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ジョブを中心に事業を構築し、ノーコード、ローコード有りきの新市場型破壊とローエンド型破壊のすすめ

少し前までは、いざサービスを開発するとなるとそれなりにコストも時間もかかっていた。一時期バズったリーンスタートアップはその対応策という側面もあったはずだ。しかしご承知の通り今は全然違う。ノーコード、ローコードの普及である。90年代半ばからこの手の仕事をしている自分にとっては、NoCode CampのオンラインサロンのSlackを見ているだけで、馬車とUBERくらいの差を感じる。コミュニティのみなさんが「練習」でやっているものは、少し前なら商売になるレベル。技術的素養のない僕がつくってみても週末だけで動くものができてしまう。結果、「アイディアがあってもサービス化するいくつものハードルが高過ぎて世の中に出なかったはずのもの」がリリースされる。「出してみたものの、改善していくお金と時間が足りず断念したはずのもの」が改善できる。完全に基準が変わってしまった。

とは言え、世界中が新しい基準で動いているので、闇雲に何かつくってみてもビジネスになる可能性はかなり低い。今までが「千三つ」だとしたら、今は始めやすさが10万倍くらい変わって「億三つ」くらいの成功確率かもしれない。

成功確率を上げるには既存プレイヤーとはやり方を変えないといけない。まずはターゲットとする市場セグメントだ。破壊という元々の日本語の意味のネガティブな雰囲気がなくなってきたくらい、破壊的イノベーションは一般的な言葉として定着したが、ターゲットを決める一つの指標になるだろう。超ざっくり言うと「高過ぎる、大変過ぎるから今使ってない」非顧客か、「ここまで要らないんだけど、仕方なく使ってる」ローエンドの顧客をターゲットに、全然違う資源とプロセスと利益基準で彼らに合うサービスをつくっちゃうのが破壊である。多くの経営周りの理論同様、多くの人にとっては(うまく説明できる言葉を知らなかっただけで)まあまああたり前なので、ここに打って出れば勝てるいうわけではないが、今ある市場に同じビジネスモデルで新しく参入するよりは勝機がある。

さらにそこで差をつけるのが、顧客のどんな用事を片づけるのか?を深く理解し、それを中心にすべてを組み立てる「戦略の質」だと思う。機能的感情的社会的の観点での用事をふさわしいやり方で定義し、そこに焦点を当てて、実際に顧客に使ってもらいながらプロトタイピングとイテレーションを進める「質」。ローコード、ノーコード有りきの新しい基準で変わったのはプロトタイプをつくったり、イテレーションをまわすコストと時間なわけで、リーンスタートアップやデザイン思考、サービスデザイン的なアプローチはそのメリットを簡単に享受しやすい。

こうして顧客にとって完全な体験を目指しつつ、実現できるサービスとビジネスプロセスを再考し、統合できるようにしていく。ノーコード、ローコードでの開発は、今までならできなかったこんな理想のプロセスを、現実的な金額や時間で完遂できてしまう可能性がある。

すごくわくわくする時代である。
どなたか一緒にやりませんか?

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