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CEOにとって最も重要な仕事(かもしれない)

いろいろな考えは根っこに近い方がわかりやすい。ウイルスじゃないけれど、どんどん人に伝わって変異し続ける。そうすると元々のエッセンスがわかりにくくなる。

例えば音楽もそうだ。影響を受けたのがフレディー キングと知って聴いてみると「なるほど〜」となる。考えで言うと、破壊的イノベーションやデザイン思考も、クリステンセンやIDEOといった根っこに近いところはわかりやすい。

企業はというと、根っこというのははっきりしない。個人事務所や数人段階のスタートアップだと社長だ、取締役の○○だみたいなことをイメージするかもしれないが、何十人かを超えてくるとそうでもない。変異し続けて元々のエッセンスがわかりにくくなるのだろう。

では、企業にとって何が根っこなんだろうかというと、やはりそれは文化なんだと思う。

随分昔から企業文化、カルチャーは大切だとよく聞いてきた。一方、文化とは何か?文化をつくるには?等の本を読んでも結局漠としたイメージから抜け出せない経験もある。そんな中、「あ、そういうことだよね」と見事に答えてくれたのが、エドガー シャイン。要は「社内外の課題に取り組むのにいい感じでうまくやれる、蓄積されたものの見方や考え方、行動のかたまり」みたいなことか。

外から見ると似たようなサービスを提供しているように見える企業でも、プロセスもリソースも、そして現在に至る経緯も異なる。「累積されたものの見方や考え方、行動のかたまり」は当然そのあたりの違いが反映されたものになるはずだから、同業と思われる企業といくつか向き合ってみると文化の違いを実感するだろう。そして企業が生命体たる根本的な理由は、この文化が少しずつ変わり続けていることじゃないかと思う。

直接的に「こう見よう、考えよう、行動しよう」と呼びかけ合ってつくられる部分もあるだろうし、行動規範として明示され遵守していることもあるだろう。また、なぜそうなるのかという、より本質的な理由、例えば組織構造、戦略、戦術、暗黙の行動規範に属するようなものが起因するものも大きいはず。だとすれば、担当者はCEOである。最も重要な仕事と言ってもいいかもしれない。

では我々の会社は?と振り返ると、文化の担当者である自分は一言で言うと緩い。自由が好きで、ルールは極力少なくしたい。社内に非常にしっかりした人が多いのは、僕が緩いからだとさえ思っている。そして、ルールを少なくした場合、仲間ひとりひとりが自主的に判断していくことになり、我々の文化こそが拠り所となる。

自己弁護にもなるが、これはなかなか素敵なことだと思っている。

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