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保育の研究が現場にもっといかせたら

緊急事態宣言のやっと明けた10月の頭、
とある心理学の研究大会に行ってきました。

大会全体を通してのテーマは、
互いに影響しあう心と身体の関係性やその調和。

最近はあちこちで目や耳にする機会もふえた
「マインドフルネス」を、
哲学や歴史、数学、医療や教育といった
さまざまな方面から掘りさげていく研究大会でした。

心と身体の調和を自覚し、
意識的にそれらをコントロールしようとすることがもたらす効果や、
「マインドフルネス」を子育てや教育の現場にとりいれる意義、
その実践の紹介など個人的にとても勉強になりました。

前回のnoteにも書きましたが、
この秋から、子どもに向きあうすべての人が
自分と子どもの「ありのまま」を受容し、
すこやかな関係を育めるよう支援するという活動をはじめたこともあって、
その参考にしたかったというのも今回の出席の理由のひとつです。
(前回の記事 https://note.com/mothertree1122/n/n275e86a7aa5c)

また、ConoCoでは
子どもや保護者はもちろんのこと職員同士でも、
‟「ありのまま」を受けいれる”
ということをもっとも大切な法人の目標としています。

どちらにも共通する
‟「ありのまま」を受けいれる”という言葉、
あたりまえのようでいて、
とても奥深い言葉です。

いったいそれは具体的になにをすることなのか、
どうやったらできるのか、
なんのためにそうするのか、
そうできたらどうなるのか、
曖昧なままにせずに
一つひとつ理解を深めながら
追究していく必要があると思うのです。

こうした追究は、本や参考書を読んだり、
内部で話し合いをしたりすることでも可能になると思いますが、
やはり専門家による最新の研究や取り組みを知ることができる学会は
とても重要だと思います。

学会の様子

今回は心理学でしたが、
もちろん保育や教育の分野でもさまざまな学会が開催され、
たくさんの有意義な研究が発表されています。

「ありのまま」のように、
福祉の世界に溢れかえる
一見耳ざわりの良い言葉や概念の
そのほんとうに意味するところ。

採りいれられる手法や道具の
真の意味で目指すところ。

そういったものへの地道な追究の継続とつみかさねが、
日々の保育や新しく生み出される支援の質を
高めていくことにつながっていると思うのです。

しかし残念ながら、
一般の保育士さんがこのように学会に赴いて勉強するといった話は、
まだあまりあたりまえには聞きません。

どの業界でも同じかもしれないのですが、
保育業界では特に臨床と研究が乖離しているように感じます。

子どもの発達や心理に対する知識や情報が、
だれよりも必要な人にちゃんと届いて実践される、
そんな状況が整っていないのが現実なのです。

人手不足が原因なのか、
コストの問題なのか、
それともそもそも学会で勉強して
知識や技術をブラッシュアップするという文化が根付いていないのか…。

もちろん各行政が提供している
おきまりの座学講座も毎年なにかしら開催されています。
(そしてそれが必ずしもつまらないわけではありません。)

ですが、こうした最新の知見や実践の具体例をたくさん浴び、
それに関して同じ興味関心をもつ人々と意見をかわしあえる状況こそが、
行きづまった現状に打開策をもたらしてくれると思うのです。

素晴らしい研究がさまざまに展開されているのに
とてももったいないこの状態が、
すこしずつでも変化していくといいな、
変化していかなければなと思いながら、
自分自身が積極的にこういった場に足を運んだり、
得た情報をシェアしたりしています。

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