黒井基晴 "いけてればいいんじゃない?"

ニューロマジック代表。ウェブ制作、サービスデザインなどを通して、経験とソリューションの…

黒井基晴 "いけてればいいんじゃない?"

ニューロマジック代表。ウェブ制作、サービスデザインなどを通して、経験とソリューションの課題解決を行っています。自由でフラットな雰囲気が好きです。テーマは破壊的イノベーションとコラボレーション。https://www.neuromagic.com/

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ニューロマジックのビジョン

引き続き、社内向けのメッセージから、ニューロマジックのビジョンの話を書きたいと思います。ニューロマジックのビジョンは、非常にわかりにくいと言われることが多いんです。以下がそのビジョンです。 Vision 価値観を共有する多様な人がパートナーシップを組み、会社・個人の垣根を越えて共存共栄する「都市」を目指す。 それぞれの強みを生かしながら、変化し続ける社会に持続的に働きかける。 一般的にビジョンって、どんなサービスにしていくのか? そしてそれを提供した顧客、市場、社会がど

    • ニューロマジックのバリュー

      引き続き、社内で共有している話を書きたいと思います。今回は、ニューロマジックが掲げるバリューに関してです。 Values Be Disruptive 常識を壊すことを恐れない。私たちが、次のベストを創っていく。 Be Smart 最短距離で最善のゴールへ。いつでも、よりよいルートを考える。 To Be Happy サービスの届け先であるユーザーやクライアントはもちろん、仲間も、家族も、そして私たちも。すべての仕事は、関わるすべての人の幸せのために。 これが僕らのバリュー

      • ニューロマジックのミッション

        ここのところ、ずっと社内向けに書き物をしていました。そもそも一般的な企業より、かなり開かれた組織を目指しているわけなので、社内向けのことも興味がある方には読んでいただきたいと思い、書いたことをこちらにも少しずつ書いていきたいと思います。一般教養のための記事ではないので、言葉の定義等、アライメントが固有のものも含まれますがご容赦ください。 よく言われることですが、企業のなんらかの指標、例えばミッション、ビジョン、バリューは重要ですよね。僕らニューロマジックの場合もそれは大変重

        • 個人の成長スピードこそ、最も重要な組織の価値のひとつ

          組織の価値をどう捉えるのか。 我々のような仕事の場合、一つには、個別のパフォーマンスの合計と、組織のパフォーマンスの差が組織の価値である。例えば、単純に パフォーマンス = 資源(ケイパビリティ x キャパシティ) x プロセス という枠で見ると、プロセスの違いが影響することになる。以前、リーズ ユナイテッドの話を書いたが、仮に個人の力が選手の報酬に反映されているとすれば、リーズはこの差が相対的に大きなプラスということだ。 また、時間軸での変化も考慮しないといけない。変

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        • サッカー
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        記事

          中小企業のブランディングは、精度よりスピード、イテレーション重視で

          いまだにブランドとは巨大企業のものだと思っている人がいるが、例えば、近所のクリーニング屋さんにもブランドエクイティは存在し、狭い商圏ならではの影響も無視できない。と言っても、普通の中小企業には専門部署もないし、わかるスタッフもいない。では、どうすればいいのか。そのあたりのヒントを提示したい。 ブランドの話で、学者として有名なのはアーカーとケラー(だと勝手に思っている)だが、具体的なアクションにつなぎやすい一つの型はケラーの有名な 顧客ベースのブランド・エクイティ・ピラミッド

          中小企業のブランディングは、精度よりスピード、イテレーション重視で

          「そこはなんでもいんじゃない?」という同調圧力のすすめ

          うちの管理職は女性が多いんです。もちろん欧米の大企業で言われるような「女性枠」を設けているわけではないし、意識せずに会社を運営してたらこうなっていたのですが、日本ではまだ珍しいそうです。そもそも男性や女性という括り自体が古い時代なのに。 一方、日本の生産性が低いという話をよく聞きます。日本の時間当たり労働生産性は47.9ドルでOECD加盟37カ国中21位。日本の一人当たり労働生産性は81,183ドルでOECD加盟37カ国中26位。(労働生産性の国際比較2020(公益財団法人

          「そこはなんでもいんじゃない?」という同調圧力のすすめ

          ユーザが読みたい度(WTR)と企業が見せたい度(WTS)を両立させる「相互コンテンツバリューの最大化」こそが最強

          最近、気に入っているFacebookページがある。 ヤマハコミュニケーションプラザ。 存在は知らなかったが、サイトによれば、「過去・現在・未来」と「コミュニケーション」をキーワードにヤマハ発動機とその製品を紹介する企業ミュージアム。きっと訪れれば心動かされる(本音です)展示がたくさんありそうである。 そして、知ることになったきっかけがその Facebook ページである。Facebookページの投稿には、明確なターゲットが設定されていると思う。その一つは、長年のバイクファ

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          ビエルサこそが最高の経営者である。

          組織は価値を生んでいる。広い枠で、長い時間軸で、そして細かく見たら、どんな価値が列挙されるのか想像もできないが、人間社会と同次元の多種多様な価値を生んでいるだろう。 一方(連休中だし)超単純かつ刹那的にに見るのも楽しい。ざっくりRO##の類いと同様の発想で、例えばパフォーマンスとリソースの比率こそがその組織の価値と見られなくもない。 サッカーのイングリッシュ プレミアリーグで見てみよう。ビジネスである以上本来であれば収支で見るべきではあるし、ブランド価値とその増減や、そも

