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今週の選挙① 那覇市長選(2022 10.23投票)

 今週は多くの選挙がある中で、やはりこの選挙の重要さは別格だと思うので、コチラを単独で紹介します。 既に皆様、情報を把握していると思いますが、「まとめサイト」みたいに捉えていただけると幸いです。


◆立候補者

(琉球新報DEGITAL より引用)

翁長 雄治 (35) 無所属 新 元県議
 
オール沖縄(共産・社民・社大・立憲・れいわ)推薦
知念 覚  (59) 無所属 新 元副市長
 
自民・公明推薦


◆候補(予定)者座談会


◆第一声


◆構図・情勢

 県政与党のオール沖縄が推し、翁長雄志前知事の次男である翁長雄治(おなが たけはる)候補と、県政野党の自公が推し、9月まで那覇市副市長を務めていた知念覚(ちねん さとる)候補の一騎打ちとなりました。

 2期8年那覇市長を務めた城間幹子氏が引退を表明。 知事選ではオール沖縄側として玉城デニー知事を支援した城間市長が、後継候補については「オール沖縄側の候補を支援する」と明言しなかったため、城間市長がどちら側を支援するのかが注目されました。

 このままどちらも支持しないのでは? という見方が出ていた告示直前、城間市長が動き、

 市長と副市長の関係で共に働いてきた知念候補を応援すると表明しました。

 その他、知念候補には、

 参政党が独自候補の擁立を断念し支援を表明。 更に、

 取材のため現地入りしている畠山理仁氏によると、下地幹郎氏も知念候補を応援しているようです。


◆金城ガンヂ的、見立て

 9月の沖縄県知事選における那覇市の得票数は、オール沖縄側の玉城デニー氏が72,688票に対し自公側の佐喜真淳氏が47,925票と圧倒的な差がついているので、それだけを見れば翁長候補優位となるハズですが、上記のような情勢に加え、

 那覇市長選の前哨戦とみられていた、南隣の豊見城市長選でオール沖縄側の現職が自公側の元市議に敗れるという結果に。 現職が2期目を目指すという絶対優位な構図であるにもかかわらず落としてしまったコトは、那覇市長選にも大きな影響を及ぼすと思われ、知事選の際に得票差として出たアドバンテージは、ほぼ無くなったと見て良いでしょう。

 ちなみに、7月の参院選沖縄県選挙区における那覇市の得票数で参政党候補は5,217票を獲得。 更に、9月の沖縄県知事選における那覇市の得票数で下地幹郎氏は15,775票を獲得しています。 知事選の下地氏はオール沖縄側の支持層からも若干の票を得ているのでこの数字をそのままあてはめるコトは出来ませんが、参政党と下地氏の支持で、合わせて5千~2万票が知念候補に流れる可能性が有ります。(下地氏は現在、交差点で演説する活動をしているのみのため、市民に「知念候補支持だ」と、どの程度伝わっているかは、不明)

 それならば翁長候補が絶対不利かというと必ずしもそうではありません。 ポイントとなるのは、投票率です。

前回(2018年)の選挙結果
[当]城間 幹子 (67) 無所属 現 79,677票
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[落]翁長 政俊 (69)  無所属 新 42,446票

投票率:46.19%(前回比マイナス19.06ポイント)

 前回は現職の城間市長が2期目を目指す選挙で大勢が見えていたため投票率がポイント近く下がりました。 逆に言えば、翁長前市長の後継を決める新人同士の争いとなった前々回(2014年)の選挙は投票率が65.25%まで伸びていたワケで、県知事選における那覇市の投票率、53.29%を上回り60%台まで伸びれば、翁長候補が優位になると考えられます。

 普天間基地問題は那覇市とは関係が無いという見方も出来ますが、オスプレイは那覇市上空も飛行するので無関係ではないという見方もあり、PFAS(有機フッ素化合物)が普天間基地周辺から相次いで検出されている問題も那覇市は無関係なようにみえますが、那覇市の水道水として一部供給されている北谷浄水場のある北谷町からもPFASは検出されていて、

 県中部のダムに加えて河川水、地下水を水源としている北谷浄水場の水を利用している那覇市民は、決して無関係ではありません。

 そしてここからはデータの無い、私個人の見立てですが、沖縄県民の投票行動には、党派性にこだわらず投票先を “散らす” コトで自らの立ち位置を確保しようという、沖縄の歴史的背景に基づく “バランス感覚” が有ります。 知事選でオール沖縄側が圧勝したのに豊見城市長選で敗れたのは、その証左と言えるかもしれません。
 ならば、今回、那覇市長選に対する「バランサー」の役割を果たすのは・・・

 同日に行われる那覇市議補選になるかもしれません。 コチラは定数1に対しオール沖縄側が1名、自公側が1名、“自称・真ん中” な人が1名、独立系候補が1名の4名出ています。 那覇市長選では那覇市議補選の、情勢が有利な方の、逆側にあたる候補に一票を投じる方がどの程度いるかもポイントとなってくるのではないかと見ています。

 あと、個人的には、このタイミングで「翁長雄治」という、オール沖縄側にとって “切り札” といっていいカードを切ってきた戦略は、如何なものかと思っていますが、全ては那覇市民の一票にかかっています。 どうか考え抜いた末に悔いのない一票を投じていただきたいと、願っています。




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