妄想彼女:「リカ」という本当は付き合いたかった人
【はじめに】
リカ(仮名)は実在した付き合いたかった人だ。
たった一言。「付き合おう」が言えなかったたことに後悔している。
その後悔のお陰で?俺の中である教訓ができた。
好きな子には「言わないと後悔するぞ」
これが今の俺の心情である。
初デートの妄想を付け加え、ここ記します。
【その名は「リカ」】
俺は女子が苦手だ。
小学校のころから、まともに話ができない。
ちょっと気の合う子はいたが、逃してしまった。
あー。後悔。初恋でも言えず。なんでだろう。
気付いたら中学3年生だ。男子は卒業前に彼女を作るためアピールで必死だ。
俺もなぜか、仲のよい男女のグループで一緒に遊んでいた。
特別に好きな人もいないので、個人アタックはできず。
というか、怖くて好きになれないのが本音だ。
そんな時に仲良しグループの女子から手紙をもらった。
相手は知らない子だ。なんせ俺の学校は1学年10クラスもある。
同じクラスの人でさせ、覚えきれない。
「その子は「リカちゃん」知ってる?かわいい子だよ!。」
ニヤニヤされながら言われると恥ずかしくてしかたがない。
「知らないよー。何組の人?」
「3Cの子だよ。連れて行こうか~?」
「いや~。いきなり会えないよー。」
とりあえず場をしのいで、家に帰って手紙を読む。
ヤバいな。家族にもばれないようにしないと。。。
【告白された】
何を期待してるのか、ドキドキしている。
エッチなことは本で読んでいるが、そんなことになったらどうしよう?
今思うと考えすぎであるが、それくらいにパニックになっていた。
手紙読む。「付き合ってください。」この文字しか見えなかった。
「付き合う」ってどうゆうことだ?
やっぱりエッチなことまですることか?
妄想を膨らまして、さらにパニックになる。
待てよ。。。リカって誰だ?
【外野に振り回される】
「リカに告白されたでしょー。付き合っちゃいなさいよー。」
「リカかわいいし、頭もいいよー。 運動もできてレギュラーですごいよ。」
あれ以来、色々な人が来てリカと付き合えと言われる。
本人に会う前に情報がどんどん入ってくる。
・・・
結構、周りでは大騒ぎだ。リカはモテる子だ。
リカも待てずに、間接的に催促しているようだ。
男友達からは「リカだよ。もったいないよ。早く付き合っちゃえー。」
「えー。リカは俺と付き合って幻滅するよ。なんかプレッシャー感じるよ。」
「そんなの付き合ってみないとわからないよー。気が変わっちゃうぞー。」
「あー。会ってみるよー。」
そんないい子がなんで俺なんだ?
誤解してないか?
【自己採点中】
エッチな妄想から自己採点に頭が切り替わってしまった。
「絶対に俺を誤解してる。。。そんな・・・つり合う自信ないよ。。。」
女子からは「まあ、会ってみなよ!。」
「なんで俺のことを知っているいるんだ?」
「バトミントン部で活躍しているから、目立ってるのよ~。○○!。」
「そうそう、○○は最近人気があるのよ~。アンケート結果知らないの~?。」
「は~?。何のアンケート?。」
「人気投票に決まってるじゃない!。○○は4位なのよ~。」
・・・
「え~?。俺が4位?。俺、暗いしな。知ってるでしょ?。昔から。」
「知ってるけどね~。○○は小学校の時も裏でモテてたの知らないでしょ~?。」
「そんな気はしないなー。△△とか◇◇とか人気だったでしょー。」
「だからー。その裏で人気があったのよー。おとなしい子に人気があったのよー。○○は!。」
「へー。損した気分だなー。△△とか◇◇みたいに、ちやほやされたことないな。」
「当たり前でしょ。おとなしい子に人気があったんだから~。」
「とは言え、リカはいい子過ぎるんじゃないか?。自身がないよー。知らないし。」
「だから~。会ってみなよー。ち・な・み・に。。。私も○○に投票したんだぞっ!。」
「えっ!。あ、ありがとう。。。」
「だから~。自信持ちなさいよー。」
【面談】
これじゃ面談だ。いつもの教室なのに緊張する。口が開かない。
みんなが廊下から見てるじゃないか。ちょっと勘弁してよ~。
リカはやさしくエスコートしてくれる。
俺にどんな話が合うか、言葉を選んでいるのよくがわかる。
俺にはそんな余裕がない。「あー。」と「うん。」の繰り返し。。。
俺からリカに何を質問したか。。。不明である。
・・・
何を話したかわからない。ダメそうだな。
相手が楽しそうかなんて覚えていない。
これでいいのだ。きっと。
リカは分かったよね。俺のこと。
【追試】
リカから電話がきた。母からは「知らない友達から電話よー。」って。
バレバレだよ。恥ずかし。
「どうしたの?」
「学校だと話しづらいでしょ?」
「ああ。みんなに見られてたから。。。恥ずかしかったよ。」
「今度会おうよ。いいよね?。」
「ああ。いいよ。」
「また、電話するね。じゃあね。」
会うって言っちゃったな。本当は会いたいけど。。。
恥ずかしいな。自分を見せるのって大変だな。
ちょっとでも良く見せたいな。
俺、ダサいしなー。デート服なんてないよー。どうしよー。
【初デート】
人生で初デートだ。
やっぱり、リカの友達が遠くから見てるよ~。まいったな~。
「今日は買い物に行って、公園にも行きたいな!」
「わかったよ。そうしよう。」
なんかドキドキするな。
リカってハキハキしたいい子だな。人気の理由がわかる。
意外と喋れたかな?
でも結局、聞けなかった。なんで俺なんだろう。
【やっぱりつり合わない】
少し会うだけのお友達モードもそろそろ終わりだ。
お互い受験が終わるまで会うのを自粛していた。
俺は迷っていた。第一志望を受験するか。安全を見て第二志望を受験するか。
結局、いやな目に遭いたくないので、第二志望を受験することにした。
合格発表の日にリカから電話会った。
「受験終わったね。○○は学校どこへ行くの?」
ちょっと言いにくい。「##高校だよ。」
「##高校なの。一緒に電車で通いたかったなー。」
「リカはどこの学校なの?」
「%%高校だよ。」
%%高校って県内でもトップ高じゃないか。やっぱりすごいなリカは。。。
この時、なんとなく不釣り合いな自分を感じてしまった。
なんで俺は第一志望にチャレンジしなかったのだろう。
そこなら、一緒に電車で通えて付き合う条件がそろったのに。。。
##高の彼氏なんてリカには合わないよな。。。
リカの声で我に返った。
【自分の本当の気持ちは?】
「どうしたの?。また会おうよ。」
「それだけど、もう。。。リカには会えないよ。。。」
「なんで!?。付き合おうよ。」
「なんか##高の俺じゃ。リカがかわいそうで。きっといやになっちゃうよ。。。」
「え?。よくわからないよー。どういうこと?」
これは俺のプライドだろうか。自分がみじめに感じてしまった。
「とにかく、ダメだ。俺じゃ・・・。」
「・・・。ダメなの。私じゃ・・・。」
無言のうちに電話を切る。
「付き合おう。」この一言が言えないために。。。
本当は付き合いたかった。素直に会ってみたかった。
でも、周りを気にし過ぎて我を忘れてしまった。
今思えば、周りなんて関係ないのにね。
自分に刻まれた、ダメな俺の思い出。
こんな思いは二度としないよう、自分に誓った。
次こそは、ちゃんと言うぞ。「付き合おう。」と。
おわり