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選挙結果振り返り(2023 9.3投票)


(9/5 追記)
 前書きを書き忘れたまま掲載してしまいました。

 先週の選挙は岩手と立川市が注目でしたが、そういったもの以外の細かいトコを拾うのが当記事でありまして。
 結構面白い結果と、結構厄介な選挙が混在していますよ。 ご覧ください。




◎福島県・天栄村長選挙

 4期目を目指す現職に、“選挙の達人” (通算成績:0勝12敗)、髙橋翔プロが挑んだ12年ぶりの村長選は、当然の如く現職の圧勝。 髙橋プロは得票率10%に届かず供託金50万円が没収となり、連敗記録が「13」に伸びました。

 無投票を阻止するために出たのであれば、と髙橋プロの出馬を支持するつもりでしたが、現職の支持率が得票率同様に9割超えだとは考えづらく、それでもこの結果になったというコトは、髙橋プロの出馬が信任投票として機能しなかったと言えるかと。
 それはひとえに、髙橋プロが今年既に4回選挙に出ていて、その存在が知られるようになった結果、相手にされなくなったのではないでしょうか。 次から次へ選挙に出るのも、考え物だと思いますよ。 御自身の “商品価値” を保ちたいなら。


◎栃木県・鹿沼市議会議員選挙(定数24/29人)

 現職20人、新人9人が立候補し、政党別では自民が8人、公明が2人、維新が1人、立憲が2人、共産が1人立てた選挙は、現職2人、新人3人が落選し、公明立憲共産が全員当選しました。

 自民系が3人会派と4人会派のが2つに分裂している自民は現職プラス1人立てましたが新人候補が1人落選し、現有議席通りの7人当選。 新しい議会で会派をひとつにまとめられるかが注目です。

 一方、立憲は現有議席プラス1人立てて議席増、正確に言えば前回の選挙後に1人維新に移って参院選出馬のため辞職したために失った議席を取り戻しました。
 裏切った女性市議が初当選した前回のワンツーフィニッシュには及ばないものの、男性2人立てで2位7位当選ですから、立派な結果ではないでしょうか。

 そして、なんといっても驚いたのが維新の落選!  またしても1人立てで国会議員も応援に入っており、最近の傾向からいって上位当選確実かと思われましたが、結果は28位のブービー落選で全く通用しませんでした
 何故このような結果になったのか、現地取材していないのであくまで推測ですが、

①告示直前の出馬表明だったらしく、準備期間が短くて市内に浸透できなかった
②北関東において維新はまだまだ弱小政党である
③「共同親権」推しは票が獲れない

 という点が有ろうかと思われます。
 特に③ですが、今回の維新候補は共同親権推進活動をしていた人で、①の状況下で選挙運動を支えたのが「桜の会」などの共同親権推進団体の方だったようですが、きっと「共同親権推進」を掲げたところで有権者の多くにとっては “他人事” で関心を引けなかったのではないかと。
 実際は(賛否どちらにせよ)悩んでいる方は一定数いるでしょうし、知り合いの誰かしらにそういう方がいる有権者も多いと思うのですが、当然ながら投票先を政策で選ぶのならば、より自分事である政策を優先して然るべきなので、票には結びつかなかったのだろうと。
 維新には共同親権推進派が一定数入り込んでおり、選挙運動を自前のスタッフでやってくれるため維新も頼ってしまう場面を何度か見たコトが有りますが、今後党勢を拡大させたいのなら、その界隈との付き合い方を維新は考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

 なお、前回ブービー当選だった共産候補は最下位当選。 投票率が前回より5ポイント下がる中、得票数が12%ダウンしましたが、当選したので、先ずは良し。 でしょうか。 ・・・ホントはそんなコトないんだけどなぁ。


◎三重県・松阪市長選挙

 3期目を目指す現職に直前に出馬表明した元兵庫県議の新人が挑んだ一騎打ちは現職が4選を果たしました。

 この新人候補について素性を知らない方は「今週の選挙(2023 9.3投票)」に書いているので、そちらで御確認いただきたく存じますが、こんなどうしようもない人に狙われた松阪市が気の毒と思うと同時に、対抗候補を市内で立てられなかったために狙われたコトを大いに恥じていただきたいものです。
 結果、17%の得票率で供託金没収を免れたので、今後この新人候補は「選挙ゴロ」として各地に出没する可能性が有ります。 なので皆様、「小西彦治」という名前を “要注意人物” として覚えておいて下さい。


◎大阪府・枚方市長選挙

 3期目を目指す大阪維新の会の現職に共産推薦の新人が挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 しかし、この構図だと「最悪、供託金没収も、、、」とさえ思っていたのですが、大敗には変わりないですが20%超えの得票を得たというのは大健闘といってもイイのではないでしょうか。
 何も恥じるコトは有りません。 恥じるべきは候補者を立てずに敵前逃亡した、自民立憲です。


◎鹿児島県・与論町長選挙

 現職が2期で引退し、後任を元与論町商工会の会長と3期務めた町議を辞職して町長選に挑む候補の一騎打ちは元商工会長が初当選を果たしました。

 それにしても、前回より5ポイント下がったとはいえ投票率が83.47%というのは、羨ましい限りです・・・


◎鹿児島県・与論町議会議員補欠選挙(定数1/2人)

