見出し画像

【読書記録】スティル・ライフ/池澤夏樹

しなやかな感性と端正な成熟が生み出した唯一無二の世界。

生きることにほんの少し惑うとき、

何度でもひもときたい永遠の青春小説。

芥川賞受賞作品

https://amzn.asia/d/03YuUT0O

感想

佐々井との不思議な会話に引き込まれていきました。
冒頭の言葉が印象的でした。
「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。世界ときみは、二本の木が並んで立つように、どちらも寄りかかることなく、それぞれまっすぐ立っている。きみは自分のそばに世界という立派な木があることを知っている。」
星野道夫さんの書籍を読んで「自分とは遠い場所にある自然」を感じて、それと近しい感覚を覚えました。
自分の目から見えているものだけが世界ではなく、外にはもっともっと広くて、深い世界が広がっている。
そんなことを考えました。
「言われてみればそうだよね」と思うけれど、日々を過ごしていると、それがなかなか思いつかないものです。
本を読むことで、世界を広く見れる感じがします。
そして、それが少しずつ心にゆとりを生んでいく実感があります。
本を読むのはどこにも移動していないのに、いろんな世界を空からみたり、中からみたり、不思議なものです。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?