見出し画像

ユーザが読みたい度(WTR)と企業が見せたい度(WTS)を両立させる「相互コンテンツバリューの最大化」こそが最強

最近、気に入っているFacebookページがある。
ヤマハコミュニケーションプラザ

存在は知らなかったが、サイトによれば、「過去・現在・未来」と「コミュニケーション」をキーワードにヤマハ発動機とその製品を紹介する企業ミュージアム。きっと訪れれば心動かされる(本音です)展示がたくさんありそうである。

そして、知ることになったきっかけがその Facebook ページである。Facebookページの投稿には、明確なターゲットが設定されていると思う。その一つは、長年のバイクファン、かつ二輪レースのファンだろう。平たく情報発信している施設紹介サイトとは雰囲気が全く違う、深く踏み込んだ投稿が魅力的だ。

自分も、ヤマハ機で言えばRD250, DT125, RZ250RR等に乗っていたことがあるし、今も他メーカーだが2台バイクを所有。また、小さい頃二輪レースのライダーに憧れ、今もMotoGPだけでなく、Moto2, Moto3も全レース見てしまうファンだ。最近なんか、ヤマハで長く活躍しているレジェンド、バレンティーノ ロッシのレプリカヘルメット(写真↑)を衝動買いしてしまった。なのでドンピシャ、或いは若干ライト目のペルソナなんだと思う。

え、それでライト目?
そう、こういう自分がライトファンだということを感じながら楽しめるくらいの切り口が魅力だ。

最近、個人的に注目している本、 Felix Oberholzer-Gee の Better, Simpler Strategy: A Value-Based Guide to Exceptional Performance 風に言えば、ユーザが読みたい度=Willingness to Read と、企業側が見せたい度=Willingness to Showがいい感じでバランスした切り口だなぁと思っている。

2 x 2で描くとこんな感じである。

画像1

ここでの「相互コンテンツバリュー大」を実現できるコンテンツこそ最強だ。単に博物館的な紹介を平たくちょこちょこ流しても、僕のようなライト目のファンには右下に映っただろう。現在の切り口なら右上だ。

余談だが、そういうペルソナを想定しているので、少しリスキーとも取れるコンテンツもある。「フィクションです」と言いながら「あったよね〜」というような話。不寛容という言葉がよく出てくる昨今では、企業としてこういうものを公式なコミュニケーション チャネルで出していいものなの?っていう疑問、或いはそれ以上の否定的な感情がわく人がいるかもしれない。それでも、全体としてのバイクに関する話の言葉の端々に「愛情」や「誇り」が感じられるからか、ペルソナ以外にリーチしていないからか、ポジティブな笑い話で済んでいるように見える。

コンテンツの切り口は重要だ。どの象限に行ってしまうのかが決まる最重要ポイント。これはその典型的な成功例なのかもしれない。だが、それを誰かの思いつきと思い込み「だけ」で実現できる確率は低いだろう。その確率を上げる手法とマネジメントできるチームこそが勝利の近道だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?