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限られた条件でより効果を上げるための「はじめの一歩」

土台がないところに上物は建たない。

何かの課題を解決するためのソリューションを導き出す場合、土台となる戦略がふわっとしていると上物の軸が決まらない。「どうも上物がぱっとしない」というケースでは、土台を疑うといいかもしれない。

戦略をつくる上では、当然様々なインプットが必要で、それらが目の前にあることは稀だ。たまたまあった漠とした括りの数字や、プランナーの思い込みで戦略立案を進めるわけにはいかないが、新規のリサーチに時間やコストを潤沢にかけられるケースばかりではないし、かければいいというわけでもない。リサーチとプラニングの投資が利益の期待される増加分より多いなら、正当化できる理由が必要である。「こうじゃなければできない」というのは学問や趣味ならありなのかもしれないが、ビジネスでは役に立たない。「どうやったらできるか」が基本的な向き合いである。

当然、企業、担当する方々にはいろいろな事情がある。「予算がないからとりあえず○○だけ」ということになるのは当然だと思うし、与えられた責任と権限の範囲もある。或いは基本的な戦略が用意されている場合もある。それでも時にはもう少しだけ高い、或いは広いところから土台を見なおすことがソリューションを成功させるために必要だ。それは一段で十分な場合もあれば、より高い、広いところまで戻った方がいい場合もあるだろう。

一見きつい制約があるケースでも、顧客の観察、インタビュー、極端なユーザからの学習等々を組み合わせながら、最低限必要なプロセスの設計と実行が可能な場合が多い。結果、最初に想定されるものとは異なるプロセスとリソース配分にした方が事業的観点ではふさわしいとなるかもしれないし、そもそも全く異なることに投資した方がふさわしい可能性もある。

ビジネス上の投資において、回収すべきリターンを得るためのふさわしい道筋を探すことが重要であることは、多くの人の常識だと思う。与えられた条件で成果に結びつける戦略をつくること、ゴールへのふさわしいボールの運び方を考え出して、実際にゴールを決めるお手伝いをするのが我々の仕事だが、もう少し高く、広く土台を見なおすことでその効果が大幅に変わる可能性が高い。

「とりあえず○○」は本当にもったいないのである。

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