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「全国最中図鑑」48 とまやの最中(大分県杵築市)


大分県北東部の国東半島の南端にある杵築市は、江戸時代の風情が色濃く残る城下町である。この町の代表的な商家である苫屋とまやは、享保年間(1716〜1736年)に創業した老舗のお茶屋で、お茶一筋に営業を続けること約280年、現在の当主は10代目になる。
白壁瓦ぶき・純木造入母屋造りの本店の建物は明治8(1875)年築で、平成30年に杵築市で初めて国の指定登録有形文化財に指定されている。
その苫屋が、家業のお茶に合う和菓子として作ったのが「とまやの最中」。屋号の苫屋の由来から、草葺き屋根の小さな家を型取っている。もち米を原料として香ばしさを活かした焦がし種に、国産の小豆をつぶしたあんをぎっしり詰めている。
パリッとした香ばしい皮に、甘すぎないすっきりとした味わいのつぶあんが、どっしりとした見かけによらず後味爽やかで、緑茶にとてもよく合う最中だ。

お茶のとまや
杵築市杵築新町385

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。

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