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「全国最中図鑑」84 元祖 牡蠣最中 (北海道厚岸町)

釧路の東にある厚岸町は、アイヌ語で「牡蠣の多いところ」という意味の「アッケケシ」が地名の由来だそうで、その名のとおり牡蠣の名産地である。
牡蠣の採れる厚岸湖は、山の養分を含んだ別寒辺牛川べつかんべうしがわの淡水と厚岸湾の太平洋の海水が混ざり合う汽水湖。植物性プランクトンが豊富で、牡蠣はその栄養をたっぷり吸収して育つ。また厚岸は水温が低く通年温度変化が少ないので、牡蠣は長い時間をかけて栄養を蓄え、大きく身もふっくらとし、濃厚な旨味と甘味がある。一般的に牡蠣は水温が高くなると生食はできなくなるが、厚岸は一年を通して水温が低いため一年中食べられるのも特徴である。
そんな郷土の名産・牡蠣の姿をそのまま模った『厚岸銘菓 元祖 牡蠣最中』を販売しているのが、地元の和菓子店、あら川菓子司。大きさは大小2種類あり、大は大人の男性の手のひらサイズというかなりの大きさ。どちらもたっぷりのあんと求肥の餅入りで、どっしりとした量感がある。皮が茶色とピンク色の2種類あり、茶色は小豆あん入り、ピンクには味噌白あんと牡蠣のエキス入り。かじるとほのかに磯の香りがする、ちょっと珍しい味のもなかだ。

元祖牡蠣最中

あら川菓子司
厚岸郡厚岸町真栄1丁目314


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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。


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