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マーケティングの本

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#UX

アンダーマイニング(報酬とやる気):行動経済学とデザイン04

「お金じゃなく、やりたいからやってるだけ。」 今回は報酬(お金など)と動機(やる気やモチベーション)についてのことです。僕が尊敬してやまない佐藤雅彦さんとその仲間でつくった『ヘンテコノミクス』は行動経済学をマンガにした本ですが、その1つにアンダーマイニング効果のことが書かれています。 行動経済学まんが ヘンテコノミクス 佐藤雅彦 + 菅俊一 + 高橋秀明 マガジンハウス 2017.11 こんなお話です。 壁に落書きをするいたずら坊主たちは、怒鳴られても懲りなく落書きを

肉厚なバリュープロポジションキャンバスを書くには - ニーズに合った価値を提案する

フレームワークの説明記事は多くあるのに、それを使ってどう思考しているのかを語る記事が少ないと思い、前回リーンキャンバスの記事を書いたところたくさんスキを頂いたので、調子に乗って続編を書きます。 今日は私が好きなバリュープロポジションキャンバス編です。以下、バリュープロポジションキャンバスをVPCと略します。 30秒で分かるVPC(VPCを知ってる人はスキップ👇)私はVPCはプロダクト開発の三種の神器だと思っているのですが、知名度が少し低めでもあるので、そもそもVPCとは?

UXリサーチで気をつけたい7つの認知バイアス | UI/UX Journal Vol.18

2ヶ月ほど前から、Google UX Design CertificateというGoogleが提供しているUXデザインのオンラインコースを受講しています(コースについては以下のnoteにまとめています)。 2ヶ月ほど続けてみて、学ぶことがとても多いのですが、その中でもとくに「Identify types of bias in UX research(UXリサーチにおけるバイアスを認識する)」というトピックが気になったので、復習を兼ねて&少し深ぼってまとめてみたいと思います。

UXライターの仕事は「言葉でプロダクトに命を吹き込むこと」

昨日2/4、SlackのUXライターであるアンドリュー・シュミットさんが登壇するセッションに参加しました。 (写真の画質が絶望的ですみません) 参加したきっかけは、こちらの記事です。 先月末に行われたDesign Matters Tokyoでのアンドリューさんのセッションのレポートなのですが、わたしが知る限りインターネット上にあるUXライティングに関する日本語のドキュメントの中で最も価値のあるものなのではないかと思っています。それぐらいこれを読んだ瞬間興奮しました。これ

NetflixはUI/UXの改善に機械学習をどのように使っているのか?

ドラマや映画を視聴する上で、専らテレビではなく動画配信サービスを使っているという方も増えてきているでしょう。その普及度は非常に高く、2020年には国内市場規模が2600億円にまで拡大すると予測されています。 中でも独自コンテンツに強みを持つのが、2015年に日本へ上陸したアメリカのサービスNetflixです。2019年度だけでもおよそ1兆円(!)もの予算を自社制作のオリジナルコンテンツに投入しており、従来の映画やドラマの配信サービスを超えた規模感を持っていることが伺えます。

Spotifyはプレイリストにどう機械学習を活用しているのか?

音楽配信サービス最大手のSpotify。2019年6月末時点での月間アクティブユーザー数は有料/無料を合わせ全世界で2億3千万人余り、有料ユーザーだけでも1億人超と他を大きく引き離す勢いです。複数のポッドキャスト企業、過去には競合の音楽配信サービスの買収も試みるなど、『音楽のストリーミング』に関わるあらゆるリソースを確保し続ける巨人でもあります。 さて先日記事を公開したNetflix同様、こうしたコンテンツ配信サービスにおいて開発元が日々改善に改善を重ねているのが『おすすめ

エンダウド・プログレス効果(進むとやる気がでる):行動経済学とデザイン40

案ずるより産むが易し。とにかく何かやってみた方が物事も進むし、やる気も出てくる、ということについて考えてみます。 まずはこちらの本から 行動経済学まんが ヘンテコノミクス 佐藤雅彦、菅俊一(原作)、高橋秀明(画) マガジンハウス 2017.11 上昇選好この本でのお話は、リスが働く会社で、毎日おなじ給料(どんぐり)がもらえるよりも、はじめは少なくても毎日1個ずつ増える方が生産性が上がった、というものです。 人は「だんだん良くなる方を好む」という傾向を上昇選好といいます

