見出し画像

【要約】人事評価で最高のチームをつくる方法~人材育成の中核を担う正しい「評価」の仕方~

皆さんお疲れ様です!
少し気温が上がったと思ったら、また寒くなったり・・・
体調を崩しがちな季節の変わり目なので体調管理に気をつけましょう!

私は花粉にやられて苦しんでおります・・・笑

さて本日紹介する本は、企業における「人事評価」について書かれた本です。

企業に属する以上、「人事評価」を避けて通ることはできないですよね。

こちらの本は、主に「人事評価をする側」の管理職の方向けに書かれた本ですが、内容には、人事評価の仕方だけでなく、正しい目標の立て方についても記載されているので、管理職でない方にも役立つ内容になっています。

なにか皆さんのヒントになれば幸いです!
では、さっそくいきましょうっ!


1.こんな人に読んでほしい!

・期初に立てる目標設定に毎度苦しめられているプレーヤー社員
・正しい目標設定が分からず、毎度なんとなくで決めてしまっている方
・管理職になったものの、部下への正しい評価の仕方に迷われている方
・部下との評価面談が毎度憂鬱になってしまう方

2.なぜ今、組織に適切な人事評価制度が必要なのか

2-a.人的資本経営が注目されている現代

現在の社会では、「人を資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値の向上につなげる経営」である「人的資本経営」が注目されています。

なぜかというと、若手世代の仕事に対する考え方が変化してきているからです。
現代の若手は仕事に「意味」を求めます。
「この仕事、この企業で過ごす1年、このミッションが自分のキャリアにとってどんな意味があるのか」ということを考えながら仕事をしています。
給料などの金銭報酬だけではなく、「感情報酬」と言われる感謝の声掛けや、自身の成長を実感した時に得られる「感情報酬」を重要視しているのも特徴の一つですね。

今やネットやSNS普及していますから、自分が所属する企業と他社を比較し、「他社に移る方が今の自分にはメリットがある」と判断されれば会社から去っていきます。

だからこそ、自社の魅力を上げ、社員にとって所属する意味があると思われる企業になるためにも、人を資本としてとらえ、人と企業ともに成長を目指す「人的資本経営」が注目されているのです。

「人」に活躍してもらうためには、会社への愛着、仕事への情熱、仕事のやりがい、つまり「エンゲージメント」をいかにして高めていくかが重要になってきます。

エンゲージメントを高めるための一つの手段としてあるのが「人事評価」になるわけですね。

3.うまくいく目標設定の仕方

適切な人事評価をするためには、適切な目標設定をしなければなりません。
適切な目標設定をしないと、評価する際の基準がブレてしまい、評価する側も適切な評価を伝えられませんし、評価される側も納得のいかない評価をされることで、エンゲージメントはダダ下がりします。

では、どうやって目標設定をするといいかを見ていきましょう!(これは管理職以外のプレーヤーの方にも非常に役立ちます)

3-a.目標を分解する

正しい目標設定ができない要因の一つは「目標が抽象的で大きすぎる」ことにあります。

例えば「顧客満足度を向上させる」や「営業数字を100%達成する」などの目標を立てる人がいますが、このような目標だとざっくりとしすぎていて、「その目標が達成されたかどうかはどう判断するのか」「その目標を達成するためにどう行動するか」など曖昧な部分が残りすぎています。

これを防ぐためには、目標を「対象」と「基準」に分けて「方法(アクション)」に落とし込むことをします。

「対象」とは、「それって何?」ということ。
「基準」とは、「対象」を「どう見る?」ということ。
「方法」とは、具体的にどんな「行動」によって達成を狙うのか、ということ。

これだけだと、分かりにくいと思うので「顧客満足度を向上させる」という目標を例に具体的に解説します。

まず「対象」ですが、これが曖昧だと評価する際に適切な評価ができません。ここで言うと「顧客満足度とは具体的に何を指すのか」の定義を分解を用いて決めることが大事なります。

分解のコツは「量と質」で考えると上手くいきやすいです
これは「基準」「方法」を決める際にも役立ちます。

対象:顧客満足度の向上
┗量:何社に満足してもらえたか
┗質:どの程度満足してもらえたか

このように分解することで、顧客満足度を向上させることが具体的にどういう状態を指すのかを定義できました。

次に「基準」です。これは定めた「対象」がどの程度の水準であれば、目標が達成したとみなせるかの判断基準になります。
これも量と質で分解してみます。

基準:顧客満足度の向上が達成されたと判断する指標
┗量:担当顧客10社中7社で
┗質:満足度10点満点のうち8点以上の回答を得る

これが定められると、目標の達成の可否を数字に基づいて判断することができます。

最後に「方法」です。これは分かりやすいと思いますが、定めた「基準」を具体的にどのような行動で達成を目指すかのアクションプランになります。

方法:顧客満足度を担当顧客10社中7社で10点満点中8点以上の回答を達成するためのアクションプラン
┗量:担当顧客のフォローを週1で行い、業務効率改善の施策を毎月1つ以上提案する。
┗質:フォロー漏れが無いように、上司のダブルチェックを月初に行う。

