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精神薬を飲みながら働くということ

精神科で初めて薬を処方されたのはちょうど2年前。毎晩薬を飲むという行為は、いまやお風呂や歯磨きと同じく生活の一部の中に溶け込んでいます。

当時投薬治療を始めてから2週間ぐらいでグッと調子が良くなったわけですが、それだけの強い効果をもつ薬を飲んでいるのですから、きっと体にとっては本来好ましくないものなのでしょう。しかも病みの原因が仕事にある場合、薬を飲むことは根本的な解決策ではないから意味がないとも考えていました。

でも今は薬に頼るのも一つの手だと思っています。たしかにその根本的な要因にアプローチせず薬を飲んで何とかするというのは、単なる対処療法です。せいぜい気休めにしかならないと思われるかもしれません。でも、病院に行こうかなと思う時点で、もう正常な判断ができる精神状態ではないかもしれないし、日常生活に支障も出ているかもしれません。そんなときは医療に頼ってみてもよいと思います。

少なくとも私の場合は幸いにも短期間である程度調子を取り戻し、社会復帰することができました。精神的な病によって出ていた身体症状もかなり収まりました。2年間薬を飲み続けることになるとは思ってもいませんでしたが、毎晩薬を飲むときと数週間に一度病院に行くときだけ、「そうだ、病んでたんだった」と思いだすレベルです。(突如現れる調子の悪い時期を除く…)

私は精神科に通っていることも、毎日精神安定剤を飲んでいることも、むやみに隠すつもりはありません。自分が休職を経験して、普段は通院や投薬治療の経験を隠している、というかわざわざ言わない人も少なからずいるのだと知りましたが、私はそういうこともオープンに語れる社会になることを願っています。そういう社会がまた一人、苦しむひとを救うことができるかもしれないから。


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