しおたにまうみ / NPO法人ConoCo

株式会社MOTHER TREE代表取締役。 子育て支援のNPO法人ConoCo事務局長…

しおたにまうみ / NPO法人ConoCo

株式会社MOTHER TREE代表取締役。 子育て支援のNPO法人ConoCo事務局長、「この子」のためのオーダーメイド保育を実施しているConoCoのおうち施設長。 すべての子どもが、自分で自分の人生の舵取りができる保育を追及しています。

最近の記事

一軒家は100個捨てた程度ではきれいにならない

思い立って1ヶ月に100個捨てる断捨離を友人と実行している。 Googleスプレッドシートを共有して、捨てた物品名と日付を記入していく。 どうもこの手法は、目に見える実績がコツコツたまっていくとモチベーションが維持されるタイプの私に大変マッチしたらしい。 スプレッドシートを埋めるために、普段なら目もくれないような場所にも注意を向け、捨てやすいモノを探すという日々を送っている。 先日1ヶ月を待たずして100個目に到達したのだが、どうしたことか、どう贔屓目に見ても家が片付いたよう

    • とにかくアーモンドミルクを消費している

      また世界の遠い国々で戦争が始まろうとしているようだ。 数分ごとに更新されるネットの情報を追っていると居ても立ってもいられない心持ちになり、思わず世界情勢の本や紛争地図などをひっぱりだしてきてしまう。 世界のどこかで武力衝突が起こるたびに、自分の無知さや無力さが嫌になる。 そして問題の深淵さに触れるたびに、絶望的な気持ちになる。 そんなこんなで地に足がつかない状態で過ごしていたからか、気がついたら配達されたまま玄関に放置していたアーモンドミルクのパックを猫にかじられてしまって

      • わかるような歳になってしまった

        部屋の片付けをしていて、ふと目に入った『停電の夜に』を読み出してしまった。 昔、遠い昔に読んで、名作と聞きながらもあまりその評価の意味がわからず、でも喉に魚の小骨が刺さったかのようにずっと意識の底にこびりついて離れなかった物語だ。 あれから10数年。 いやもう20年近いのか。 停電の夜の、ふた晩目でもうだめだった。 泣けて泣けて、涙が止まらなくて、視界の文字がどんどん滲んだ。 失ったものを取り戻せるかもしれないという淡い期待と、積み重ねてきたものを終わらせるための心づもりと。

        • 「抱っこ食べ」ってどうするの?(後編)

          前回は「抱っこ食べ」の前期、 大人が主導で子どもに食べさせていく時期について書きました。 今回は「抱っこ食べ」の後期、 だんだんと大人主導から子どもが主体的に食事に関わっていく 段階について書いてみたいと思います。 子どもの意思が出てくる 「抱っこ食べ」の前期では、 大人が介助スプーンで子どもの口にご飯を運んであげていました。 それが成長とともに少しずつ子どもの様子にも変化が見られてきます。 それまでは介助する大人が口に運ぶままにご飯を食べていたのが、 自分が食べたいと

        一軒家は100個捨てた程度ではきれいにならない

          「抱っこ食べ」ってどうするの?(前編)

          さて、前回は「抱っこ食べ」をするのに必要な道具について説明しました。 今回は「抱っこ食べ」って具体的にどうしたらいいのかを 説明しようと思います。 「抱っこ食べ」は、 大人主導で赤ちゃんに食べさせる前期と だんだんと子どもが主導になってくる後期に わけることができると考えていますが、 今回は前期について説明します。 まずは座ってみよう 「抱っこ食べ」に必要な道具も揃い、離乳食も準備完了。 そうしたらまずは大人が赤ちゃんを抱っこしながらイスに座り、 テーブルにつきます。

          「抱っこ食べ」ってどうするの?(前編)

          「抱っこ食べ」ってご存知ですか?

          ご飯の食べさせ方には段階がある 生後5,6か月頃になると、 そろそろミルクだけでなく離乳食を始めようかとなってきます。 それまで抱っこでミルクを飲んでいた赤ちゃんが、 突然ひとりで座って離乳食を食べられるわけではないことは当然ですよね。 あたりまえのことですが、 ひとりで座って食事ができるようになるには それなりの段階を踏んでいく必要があります。 授乳のみの段階から 何かに体を支えてもらいながら大人に食べさせてもらう段階、 食べさせてもらうばかりではなく自分からも食べよう

          「抱っこ食べ」ってご存知ですか?

          「授乳」は最初の「ご飯」

          ひとことで「子どもにご飯を食べさせる」といっても、 ご飯の食べさせ方は実は何段階かにわけて考えた方が、 子どもへのかかわりが楽になります。 そして授乳はその一番はじめの段階。 ですが、授乳をちゃんと「ご飯」のひとつとして捉える意識が どうにも薄いように感じています。 手づかみや食器をつかって形あるものを食べるという行為は、 シンプルに食事として捉えてもらいやすいですが、 おっぱいや哺乳瓶からミルクを飲むとなると、 どうもその認識が薄れるようです。 「ご飯」という行為は、 生

          「授乳」は最初の「ご飯」

          「食事は生命だけでなく心も養う行為」

          小さい子どものご飯タイム。 それはどこのご家庭でも、 そして保育園でも、 なかなか負担に感じやすい時間のひとつではないでしょうか。 食器が上手に使えずに食べこぼしがひどかったり、 好き嫌いや食べむらがあって思うように食が進まなかったり、 集中が続かずに遊び食べになってしまったり…。 やっとの思いで食事を終えても、 子どもの手や服は汚れてベタベタ、 テーブルや床は食べこぼしだらけ。 掃除や洗濯まで上乗せ作業として 食事に引っ付いてくるとなると、 負担に感じるのも無理はありま

