見出し画像

選挙結果振り返り(2024 7.7投票)


 都知事選が終わり、立憲ピンチという結果が出て、都議補選が終わり、自民ピンチという結果が出たワケですが、それ以外も選挙は行われておりまして。
 それらを見ると「維新ピンチ」という結果が出ているコトに気づいていただくために、選挙結果を振り返っていきましょう。 まずは取材に行った選挙から。




【取材予定】長野県・千曲市議会議員選挙(定数20/23人)

 現職15人、元職1人、新人7人が立候補し、党派別では公明と共産が2人ずつ立てている、女性候補4人の選挙は新人3人が落選。 政党候補と女性候補は全員当選しました。

 あまり知られていませんが、取材先でポスター紹介の動画を撮り「選挙系フリーライター 金城ガンヂ」のチャンネルに載せたりしています。 その中で「ポスターを見て、現職が強そうだな」と言っているのですが、やはり私が落選予想していた3人中2人は落選しました。 ポスターの印象って大事ですよね。
 23人中取材したのは2人だけでしたが、結果を見てもピンポイントで取材すべき候補に取材出来たなと思っています。 後日レポートを出しますので暫しお待ちください。 

 では、残りの選挙を見ていきましょう。


◎埼玉県・鳩山町長選挙

 5期目を目指す現職に会社役員の40代女性、小森卓郎衆院議員(自民 石川1区)の秘書だった20代男性、町議を辞して挑む50代男性の3人が挑む選挙は、20代男性の新人が初当選を果たしました。

 鳩山町には分譲から半世紀近く経つ「鳩山ニュータウン」が有ったり、県内で最も高齢化率が高い自治体だったりする中で現職が多選と来れば停滞感は明らかで、そうなれば有権者が「刺激」や「変革」を求めるのは当然の流れでしょう。 その結果として28歳の候補に票が集まるのは然るべきといえばそうなのでしょう。 同日に行われた都知事選で “サイコパス” 石丸伸二が話題にもなったし。
 だからといってこの28歳男性は大丈夫かなぁ? というのが私の感想。 大卒後オリエンタルランドに就職し4年間働き、石川1区の自民衆院議員の秘書になり、9か月で町長選に出て、町長ですよ。 この程度の政治経験、社会経験の人に町を任せてイイのかと思うのはアラフィフになった私が老害なせいでしょうか。

 まぁ私がどうであれ、この人の立ち振る舞いは注視したいですね。 もし “ジェネリック石丸伸二” みたいなキャラになって、更にそーいうのが全国で増殖していったら未来はディストピア確定なので。


◎神奈川県・綾瀬市長選挙

 2期務めた現職が退任を表明し、次の座を狙い元市議の3人とコンサルティング会社社長の4人の新人が争う選挙は、自民推薦の新人が初当選を果たしました。

 元市議3人の内訳は任期途中で市議を辞して挑むのが2人(4期の橘川候補と6期の佐竹候補)、昨年の市議選には出馬しなかった人(3期の笠間候補)が1人です。 この3人が揃って出馬した2019年の市議選では、笠間候補が1位、橘高候補が4位、佐竹候補が14位でした。 この例と「自民推薦」の看板がマイナスに働くかと思っていたのですが、ココでは自民が勝ちました。
 前述の市議選では橘高候補が無所属で笠間候補に自民公認が出ていたので “保守分裂” 選挙となっている可能性が考えられましたが、笠間候補は「組織に頼らず独自の戦いをした」ようなので保守分裂とはなっていなかったようですね。 佐竹候補は2019年市議選で国民民主公認で当選しており、今回も立憲共産の支援を受ける非自民候補でしたが、届きませんでした。

 しかし、当選した自民候補、

 報道陣に初当選の心境を聞かれ「言葉になんねー」と叫んだようで、いやはやなんとも、キモチ悪い・・・


◎奈良県・三宅町長選挙

 3期目を目指す現職に学習塾経営の新人が挑む一騎打ちは現職が圧勝。 3選を果たしました。

 相手は市議選に落選した人だったので結果は分かりきっていました。 現職は柔軟な思考で実績も数多くある良い首長なのですが、不安なのはこの任期終わりから。
 3期目を務め上げても44歳ですから4期目も狙ってくるでしょう。 そうなると「多選」のフェーズに入ってきます。 柔軟な思考の持ち主であるならば多選が独裁に結びつくコトは分かっているハズですが、独裁化を避けるために次は出馬しないとしても如何せん三宅町は「日本で二番目に小さな町」の首長なので県議だったり衆院議員だったりといった「次」のステップに進もうにも基礎票が少なすぎるため出馬しても当選の可能性が低い。 ならばと町長職に留まり続けると多選となり(どんなに良い施策をしようが)独裁化は町の停滞を招いてしまいます。
 若い首長を生み出した際の注意すべき点はそこで、もし10期なんて務めてもまだ72歳。 充分可能なのです。 町長にはこの4年間でどうにか後継を育て上げ道を譲っていただきたい。 この言葉の意味、分かっていただけると思いますが・・・


◎京都府・京都市議会議員補欠選挙 中央区選挙区(定数1/4人)

