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なんで私だけ。やりたいことができないのは誰のせいなの?の質問に回答します。

昨夜、同い年の友人と食事にいきました。彼女は大手ネット広告代理店に新卒入社し、その後、起業。今、巷で旋風を巻き起こしている美容アプリの創業者です。彼女の話を聞いていると、無意識有能へのプロセスを楽しみまくっていて、脱帽でしかなかったで、無意識有能について今日は書こうと思います。

分析心理学を創始したカール・ユングに学ぶ。無意識的有能へのプロセスを楽しめる彼女が無敵な理由。

皆さんは人間はスキルアップする際に必ず4つの段階(Four stages of competence)を踏むのをご存知でしょうか。

この4つのステージについて、簡単に説明します。

ステージ1. 無意識的無能(Unconscious incompetence):「そもそも対象のことを知らないし、もちろんその能力もない」という状態。対象のスキル・課題などについて知りもしないので、自分ができないということも自覚もできていないということになります。そのため、その対象に対して、能力をつけようとか、解決しようなどの考えすら思い浮かばないでしょう。

次のステージに進むためには、まずは対象のことを知る必要あります。人から聞くこともあるかもしれませんし、自分が情報収集している過程で目にとまることもあるかもしれません。何れにしても、アンテナを高くし、興味と意識を向けるところから始める必要がある状態。

ステージ2. 意識的無能(Conscious incompetence):「対象のことを認知しているが、やろうとしてもできない」という状態。少なくとも対象のスキル・課題については、知っているので、その対象に対して挑戦したり、どうにか解決しようと試みることはできるはずです。しかし、その能力がまだ身についていないため、うまくいかずに一番苦しい状態でもあります。

次のステージに進むためには、成長段階には必ず「この(やろうとしてもうまくいかない)段階・期間」があるということを認識し、辛抱強く続けることです。

ステージ3. 意識的有能(Conscious competence):「意識的にやれば、なんとかできる」という状態。意識的にやろうと決めて、意識を向けることでできる状態なので、スキルなどを身につけていると言えない。しかし、意識的にやらなければできないため、何かぎこちなかったり、十分なパフォーマンスが発揮できない時も多々ある状態ではあります。

次のステージに進むには、繰り返し実践することが必要になります。自分なりに繰り返しできるような仕組みを作る必要があります。また、強いインパクトも効果があるので少し今の自分よりもレベルが高いものであっても挑戦してみるなども効果的。

ステージ4. 無意識的有能(Unconscious competence):「意識していなくても、自然とできる」という状態。特にやろうと意識などしなくても、また別の何かを考えていたとしても、自然とできるため、常時能力を活用できていると言えると思います。自然とやっていることなので、失敗も少なく、また意識は別のことに向かせながらも能力が発揮できているので、意識的な行為と無意識でできている能力とで非常に高いパフォーマンスが出せる状況。

ここまできて、ステージ3と4は共に「有能」なのでどちらでもできることに変わりはないのではと思う方もいますが、このステージ3と4には大きな差があります。

例えば、皆さんは日本語で何か大切なことを相手に伝えようとした時、日本語の文法や丁寧な表現を意識して話さないと思います。それよりも本質的な相手に伝えたいことやどう話せば伝わるかを意識して話すと思います。一方、仮に皆さんが一般的な日本人の英語力(日本の学校授業で学んだレベル)で英語で相手に伝えようとした時、英単語のことや英語の文法(特に時制)、アクセントなどを考えながら、加えて相手に伝えたいことにも意識を向けて話すことになると思います。どちらの方が相手に伝えやすいかは明白です。意識的有能(英語は学んだことはあるが、片言で話すのがやっと)よりも無意識的有能(日本語は母国語)の方がパフォーマンスが高いのです。

人は必ずこの4つのステージを経由してスキルアップしていきます。お子さんがいる方はわかりやすいですが、子供がハイハイができるようになる。歩くことができるようになる。靴を履けるようになる。歯磨きを自分で毎日できるようになる。ネクタイを結べるようになる。大小関係なく、全てこのプロセスを踏むのが人間です。

一般的には、ステージ3からステージ4に上がるのが難しいと言われていますが、皆さんが苦痛と感じるのはステージ2から3をいかに乗り越えるかです。私もよくステージ2から3の段階でくじけそうになります。やりたいことができない人の共通点はただ1つはこの段階で諦めるからです。

脳科学でみると人類はみんな何かしらの「依存症」です。セックス、ギャンブル、アルコール、ソーシャル、恋愛、仕事、ドラック、オンラインゲーム…。人間はなぜ、辞めたくてもこれらをやめることができないのか。それは脳内物質「ドーパミン」別名脳内麻薬によるものです。人間を支配する快楽物質ドーパミンは、人間を快楽に引っ張る力をもっている脳のしくみです。ステージ2から3の段階に登ろうとする時にドーパミンが分泌され「やれない理由」という言い訳を持ち出して行動を拒否しようとする構造が脳にはあるのです。なので、やりたいことができないのは誰のせい?の回答は、脳のドーパミンのせいです。これは人間であれば必ず働く脳の構造だからです。 

では、「なぜ、あの人はすぐに出来るのか?」「なぜ、あの人は失敗をしないのか?」「なぜ、あの人はやりたいことを実現しているのか?」――。このような人も、出来ない人同様に脳のドーパミンが分泌されます。とびぬけてなんでもこなしていく人は、この過程であることを理解していて、それを楽しめる思考力を持っている人です。

なので、彼女は良くわかっていました。今が辛くて当たり前だと。もはやこの辛さ自体が楽しいとまで話してくれました。

ちなみに、実は、無意識的有能 第5段階も存在します。「無意識的有能に意識的有能」これは無意識的に行っていることを、意識して人に教えることができる状態。既に無意識的に行う事が可能となっている段階で。このレベルになると、それを人に教える事ができるレベルになります。学習の5段階レベルは、レベルが上がるほど学習レベルがあがっていきます。第5段階のレベルの人が一番、理解していて学習効率も高いという事になります。

各段階をよく考えると分かるのですが、第3段階以降は基本的にアウトプットが必要になってきます。学んだことを実践したり、人に教える事が出来る状態。しかし、ほとんどの人は第2段階のインプットした段階で学習を終えてしまうのです。読書がいい例ですよね。インプットしたままにしているので、結局何も身についていない場合が多い。これを避けるためには、学んだ事をすぐに実践して早く第3段階のレベルまで学習レベルを上げていくこと。

そして、一番効果的な学習をしたい場合は、自分が学んだ事を他の人に教える事が出来る環境を作ること。このサイクルを繰り返す事で、今までとは物事の知識の吸収速度が全く変わってきます。

読んでくれてありがとうございます! 頑張っているチームのみんなに夜食をご馳走しようと思います。