方法については、その人の今までの実績や能力レベルによって設定できるものが異なるので上記はあくまで一例である。

私的に、方法(アクションプラン)は「明日からすぐにでも行動に移すイメージができる」粒度まで定量に落とし込み設定するのが良いと思います。

以上が、いい目標を設定するための、目標分解方法でした。

また、これ以外にもいい目標の指標として「SMART」というフレームワークで確認することも効果的です。

  • 「SMART」とは

    • Specific:具体的かどうか

    • Measuarable:定量的かどうか

    • Achievable:今の自分で達成可能かどうか

    • Reasonable:今の組織の現状に沿った妥当な目標かどうか

    • Time-bound:いつまでに達成するか期限が明確かどうか

自身の目標が上記の5つを満たせているかどうかを確認するだけでも、いい目標設定につながると思います。

4.正しい評価の伝え方

正しい目標の設定の仕方が分かったところで、半期の業務を終え、実際に目標で設定した基準を元に、評価を部下に伝える際にどうしたらいいかを解説していきます。

ここが部下のエンゲージメントを上げる管理職の腕の見せ所になります。

4-a.相手のタイプによってコミュニケーションの仕方変える

人はそれぞれ、考え方も違えば、仕事に対するスタンスも異なります。
つまり、人ぞれぞれモチベーションになる源泉が異なるということです。

モチベーションタイプが大きく4つあることを理解し、それぞれに効果的な評価の伝え方を学びましょう。

タイプ①:アタックタイプ
達成支配型とも言われ、負けず嫌いなタイプです。自分の権限が広がることに喜びを覚えます。
「この目標が達成できれば過去最高記録を更新するね」など、今までより高い目標を伝えてあげることでモチベーションUPにつながることが多いです。

タイプ②:レシーブタイプ
貢献奉仕型とも言われ、協調を大切にし、人の役に立ちたいタイプです。
「いつもみんなのことを気遣ってくれて本当に感謝しているよ」など、周囲への配慮を評価してあげるとモチベーションUPに繋がることが多いです。

タイプ③:シンキングタイプ
論理探求型とも言われ、知識を吸収するのが好きだったり、理屈を大事にして複雑なものを探求したがるタイプです。
「この仕事を通じて君の能力が発揮されて、一回り成長できたね」など、能力向上や思考力への評価を伝えてあげるとモチベーションUPにつながることが多いです。

タイプ④:フィーリングタイプ
審美創造型とも言われ、新しいことを生み出したり、楽しいことを計画したい感覚タイプです。
「○○が実現できたら面白いよね」「これは今までと違って新しいチャレンジだよね」など未来を語ったり、新しいチャレンジを与えることでモチベーションUPにつながることが多いです。

以上4つのタイプを参考にしてコミュニケーションをとることで、モチベーションを下げることなく評価を伝えることができるでしょう。

ただ、注意しなければいけないのは、「タイプを決めつけないこと」です。
環境や時間の変化でタイプが変わることもあります。決めつけてしまうとコミュニケーションに齟齬が生まれ、その人の可能性を狭めてしまうことにつながりかねません。

あくまでも「どのタイプ寄りか」という判断軸として活用するようにしましょう。

4-b.評価を伝えるときの心構え

評価ですから、プラスの評価だけでなく、マイナスの評価をしなければいけない時も間違いなくあります。
管理職にとってそれはつらい瞬間でもありますが、「人的資本経営」を目指すには必要なことです。

ここでは、評価を伝えるときの心構えを3つ解説します。

心構え①:横並びで一緒に成長しようという姿勢を持つ
評価というと上司と部下の1対1の対決構造を想像する方も多いかもしれません。
そうではなく、評価の目的とは「評価によって部下にさらに成長してほしい」ことにあります。

対決構造にあるのではなく、共に成長する味方として成長のための評価をしているという姿勢を持ちましょう。

心構え②:モチベーションを維持させることを優先する
評価ですので、定めた基準に沿って正しい評価を相手に伝えることは重要です。
ただ、プラスの評価を伝える際も、マイナスの評価を伝える際も「評価理由を伝えて終わり」ではなく、「どうすればこれを機に、次の目標に向けてモチベーションを上げられるか」を意識してください。

大切な資本である「人」には成長し続けてもらわなければなりません。
その源泉であるエンゲージメント、モチベーションを高い水準で維持するためには、「次の目標の魅力」であったり「次の目標を達成しないといけない危機感」を相手に適切に伝える必要があります。

心構え③:「伝える」のではなく「伝わる」ことを意識する
評価者として評価を「伝える」だけでは単なる自己満足です。
評価が相手に「伝わり」、相手の行動が正しく変容されるところまで実現できれば初めて合格になります。

「伝わる」には「解凍」⇨「行動変容」⇨「再凍結」のステップがあります。

解凍:相手がもつ固定観念や今までの前提について問い、さらにいい方法がないかを対話で見つけます。

行動変容:対話によって目指したい姿や成長したいことを明確になったことで、それを実現できる行動をするようになります。

再凍結:新しく始めた行動が、自身の習慣として定着します。

このステップを経て初めて、相手に正しく評価が「伝わり」、相手の成長につながります。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

人的資本経営が注目される中で、人材育成の重要性が高まっている現代において、「正しく目標設定をして」「その目標を元に正しい評価をつけ」「次の成長に向けて正しい評価を相手に伝える」ことは身に着けるべきスキルになっています。

私はまだ管理職という立場ではないですが、今後プレーヤーから脱却し、組織をマネジメントする立場になったときに、チームのメンバーに成長し、活躍してもらい、成果を出してもらわなければなりません。
その時に、メンバーのエンゲージを下げずに頑張ってもらうか、その一つの方法として適切な人事評価という手段が重要なんだな、と感じました。

少し長くなりましたが本日はこれで終了です。

何か一つでも皆さんのヒントになれば嬉しいです。
ではまた!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?