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「全国最中図鑑」64 羽二重もなか(福井県福井市)

福井県の人に郷土の代表的な和菓子は? と尋ねると、ほとんどの人が「羽二重餅」と答える。羽二重餅とは、餅粉を蒸して砂糖と水飴を加えて練り上げた、牛皮によく似た菓子である。
福井藩では、江戸時代から高級織物「羽二重」の生産が盛んで、日本一の生産量を誇っていた。明治30年代に、この羽二重の色合い、風合いをそのまま和菓子に取り込んだ「羽二重餅」を考案し、売り出したのが、老舗の和菓子屋「松岡軒」。「羽二重もなか」はその松岡軒が、看板商品の羽二重餅と、甘さを控えたこしあんを詰めて作ったもなかだ。
愛らしいまゆ玉の形をした焦がし皮に、やわらかく滑らかな羽二重餅と口溶けの良いこしあんが絶妙にマッチし、とてもやさしい風味豊かな味になっている。

松岡軒
福井市中央3-5-19

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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。

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