          「食事は生命だけでなく心も養う行為」

          見学でいちばん驚かれること

          ConoCoのおうちを見学して、 多くの方が驚かれるのは 子どもたちの食事の様子です。 こちらからすると ただ子どもたちが普通にご飯を食べている 日常の姿なのですが、 ご家庭での食事風景との差に 「とても落ち着いてじょうずに食べるんですね!」とか 「この年齢でもひとりでこんなキレイに食べられるんだ」と、 びっくりされることが多いようです。 これは保育士さんしかピンとこないかもしれないのですが、 うちの園では食べこぼしがほとんど出ません。 これは一斉保育を行っている園では

          見学でいちばん驚かれること

          小規模保育園特有 3歳からの園の探し方

          保育園見学の季節。 ということは、 小規模保育園に通っておられる2歳児の保護者にとっては、 3歳から進級する園をさがす時期ということになります。 少人数でていねいに見ていてもらった環境から、 たくさんの子どもたちがいるまったく新しい環境へ。 ということで 「どんな園に行けばわが子は大丈夫なんだろう?」 と悩まれる保護者もすくなくないです。 そんなときはぜひ通っている園の保育者に相談してみてください。 小規模保育園の保育者たちも、 実は送りだす子どもたちのことをとても気

          小規模保育園特有 3歳からの園の探し方

          後悔しない保育園選びのために

          今年も保育園見学ラッシュのシーズンがやってきました。 「必ず見学に行ってから保育園を申し込んでくださいね」と 毎年毎年書いているんですが、 今年もやっぱり書こうと思います。 とくに今年は保育園での悲しいニュースが目立つ気がします。 相次ぐ園バスでの死亡事故も衝撃的でしたし、 保育施設における子どもの見落としや置きざりが 急増しているというニュースにも ショックをかくせません。 いくらテクノロジーを駆使しようが ヒューマンエラーはかならず起こるものですが、 こういったミスの

          後悔しない保育園選びのために

          赤ちゃんが泣くのに応えるその先に

          赤ちゃんが泣いてすぐに抱っこしたら抱きぐせがついてしまうから、 泣いてもしばらく放っておいたほうがいい。 赤ちゃんが泣いたらそのたびに抱っこして、 赤ちゃんの要求に応えるようにしてあげたほうがいい。 これ、どっちの選択肢が正しいと思いますか? ひと昔前は、けっこう前者のような意見がよく聞かれました。 実際にこのように若手に指導している保育園も少なくなかったと思います。 しかし愛着関係の大切さが説かれるようになってからは、 子育てにおいては後者のかかわりのほうが望ましい

          赤ちゃんが泣くのに応えるその先に

          ひらがなっていつから書けた? ~レディネスの重要性~

          世間では盆休み、夏休みの時期ですね。 家族でどこかに出かける方も多いのではないでしょうか。 先日、帰省した友人からこんな話を聞きました。 飛行機で隣に2,3歳くらいの女の子を連れたお母さんが座ったそう。 通路をはさんだ隣の席にもまた親子連れが座り、 そちらは4,5歳のくらいの男の子。 しばらくするとあいだに座る友人を飛ばして 男の子が小さい女の子になにやらプレゼントをしたそうです。 それは1枚の紙とシールで、 そこには「かみとしーるあげるよ」と かわいい手描きのメッセ

          ひらがなっていつから書けた? ~レディネスの重要性~

          野菜も子どもも伸びる夏

          毎日きびしい暑さが続き、 いやというほど夏を感じます。 保育園の活動もすっかり夏モードにシフト。 保育園の夏のあそびの定番といえば、 水あそびに感触あそび… それに野菜づくり! ConoCoでも 今年も夏の野菜作りをしています。 育てる野菜をえらぶのは 子どもたちにはまだ難しいので保育者が決めますが、 苗は子どもたちといっしょに買いに行きます。 キュウリにトマト、ピーマンにシシトウ。 近所の花屋さんまで出かけて行って、 あれがいいこれがいいと、 皆でワイワイ元気そう

          野菜も子どもも伸びる夏

          「人を育てる」という祈りにも似た行為について

          今日は子どもたちが育てている夏野菜について書こうかな、 それとも先日ニュースを騒がせた(?) 「底辺の仕事ランキング」について書こうかな、 と頭を悩ませていました。 お昼前に衝撃の速報が流れてくるまでは。 本日、日本の元首相が選挙の遊説中に襲撃され 亡くなるという事件が起こりました。 第一報を受けてからなんだかずっと心が落ち着かず、 夕方訃報に接してからはなんだか言葉にできない心持ちで、 今日はもう書けないかも…。 そう思いましたが、 自分の心を落ち着けるためにも この

          「人を育てる」という祈りにも似た行為について

          梅ジュースは思い出の味

          今年も梅仕事のシーズンがやってきました。 ConoCoではできるだけ季節の手仕事を楽しむようにしています。 毎年梅の実が出回るシーズンには、 みんなで梅シロップや梅干をつくります。 季節がめぐってくるたびに思い出す、 そんな優しい記憶のような文化のようなものを 子どもたちの中に残してあげたい。 そんな思いでこの手仕事を続けていますが、 ConoCoのおうちにいるのは0歳から2歳の乳児さん。 正直なところ、何がどこまで伝わっているのかを はっきりと知ることはできません。

          梅ジュースは思い出の味