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イカは何処へ・・・

私はイカが好きだ。
もちろん観るのではなく、食べるほう。
噛むほどにうまみが出ておいしい。
20年以上前の学生の頃はスルメイカが1杯100円程度で買えたので、よく自分でさばいて食べていた。
一番好きなのはお刺身だが、にんにくバター醤油炒めにしたり、大根や里芋と炊いたものをよく作ったものだ。最近は長ネギと味噌炒めにするのがお気に入り。
スルメももちろん好き。安くてお酒に合うし、噛む力を鍛えられるし、冷蔵庫に常備している。
イカは毎日安く買えるものだと信じて疑わなかった。

ところが最近、東京のスーパーでイカを見かけなくなった。
スルメイカがいつしか小ぶりなスミイカに代わり、ここ数か月は月数回しかお目にかからない。
たまに見かけても、1杯500円。最近は1,000円近くの値がついている。もはや高級魚レベルだ。
冷凍コーナーに冷凍イカはあるが、大味でうまみが少なくあまり手が伸びない。

聞くと、イカの漁獲量が以前の10分の1まで激減しているとか。
温暖化の影響とは言われるが、彼らは一体どこに行ってしまったんだろう。
イカは日本でよく食べられているが、欧米の大半の地域ではエイリアン扱いされ食べ物として認知されていない。
外国ではイカが減ったって困らないのだろうが、日本は、少なくとも私は困る。

こんな日がくるんだったら、もっとイカをたくさん食べておけば良かったな。
20年前の私に「20年後はイカが1杯1,000円だってよ」とこっそり耳打ちしたい。
今はまだお手頃価格で手に入るスルメやサキイカも、そのうち高級珍味として桐箱に入れられ、デパートで売られるのかな。

海の忍者アオリイカ@サンシャイン水族館

イカは気まぐれで養殖がとても難しいそうだが、昨年沖縄で養殖に成功したというニュースを聞いた。
商業化にはまだまだ時間がかかるのだろうが、お手頃価格で手に入る日がまた来ることを願っている。

夏の暑さを忘れる景色@サンシャイン水族館
日本の清流を再現。おいしそうなきれいな鮎。
空を飛ぶ、じゃなくて水槽を泳ぐペンギン

ちびっ子あふれる夏のサンシャイン水族館。
涼を求めて訪れたはずが、イカのことで頭が一杯になっていた私。
どうやら疲れているようだ。
帰って、スルメをあてにビールでも飲んで寝よう。