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          CEOにとって最も重要な仕事(かもしれない)

          いろいろな考えは根っこに近い方がわかりやすい。ウイルスじゃないけれど、どんどん人に伝わって変異し続ける。そうすると元々のエッセンスがわかりにくくなる。 例えば音楽もそうだ。影響を受けたのがフレディー キングと知って聴いてみると「なるほど〜」となる。考えで言うと、破壊的イノベーションやデザイン思考も、クリステンセンやIDEOといった根っこに近いところはわかりやすい。 企業はというと、根っこというのははっきりしない。個人事務所や数人段階のスタートアップだと社長だ、取締役の○○

          CEOにとって最も重要な仕事(かもしれない)

          レバレッジを効かした小さな組織で「仮想大企業」に

          「大きいことはいいことだ。」 大昔、そういうコピーのCMがあった。たしか、おおらかで包容力があるイメージと共に一般に受け入れられていたクラシックの指揮者の方が出ていて、高度成長期を象徴するような価値感が現れていた。学校では規模の経済ということを習った。大きくなれば効率性が上がるというもので、製造業をイメージしながらその話を聞いた。「寄らば大樹の陰」という言葉があったが、大樹=役所か大企業に就職←難関大学←いい成績←勉強する、という流れで、子どもの頃聞いたことがある人もいるだ

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          限られた条件でより効果を上げるための「はじめの一歩」

          土台がないところに上物は建たない。 何かの課題を解決するためのソリューションを導き出す場合、土台となる戦略がふわっとしていると上物の軸が決まらない。「どうも上物がぱっとしない」というケースでは、土台を疑うといいかもしれない。 戦略をつくる上では、当然様々なインプットが必要で、それらが目の前にあることは稀だ。たまたまあった漠とした括りの数字や、プランナーの思い込みで戦略立案を進めるわけにはいかないが、新規のリサーチに時間やコストを潤沢にかけられるケースばかりではないし、かけ

          限られた条件でより効果を上げるための「はじめの一歩」

          ジョブを中心に事業を構築し、ノーコード、ローコード有りきの新市場型破壊とローエンド型破壊のすすめ

          少し前までは、いざサービスを開発するとなるとそれなりにコストも時間もかかっていた。一時期バズったリーンスタートアップはその対応策という側面もあったはずだ。しかしご承知の通り今は全然違う。ノーコード、ローコードの普及である。90年代半ばからこの手の仕事をしている自分にとっては、NoCode CampのオンラインサロンのSlackを見ているだけで、馬車とUBERくらいの差を感じる。コミュニティのみなさんが「練習」でやっているものは、少し前なら商売になるレベル。技術的素養のない僕が

          ジョブを中心に事業を構築し、ノーコード、ローコード有りきの新市場型破壊とローエンド型破壊のすすめ

          最重要価値を決めるコンポーネント以外は競争力のある外部資源と組み合わせる

          TechCrunch によると、PilotというB2Bの企業が、評価額を12億ドル(約1315億円)とする1億ドル(約109億円)の資金調達を行ったとのこと。中小企業の事務管理のすべてをサポートするPilotがベゾス氏の投資ファンドから資金を獲得 | TechCrunch Japan あらためてポーターのバリューチェーンの絵を思い浮かべると、多くの企業は顧客が求める製品・サービスの最重要価値を決めるコンポーネント(クリステンセンの言うthe performance-def

          最重要価値を決めるコンポーネント以外は競争力のある外部資源と組み合わせる

          競争優位性をつないでいくための羅針盤

          論理のピラミッド構造をつくる際、普通上下をSo what?←→Why so?の関係にする。上は抽象化したこと、下は具体的なことという関係である。左右はおなじみのMECEとなるわけだが、その上下左右が納得できるものであれば非常にわかりやすいし、便利である。 しかし、上をつくる=抽象化する際に捨ててしまう細部を、長い時間軸や広い領域で俯瞰すると全く別のストーリーや論理が存在することがある。理屈上は「じゃ、そこを考えて抽象化しろ」とか「そこを拾える論理構造に組み替えてみろ」という

          競争優位性をつないでいくための羅針盤

          小さな投資で早く(速く)ジャンプするデジタル トランスフォーメーションの道筋

          ある国が、先進国が辿った道筋を大きくショートカットして、一気に現代のレベルに跳べることがある。例えば、わかりやすいのは電話だ。固定電話のインフラが全くなかった国で、携帯電話が登場し一気に現代レベルに到達する。古くは故CK プラハラドが書いたネクスト マーケットを読んでその非連続なジャンプの片鱗を感じ、わくわく或いはぞっとした方々も多かっただろう。 企業活動においても同じことが起こる。歴史上経験してきたことはプラスもあるがマイナスもある。投資してきた金額と時間とリソースを思う

          小さな投資で早く(速く)ジャンプするデジタル トランスフォーメーションの道筋

          目指すべきは「考えは深く、表現は軽い」

          ロベルト・ベルガンティ. 突破するデザインの日本語版解説で、監訳・解説の安西洋之さん が書いている。 かつて社会学者の見田宗介に、目指すべきは「考えは深く、表現は軽い」の組み合わせであり、最悪なのは「考えが浅く、表現が重い」である、と教わったことがある 安西さんが引用した文脈とは少し離れるが、これはなかなかきつい。この「最悪」はかなりカッコ悪い。そういえば世の中には多いかもしれないし、自分も気がつかないうちに浅い考えを重く表現していることがあるかもしれないと思うと、不安で

          目指すべきは「考えは深く、表現は軽い」