怪奇探偵リジー&クリスタル/山本弘

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読了日2018/6/21
まっぷたつの美女
探偵事務所に訪れたある女性は、恋人の猟奇趣味を不安に思い結婚を悩んでいた……。ところから始まる探偵小説が、まさかの人外探偵だった。アンデッドガール〜を彷彿とさせてくれるが、人外VS人間ということできちんと推理もする。しかし楽しい! おもしろい!

二千七百秒の牢獄
映画に閉じ込められたリジーたちを救うために、透明人間の特性を活かしたクリスタルが活躍するお話。超常現象をどう解決するか、着地点は決まった形だったけれどいい落としどころだった。

ペンドラゴンの瓶
偉大な錬金術師ペンドラゴンの遺品である瓶が存在した。不死身のリジーにとって何らかの縁故ある品には違いなかったが、まさか愛した男の子供とは……。しかもその子供が世界を破滅させるかもしれないとなれば、バラバラに殺さざるを得ない。辛い選択だった。リジーも人間だから、涙は禁じえなかった。

軽はずみな旅行者
未来から来た旅行者ルークがタイムマシンのスイッチを奪われてしまい、リジーに助けを求める。クリスタルの数少ない友人レイの夢を諦めさせない下りは、未来から来たルークの唯一の善行のような気がするけど、実際はこいつが来なければよかった噺だから、タイムパラドックスは難しい。

異空の凶獣
クリスタルの素性が明らかになると同時に、発端となる異世界から化物がやってくる。リジーは殺され、クリスタル一人で立ち向かわなければならない。優しさと強さを兼ね備えた彼女は懸命に走り、たった一人で化物退治を行う。きっとリジーにもママにも褒めてもらえることだろう、クリスタルいい子。


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