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タマビ講義 #01 みなさんは創造に自信がありますか? 「日常に溶け込むデザインとは?」講師:深澤直人

デザイナーに限らず、創造に関わる人たちに大事なのは気付き。ふだん意識しない身の回りの違和感を自覚することで、だれにでも創造はできます。というメッセージを受け取りました。


無料で見られるオムニバス講義、始まる


多摩美術大学(以下タマビ)のデザイン講義シリーズが始まっていたのでメモがてらちょこっとレポートです。下記リンク先YouTubeからアーカイブが見られます。

2021年12月26日まで、毎日幅広い分野の講師陣による講義が見られるのででひどうぞ。

私はタマビ関係者ではないです。


今回は深澤直人さんです

無印良品のCDプレーヤーで有名なプロダクトデザイナーの方です。

世田谷区にある、多摩美術大学の統合デザイン学科という所で教授をされています。

1時間ほどの動画ですがざっくりと、01 統合デザインとは何か、 02 これからのデザイン(コロナ禍のデザイン)、03 創造について のお話をされています。


01 統合デザインとは何か

統合デザイン学科は、従来の領域の区分を取り払い、コミュニケーションやプロダクトに限らず、その他の諸領域を含め横断的に学ぶための新たなデザイン教育の場です。 社会や産業を構成する様々な問題や複雑な要素を生活の営みから感覚的に嗅ぎ分け、それを論理、分析し、視覚化して伝える力と、ものとして具体化し実在化させる能力に長けたデザイナーを育てます。身体の延長としてのものや空間、その集合体としての環境、そしてそのそれぞれを繋ぎ合せる媒介としてのシステムとコミュニケーション、画像や映像や身体のインタラクション、それらが途切れることなく一貫性を持って統合されたデザインは、それ自体が美学として、生活や社会や産業をより良い方向に導く原動力となります。統合デザイン学科では、そのようなデザイナーを育てるために、各個人の興味領域を中心としつつも、それと関連する様々な領域が統合されたデザイン全体を「プロジェクト」として学びます。

多摩美術大学 統合デザイン学科webより
太字部筆者

8年ほど前に、深澤直人さんがタマビで新しく学科を作ってくれと依頼された際に名付けたのが、「統合デザイン」学科です。英訳すると Integrated Design で、文字通り、デザインを分野ごとに分けて考えるのではなく統合して学ぶ学科とのことです。

グラフィック、プロダクト、情報、インテリア……など、デザインには様々に分野がありますが、統合デザイン学科ではそれらを統合して取り組みます。
デザインの取り組みの際に「プロジェクト」と呼称するの、前回読んだ本を少し思い出しました。


統合デザインの考え方として、人間の持っている五感は統合されているがアウトプットの際は分断されているとして、深澤直人さんによる解説が続きます。


02 これからのデザイン(コロナ禍のデザイン)

美しい考え方」についての話がされます。コロナ禍以前から、デザインはどのような状況にあっても生活に寄り添って、その変化や流れに即して営まてきました。

人間は生きる上でふだんから自分が生きるための選択、日常的な違和感を回避して美しい考え方を選択していると言われています。無意識のうちに回避しているモノやコトは、よくデザインされたものとは言えません。それを扱う受容者が自然と生存につながる選択ができるデザインが、美しいデザインであり、今求められているということだと思います。


03 創造について

近年、デザイン思考やアート思考という言葉をよく聞くようになってきています。デザイン思考( Design Thinking)とは、深澤直人さんの言葉でいうと、感じたことを自覚できる力のことです。

創造的(クリエイティブ)であるということは、ふだんみんなが無意識に感じている「気づき」を共有して、共感を得ることです。

アーティストRichard Wentworthの写真を参考に、モノのこんな使い方あるよね!アフォーダンスだよね!というのが示されます。

日常的に見かける、本来その使い方をしないものが必要な状況下で間に合わせとして使われる状況(ブリコラージュ)ですね。

この辺りで話されていること、人類学や哲学での議論やキーワードを思い出しながら聞いていました。


「美しい考え方」についての補足等ありつつ、このちょこっとレポの冒頭に示したようなメッセージを伝えて結びです。デザイナーに限らず、創造に関わる人たちに大事なのは気付き。ふだん意識しない身の回りの違和感を自覚することで、だれにでも創造はできます。


講義を聞いて -気付きを大切にしよう!と思って近くの無印に行ってCDプレーヤー探しましたが見つかりませんでした-

深澤直人さんの名前や作品は知っていましたが、その活動の詳細については知りませんでした。今回はこの講義シリーズ全体をまとめての抽象的な話が多くて、すぐにわかる部分が少なかったので、著書を読んでみつつ復習したいと思います。


「創造」は訓練と意識づけによって誰にでもできるということ、ライターのさやわかさんが話されていることにも似たものを感じました。


ライブ視聴で2500人もいて、デザインってこんなに社会に興味持たれているんだな!と気付きつつ次の講義を待ちます。

(第二回の記事は↓です)


では!


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