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「全国最中図鑑」51 雪ぼうし(北海道江差町)

北海道の代表的な港町・江差で、江戸時代から菓子屋を営んできた五勝手屋。この珍しい店名は、当地にヒノキの伐り出しにきていた南部藩が、五花手ごかって地区で豆の栽培に成功し、店の祖先がその豆で菓子を作ったことから名づけられたという。ちなみに五花手という言葉は、アイヌ語で「コカイテ」、波の砕ける場所、という意味だそうである。
その五勝手屋が、冬季のみ限定で販売しているのが「雪ぼうし」。立体的な雪だるま型のモナカで、頭にバケツの雪ぼうしをちょこんと乗せたフォルムが実に愛らしくて、食べるのがためらわれるほど。
焦がし皮と白皮の二種類があり、焦がし皮にはねっとりとしたなめらかな小豆こしあん、白皮には風味豊かな大福豆の白粒あんが入っている。
頭からかじるか、胴体から食べるか、ちょっと悩んだりしながら、冬の夜のおやつタイムをお楽しみあれ。

五勝手屋本舗
北海道檜山郡江差町字本町38

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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