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今週の選挙(2024 6.23投票)


 今週は首長選が4件。 うち2件は現職が病気により辞職したコトに伴い行われるものです。 状況は同じでもそれぞれの構図を見るとイロイロ複雑な状況が見えたり見えなかったり・・・

 世間は都知事選で盛り上がる中ですが、地方で何が起きていているのかも気にかけていただけると嬉しいです。 当記事がその参考になれば。




◎福島県・塙町長選挙

 3期目を目指す現職に町の総務課長だった新人が挑む一騎打ちです。

 現職は74歳の男性で、道の駅を中心とした観光事業の強化や子育て支援の充実、高齢者福祉施設の新設を掲げています。
 一方、新人は65歳の女性で、女性が活躍できる町づくりや地域の病院を中心とした医療体制の強化、町内の交通網の整備や企業誘致を訴えています。 新人が勝てば(自治体合併を経て)現在の形となった昭和30年以降で初の女性町長となります。 結果はどうなるでしょうか。


◎神奈川県・湯河原町長選挙

 5期17年町長を務めていた町長が病気で亡くなられたコトに伴う選挙で、元町議の女性と町の参事だった男性が一騎打ちで争います。

 湯河原といえば誰もが「温泉♨」とイメージできるほど有名ですが、近年旅館の廃業が増えてきた中、コロナ禍で更にダメージを受けた町の基幹産業である観光業の復活が急務。 亡くなられた前町長には申し訳ないですが現状を見る限り、それに対して的確な手を打っていたとは言えないでしょう。
 元参事の男性には自民から共産まで支援しているという組織力で当選を目指しています。 前町長の継承を掲げるのでしょうが、無条件でそれを是とするワケにはいかない状況でしょう。 また男性候補自身もニュース映像を見る限り喋りが下手クソで覇気が無くて、自分から進んで手を挙げたとは到底見えず、恐らく周りから言われて立候補せざるを得なかったのでしょう。 この人に町を任せるのには不安を感じる町民がいても不思議ではありません。
 だからといって、一方の女性候補に乗れるかというとそうとも言えず、今回町議を辞して出馬していますが、このパターンを既に過去に一度やっていて町議を任期いっぱい務め上げた経験が有りません。 更に隣の真鶴町で2021年に行われた町議選で新人候補の陣営に入った際、選挙ハガキに使うために閲覧した「選挙人名簿抄本」を公選法で「手書きで書き写す」と定められている住所をタブレットで撮影して手に入れ、画像データを別の関係者に送信したコトが「町議会の品位をおとしめ、信頼を著しく失墜させた」として辞職勧告決議が出され(本人を除く)全会一致で可決されたような人。 手書きを強いる今の制度について再考する点は有るものの、だからといってルールを破ってイイわけもなく、町議を二度に渡り任期途中で投げ出した点も合わせて「お行儀の悪さ」が目立ちます。
 なかなか選択に困る選挙かもしれません。 町民はどちらを選ぶでしょうか。


◎静岡県・下田市長選挙

 2期目を目指す現職に元副知事と元町議が挑む選挙です。

 私が常々説いている「2期目を目指す現職、盤石説」ですが、全てに当てはまるワケではなく、それから外れたものは大体異質な選挙模様が繰り広げられているものです。
 この選挙も例に漏れずで、元副知事という輝かしい経歴を持つ人が乗り込んで来ました。「国と県とのパイプ」を訴えていて、城内実氏、勝俣孝明氏(以上、自民)、渡辺周氏(立憲)の県選出国会議員や橋本聖子氏といった国会議員からの為書きが送られており、強い支援が有るコトがうかがえます。 現職が初当選した時の画像を見ると上記の地元国会議員から為書きが送られており、もしかしたら “乗り替えられた” 可能性が有ります。(※両候補に為書きを贈っている場合も有ります) 
 元町議は直前の立候補なので、実質現職と元副知事の一騎打ちと思われます。 今回の現職をどこが支援しているかが調べても見えないため曖昧な部分も有りますが、間違いなく面白い選挙だと思います。 結果が楽しみです。


◎熊本県・山都町長選挙

 名前を音読みするとアメリカ大統領と同じになるコトから「日本のジョーバイデン」だと話題になった梅田穣(うめだ ゆたか)町長が脳梗塞の治療で休養中で、町長不在が続くのは望ましくないとして辞職したコトを受けて行われる選挙で、元建設会社役員の男性と町の総務課長だった男性の二人で争われる一騎打ちです。

 2016年の熊本地震で最大震度6弱が町を襲い、住宅が(全壊から一部損壊まで)合わせて約800棟の被害が出て、昨年7月の集中豪雨で国道にかかる橋が崩落するなど自然災害に見舞われている一方で、昨年9月に町の名所「通潤橋」が国宝指定され、今年2月に九州中央自動車道のインターチェンジが開通し道の駅がインター横に移転オープンするなど、明るい話題も有る山都町。
 両候補とも「人口減少」が課題とし、元会社役員の方は「観光資源を生かし、観光人口を増やすコトで移住定住のキッカケとする」と掲げ、元総務課長は「町所有の土地を住宅地として整備や子育てへの支援で移住定住を促す」と訴えていますが、

 町では産業廃棄物最終処分場建設計画が有り、現状計画は業者が取り下げたためストップしているものの、熊本ではTSMC熊本工場が稼働し、他の工場も建設・稼働が続いおり、県内で産廃処理施設を新設するコトは必須だと言われているのでコチラの是非も争点となっていると思われます。 恐らく元総務課長が前職の後継候補でそちらが有利かと思われますが、どういう結果が出るでしょうか。


以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます



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