ClubhouseをUXデザイナーが分析してみる

こんにちは!のだかつきです。今日は、サービスの分析記事です。今大流行しているClubhouseを分析してみました! Clubhouseとは、ありそうでなかったコミュニティサービスClubhouseは、公式の定義によると Clubhouse is a new type of social network based on voice—where people around the world come together to talk, listen and learn f

中上級者向けのサービスグロースガイド① ~指標設定の極意~

これから3回のシリーズに分けて、サービスグロースにおいて中上級者が意外と見落としがちな3つの重要なテーマについて書いていこうと思います。 第一回目は「グロース指標の設定」について。 グロース指標の概念グロース指標とは、KGIやKPIなど、サービスを伸ばすための指針として設定する数値のことです。Metrics(メトリクス)とも呼ばれます。 Metrics選定は、グロースのセンスが問われる実は非常に奥が深いテーマです。 グロースに携わっていたら、次の言葉をおそらく一度は聞

変わらないファッションは消費者との約束(私たちはユニクロと内緒の約束をしている)

ツモリチサトやネネットなど10-15年ほど前に流行ったブランドが終了するというニュースが、最近多い。 一方で、この期間で力を大きく伸ばしたのはユニクロ。 2015年に「ユニクロでよくない?」の雑誌記事が出てからから、早5年。 もはや「ユニクロがいい」という立ち位置、おしゃれブランドの位置づけになっている。 ユニクロが大きく力を伸ばした理由にはいくつか答えがあるだろうが、 ブランドと消費者との暗黙の約束に話を絞って考えてみたい。 答えだけを先にいうと、提供する商品を変えて

ペルソナを拒絶されたあなたへ

あのとき僕らは若かった。 ペルソナを作ればチームとプロダクトがもっと良くなると信じて、長大な調査計画を立てて、事業部長に拒絶されたよね。 その後、いくつものUXプロジェクトに関わったけど、ペルソナがきちんと機能したプロジェクトは数えるほどしかなかった。 そう、ペルソナを作成し、チームに根付かせるのは難しい。 ペルソナ法とははじめから万人受けを狙ったモノよりも、誰か一人のために作られたモノのほうが、魅力あるサービスが作れると言われている。 例えば、100人をターゲットに

「そのペルソナ、何のために作るの?」 図解・ペルソナ4つの大分類

さまざまな事業やプロジェクトにおいて「ペルソナ」を利用する機会が増えてきたように感じます、 しかし一口にペルソナといっても、利用目的が広いため、「なんのためのペルソナなのか?」が理解されていない例を良く拝見します。 今回はペルソナを作り出す前に確認してほしい、ペルソナの大きな4つの分類についてお話したいと思います。 4種類のペルソナペルソナは大きく分けて以下の四象限に分けられます。 縦軸:[起点] 何を起点として作りはじめるか? 横軸:[フェーズ] どれだけ事実に近

音声サービスを様々な観点から比較してみた。 - stand.fm/REC/Voicy/Radiotalk/Spoon

最近、音声サービスを利用してラジオ配信をしている人が急激に増えている印象を受けます。また、音声サービスも次々と出てきて音声コンテンツ市場が盛り上がっています。 そこで、4月から音声サービスに携わる身として、簡単に様々な観点から比較してみました。(ボリューミーなので興味ある部分だけご覧ください!) ⚠️ 注釈 ※ 間違えている部分があればご指摘お願いいたしますm(_ _)m ※ 数回収録したのみで、継続的に配信はできていないため、配信し続ける上でのモチベーションコントロール

サービス改善の成功率を8倍まで引き上げるユーザーテストの作法

前回記事で本質的なUX改善によってプロダクトを伸ばしていくサイクルについて書きましたが、今回はその中でも特に重要なユーザーテストについて書こうと思います。 UX改善による本質的グロースハックのプロセス グロースハックは10回の施策で1回でも当たれば良い、とよく言われますが、自分はグロースハックのサイクルの中でユーザーテストを実施するようにしてから10回に8回は狙ったとおりに数値を改善することができるようになりました。 本記事ではグロースハックにおいて何故そこまでユーザー