脳内のドーパミンを増やして、一時的に脳の働きをスムーズにすることができます。他にはストラテラという薬でノルアドレナリンという気持ちを落ち着かせる物質を脳内で増やして、一時的に脳の働きをスムーズにすることはできます。
 どちらも薬を服用することで、一時的に症状が緩和されるという物なので、根本的にADHDを治す方法は未だにありません。

4.ADHDに強みはあるの?

 ここまで、ADHDの弱みの部分について説明してきました。これからはADHDの強みについてです。結論から言いますが、ADHDには強力な強みがあります。そして、親や教員、周りの人、ADHD本人はその強みを理解して伸ばしていくことで、誰にも真似できないような偉業を成し遂げることがあります。Appleのスティーブ・ジョブズ、楽天の三木谷浩史、マイケル・フェルプス、ブリトニー・スピアーズ、勝間和代、深瀬慧(SEKAI NO OWARI)、さかなクン、長嶋茂雄、ウィル・スミスなどの有名人(探せばもっと出てきます)は、ADHDを公言していたり、ADHDではないかと言われていたりします。このように見ると、ADHDであることは一概に悪いことだとは言えないですし、むしろ強みを生かせばものすごい成果を出せるようです。
 ADHDの強みは大きく3つです。1つ目は、過集中(ハイパーフォーカス)です。自分の好きな事や興味のある分野に関しては、自分の全神経を集中させて取り組むことができます。だから、好きな事を見つけて、それを好きなだけやるようにしてみると一つの分野でトップクラスになれるかもしれません。将来は動物博士・プログラマー・デザイナー・芸術家・音楽家など専門性の高さを生かした職業に就けると思います。
 2つ目は、創造性(クリエイティビティ)が非常に高い事です。物作りや絵を描く事、新しいアイデアを出す事など、何かを作り出す能力が高いと言われています。好きな事であれば、全神経を集中させて色んな想像を働かせて、独創的な物や考えを作ることができます。デザイナー・芸術家・研究者・起業家などが向いているとも言われます。
 3つ目は、行動力の高さ(ハイパーアクティビティ)です。好きな事に取り組み、失敗が許されるような場面では諦めずに何度もチャレンジを繰り返す事ができます。チャレンジの回数が多いため、あらゆる事を学習して深い知識を身につけるので、成功する可能性が高まります。起業家の成功率は、ADHDの人とそうでない人とでは、ADHDの人の方が2倍高いことも明らかになっています。ADHDの人だと約60%の人が起業に成功しているとも言われます。 
 これからの時代は専門性が強みになるとも言われているので、ADHDである事がメリットになる可能性も十分あります。

5.ADHDの強みを生かすには?

 ADHDの強みを生かすには、2つのポイントを押さえましょう。1つ目は、失敗をとがめないことです。ADHDは、「本気で改善しよう!」と思っても、じっとしていられなかったり、人の話を聞いていられなかったり、忘れ物をしてしまったりします。脳の機能の障害であるため、本人の意志に逆らって失敗してしまうのです。その時に親や教員、周りの人から「他の人はちゃんとできてるのになんでできないの?」「やる気はあるの?」等と失敗をとがめられたらどうなるでしょうか?
 私もこのような経験はありますが、「自分は何もできない人間なんだ」と考えて落ち込んでしまいます。そして、「自分の気持ちは誰も分かってくれないんだ」とふさぎ込んでしまいます。そして、自分の弱みばかりに目を向けてしまう癖がつくので、チャレンジしてもまた失敗してしまうと思い込んで、チャレンジすることを恐れてしまいます。だから、ADHDの人が失敗した時には、「やろうとした気持ちが大事だよ」「まず、できるところからやってみようか!」のように、その人の気持ちや段階に合わせた支援をしてあげましょう。逆に成功した時にはどんどん言葉で褒めましょう!ADHDの人はやる気になるとものすごく頑張れる人ばかりです。
 2つ目は、本気で好きな事をできる環境を作ることです。好きでもない習い事や苦手なマルチタスクの仕事では、そもそも意欲が湧かないのでそれを避けるようになります。そして、好きでもない事や苦手な事を続けると失敗ばかりが目につき、自分の弱みばかりに目が向きやすくなってしまいます。
 ADHDの人は、本気で好きなことや得意なことを習い事や仕事にしましょう。人生が好転し生きやすくなると思います。

終わりに

 今回はADHDについて、詳しくまとめてみました。少しでもADHDについてわかっていただけたら幸いです。
もっと知りたい事などありましたら、コメントで教えてください!
そして、ADHDに関する事で悩んでいる方、生き方や人生などで悩んでいる方、お気軽にご相談ください!

 より詳しく知りたい方は厚生労働省等のホームページを見てみてください。

あなたはADHD? ADHD(注意欠如多動性障害)とは|【ADHD本人が簡単に解説!】

寺尾誠弘





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