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絵本「ゆきのうえ ゆきのした」〜わたしも冬眠したい

週末ついに初雪が降った。
けっこう積もって、辺りは薄っすら雪化粧したように真っ白な景色に一変した。
夏の間、近所を跳ね回っていたウサギやリスはいつのまにか姿を消して、今は雪の下にいるのだろうか。


息子が小さい頃、冬になるとよく読み聞かせしていた、絵本「ゆきのうえ ゆきのした」。
私たちが暮らす雪の上とは別の、もうひとつの世界が雪の下には広がっている、と知った時の新鮮な驚き。

ゆきのしたには、まったくべつの、ひみつの、せかいが あってね。
もりの ちいさな ちいさな いきものたちが かくれて、
さむさや きけんから みを まもっているんだ 

「ゆきのうえ  ゆきのした」ケイト・メスター 文 / クリストファー・サイラス・ニール 絵


降り積もった雪と地面の間に出来る、ひみつの隠れ家のことを、サブニヴィーン・ゾーン 積雪下空間せきせつかくうかん、と呼ぶそうだ。
私はこの絵本を読み聞かせするたびに、雪の下は安心であったかくて居心地が良いんだろうなぁ…この、おこもり感が馴染むなぁと思っていた。



今日の最高気温は0度で日中はマイナス3度くらい。これはまだ序の口で、これからマイナス20度くらいまでは下がる。
だけど室内は冬でも薄着で過ごせるほど暖かいし、外に出る時もマイナス30度くらいまでは耐えられる羽毛入りダウンコートやイヤーマフ、防水性スノーブーツなどを履いてガッチリ防寒対策しているので、短時間なら耐えられないということもない。
しかしさすがに、ずっと外に居たら間違いなく凍死するレベルになるので、冬はホームレスの人々も施設に保護されるし、街中に野良猫というのはこの国にはいない。

冬に入り、日照時間もかなり短くなってきた。
今は、朝10時頃まで明るくならず、午後3時にはもう暗くなり始める。
朝、人々はまだ暗いうちに出勤や登校して、帰りもすでに日が暮れた中帰宅する。
これからは太陽の光のない薄暗い日々の中で、モグラのようにモゾモゾと暮らすようになってゆく。

この国に住んで冬の何が辛いかというと、実は寒さなんかではなく、この暗さと長さが一番堪える。
"なんで、こんな北の果てで暮らすことになっちまったんだろう…"
冬が来るたびに思う。
一年の半分以上は冬である。この国で生まれ育った民でさえ、もういいかげん冬終われ…と思うほど長い。

太陽の光がないと、時間の感覚も心身の状態もおかしくなってくる。
そのせいでこの国では冬季うつ病になる人も多い。
その予防のためにもビタミンDの摂取が勧められているし、朝起きてから太陽の代わりのブライトライトという、電気スタンドの光のようなものを浴びることも良いとされている。これをピカーッと顔に浴びると、目が覚めるとか、やる気が出るとか言われているけれど、我が家では使っていない。
だからか冬はいつにもまして朝起きられないし、午後もすぐ眠たくなってくる…。
まぁもともと私は朝が苦手で、家族の中でも一番遅く起きるというダメ主婦なんですが…。逆に夫は年のせいか無駄に早起きになってしまい、朝食の用意をするのも息子を学校へ送り出すのも夫の役目になっている。
息子も登校し、夫はあいかわらずリモートワークなので朝のオンラインミーティングが始まった頃に、やっと私はノロノロ起き出す。
それでも起きられない時は、夫にカーテンをシャーッと開けられ窓も全開にされ、いつまで寝てる!よくそんなにずっと寝てられるな…と飽きれられ、起こされる。




ああ、ぬくぬくと布団に包まって、ずっとずーっと眠ってたい。
愛猫がいた頃は、休みの日などは一日中、猫と一体となって眠っていることもあった。
私は何時間でも眠り続けられる。


いっそこのまま、私も春が来るまで冬眠したい。

どうして人間は冬眠しないのだろうか。





と思っていたら、実際に冬眠状態になっていた人がいました。



ほんとにこんなことって、あるんですね…。


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