 維新所属の現職が「健康上の理由」で辞職したコトに伴い行われる選挙で、維新、自民、立憲、共産が1候補ずつ立てたガチガチの選挙は、自民候補が当選し維新の議席を奪いました。

 辞職した維新市議は昨年の本選で2位と強く、その結果だけ見れば維新候補が勝つのでしょうが、昨今のズンドコを見る限り、その時の票をそのまま引き継げるかどうか疑問でしたが、やはりヤられてしまいました。 コレが今週のメインである「維新がピンチ」の「一発目」です。

 その代わりに勝ったのが自民というのも何だかなぁという気もしますが、立憲と共産が一本化できない中ではそれも仕方ないかと。 ただ京都は元々共産が強く立憲も泉健太や福山哲郎の地元なので一本化は無理ゲーだし、そもそも「一本化」を前提として話をするのも本来は変な話ですからね。

 

◎大阪府・門真市長選挙

 3期目を目指す大阪維新の現職に共産公認の挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 この構図は前回に続いて二度目ですが、前回は現職2万5千票で共産4千6百票なので、共産が票を増やし、維新が票を減らし、勝ったとはいえ維新にとっては全然喜べない結果なのでした。
 それにしても、負けは負けですが共産が候補を立ててくれたおかげで維新の凋落を数値化できました。 有難い。


◎大阪府・羽曳野市長選挙

 2期目を目指す大阪維新の現職に、市長公室部長だった新人が挑む一騎打ちは現職が2選を果たしました。

 前回は現職と3人の新人による選挙を維新公認のチカラで当選した現職。 今回は役所の職員だった人というコトで、市政奪還の刺客を送られたものと思われます。
 「市長は政党ではなく市民の代表」と訴える新人と「大阪維新公認」を高々と掲げる現職。 維新のズンドコが止まらない中、有権者はどちらを選択するか・・・ と「今週の選挙」で書きましたが、結果は現職がダブルスコア近い差をつけて圧勝。 「2期目を目指す現職」という優位性を活かせた形です。 コレは維新にとって良い結果でしょう。


◎大阪府・羽曳野市議会議員補欠選挙(定数2/4人)

 体調不良により辞職した大阪維新の議員(その後、ダイニングカフェを開業)と亡くなられた無所属議員の2議席を埋める選挙で、大阪維新から2人、自民と共産から1人、無所属で1人の計5人で2議席を争う選挙は、自民と維新の候補が当選しました。

 大阪維新が2候補(2人とも女性)を出して、順調に行けば2議席独占となるのでしょう(自民の現状が酷すぎるので)が、もしココで2議席獲れないようなら・・ と思っていたら1議席自民に獲られました。
 亡くなられた無所属議員の属性が良く分からないので、もし自民寄りの人だったらこの結果は順当なのかもしれませんが、昨年の統一地方選後のイケイケな維新だったら確実に2議席獲っていたハズで、ココで議席を独占出来ないトコロにも維新の支持が堕ちている様が見て取れます。


◎大阪府・河内長野市議会議員補欠選挙(定数1/2人)

 府議選に出馬するために辞職(⇒落選)した大阪維新の議席を埋める選挙で、大阪維新と無所属の、いずれも選挙初挑戦となる新人の一騎打ちは維新候補が初当選を果たしました。

 この結果自体は順当なモノで維新も当然のコトと捉えているでしょう。 問題は先週も書きましたが、

 同日に告示された市長選では前大阪府議(自民)が無投票当選。 維新は候補者を擁立できなかったというコトです。
 無投票当選した元府議が昨年出馬した県議選、維新は前述の市議選にトップ当選した女性市議を辞職させて挑みましたが、完敗。 女性市議でも勝てなければ誰も勝てそうにないというコトで維新は “不戦敗” を選びました。大阪維新の市議がまだ3人いますが、そこから出せないトコロに維新の厳しさが垣間見えますね。

 以上、「維新ピンチ」についての御紹介でした。 これらの結果と、

 東京都議補選の北区選挙区。 そう、音喜多政調会長のお膝元である北区で擁立した候補が、都ファ(当選)の候補にも、自民の候補にも、共産の候補にも及ばず最下位に沈んだコトは、維新にとって結構なダメージになっているのではないかと推察します。


◎沖縄県・粟国村長選挙

 現職が「1期に限定することで村全体の公平性を保つ」として出馬せず、元粟国小中学校校長と元副村長と元教育長の三人が次の村長を目指して争う選挙は、元教育長が抜け出し初当選を果たしました。 注目の投票率は89.29%で9割を切ってしまいましたが、それでも驚きの高さです。

 ところで、この選挙を取り上げた最大の理由である、

選挙ドットコムで元校長の「浜川栄優」候補の名前が「浜川シゲマサ 浜川マーボーマーボー」となっています。コレは一体何なのか、本当にそう書かれているのか調べたトコロ、ポスター画像を見つけました。 どうやら正解は「浜川マーボー」のようです。

 先週は重い選挙が多すぎて腹ももたれ気味なので、「オチ」としては丁度イイでしょ?


以上です
候補者の皆様の御健闘をお祈り申し上げます



※ 東京都知事選の感想を書いた記事はコチラ。 無料なので是非読んでいただきたく・・・





もし宜しければサポートをいただけると大変嬉しいです! いただいたサポートは今後の取材費として使わせていただきます。