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新卒で入った会社を辞める

新卒で入社した会社を辞めることにした。

退職願を出したときは、介護の仕事をしたい〜云々の理由を社長に伝えたけれど、それが本当の理由ではない。結果後に介護の仕事に就くことになるんだけど、それはそれから何年も先のことだった。

本当の理由は、社会に出て、対人職業、仕事ができないことがつらくて、情けなくて、自信をなくして、嫌になったのだ。

思い描いていた、イケてる社会人…には、なれなかった、そういう能力資質適正、性格も含めて自分はそうなれないと嫌というほど身に染みたということだった。

仕事がなく、仕事も取れなく、簡単な小間使いもろくにこなせず、会社では手持ち無沙汰で、机の中を整理してるふりをして時間を潰したり、トイレに頻繁に逃げ込んで時間をやり過ごしているのが辛かった。

罵倒されたり叱責はされなかったけれど、毎月営業会議で成績を発表するのも、ろくに売り上げも上げられず居た堪れず辛かった。

とにかく、デキる社会人でなかったという現実が辛かった。

惨めだった。

入社初日で辞めたくなり、でも3年は我慢という神話で縛られ辞める勇気がなく、でも1年が過ぎる頃、もう1年が過ぎたからそろそろいいだろう、この後後輩社員が入ってくるなんて考えてたら、このままこの会社、この仕事に就き続けるなんてもう無理だった。

心残りは、数少ない任された担当のお客さんとの間に起きていたトラブルを、最後まで自分で対処してから辞められなかったこと。それは申し訳なかったし情けなかった。

次の仕事もこれからどうするかも何も考えられず、決まっていなかった。

最後の出勤日、終電を逃し、池袋から夜行バスに乗って地元まで帰り、真っ暗な線路際を歩いて帰り路についたのを今でも覚えている。

この線路のレールのように、社会のレール、今まではなんとかしがみついていたレールから、外れてしまった。先にレールは用意されていない。先のレールがない。

嫌なことから解放されたという開放感というよりは、真っ暗闇に投げ出されてしまったかのような不安感や思うような社会人になれなかったという挫折感や絶望感、脱落感でいっぱいな、新卒入社した会社を退職という、今でも引きずる挫折体験、トラウマ体験だった。

ここから、今に至るまで、本当の意味での自信や自己肯定感は、(それまでも本当の意味での自信や自己肯定感が持てていたかはわからない)持てないまま、社会人(なのか?)を続けているというのが、自分の学校卒業してからの社会人生活になる。

続く

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