 町議(今回の町長選候補者)辞職で空いた議席を、新人2人が争いますが、ココに参政党が乗り込んできました。

 「こんなトコにも参政党?」って思われるでしょうが、今回はココに候補を立てる理由が有りまして、 実は与論町は2022年参院選比例区の参政党得票率が、全国の自治体で第1位なのです。 なので、「勝算アリ」で候補を立てています。
 埼玉県出身ですが小学6年頃に与論島に移住。 現在は島内でオーガニック推しの活動をしてきて、漢字の「気」「氣」と書くような人です。 もはや “毎度おなじみ” なキャラが立候補していますが、現在の与論町議会が全員男性なので、女性議員を期待する有権者の票は集まりそうです。

今週の選挙(2023 9.3投票)より

 と、書いていたのですが、結果は参政党候補が落選となりました!
 どうやら相手候補で元春日部市議(埼玉県)の男性が町内で商工会に入って活動していた方らしく、町長選の結果と照らし合わせれば、その方に票が流れる構図が出来ていたようです。
 これを以て「参政党の地方進出を阻止した!」「与論の平和は守られた!」と思われている方も多いと思いますが、、、 残念なお知らせが有ります。 与論町議選は来年8月本選が有ります。 今回の選挙で名前は売ったでしょうから本選に立候補したら、、、 なのです。

 ただ一方で与論町議会は、ざっと調べた限りデータの残っている2008年から、ずぅ~~~~~~っと議員は男性ばかり。 たまに女性候補が立候補しても最下位に叩き落すという状況が続いており、それはそれで打破しなきゃいけない問題なのです。 その担い手が参政党でイイのか問題は有りますが・・・


※岩手県知事選&県議選を振り返る

 やはりゼロ打ちで達増候補が5選を果たしました。

 自民系の千葉候補の選挙スケジュール公開が、劣勢となる中で段々と曖昧になっているという件を先週書きましたが、最終日の土曜は、

千葉絢子氏Twitter-X より引用)

 いよいよここまで簡素化され、マイク納めの場所すら載せないまでになってしまいました。 それというのも、とにかく千葉候補の発言がSNS上で大拡散されたのが効きに効きまくったからでありまして、それを警戒する余り情報発信を閉ざすと更に叩かれるという悪循環にハマっていう様は「悲惨」そのものでありました。
 逆に野党系支持者が今回とった「発言拡散攻撃」は、有効性が高いので全国で真似すべきだと感じます。 エビデンスが文字ではなく音声のため相手は否定のしようがなく、相手陣営は「個人演説会にスパイが紛れ込んだ」とか言っていたようですが候補者の主張を聞くのに敵も味方もへったくれも無く有権者の権利なので、そこは録音(録画)を禁止しなかった陣営の責任です。 とにかくお見事でした。

 話をもう一度、千葉候補に戻しますと、今回、自身の失言、失態も有りましたが、そんな中でも得票率が4割を超えたのですから、やはり本来は勝てる選挙だったハズなのです。
 それが、二人三脚で選挙運動をしていくハズの女性参院議員がフランス出張で豪遊していたように見られ雲隠れし、情勢が不利になると党中央から全く応援が来ず(最終日に西村経産相が入ったようですが)、そしてトドメが福島第一原発からのALPS処理水とされるものの海洋放出。 ・・・ドンドンどんどん足場を崩されていって独りにされてしまう状況は、選挙を取材する私から見ると、正直、可哀想すぎました。
 こんな扱いされるのなら、もう政治から離れてもイイんじゃないでしょうか。 と、思っちゃうほどに・・・

 一方、県議選ですが、

知事選の結果は見えたとはいえ、多選を重ねる現職、そして小沢直系の現職に対する批判は一定数存在するハズで、明確な党派性を持たない有権者が “消去法” で現職に投票した場合、県議選では自身の中でバランスを取るために国政与党系や維新に入れる可能性が有ると、私は見立てています。

今週の選挙(2023 9.3投票) より」

 と先週書きましたが、結果は、

(改選前/候補者数/当選者数)
自民(13/17/15)
・立憲(9/11/9)
・共産(3/3/2)

 と、国政野党系は議席を伸ばせず、自民は任期中に(千葉候補のように)辞職等で失った議席を取り戻した。 と、殆ど改選前と変わりませんでした。
 知事選の結果を見れば立憲とかは議席を伸ばして然るべきなのですが、やはり有権者にバランス感覚が働いたものと、私は見ています。

 あと、北上選挙区で参政党県議が誕生しましたね。
 まぁコレは、本人が現職であり、無投票の公算が大きい中で直前に1人立候補して選挙戦になったので、当選はするでしょうね、と。 しかし前回より22%得票を減らしており、参政党の看板が票に結びつかなかったのは明らかで、どっかの公認がないと立候補も出来ないような人でしかないのでしょう。 そんな気にするコトも無いです。 ハイ。



以上となります。
当選された方々の御活躍をお祈り申し上げます。



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