k_monou/桃生和成

1982年仙台市生まれ/(一社)グラニーリデト代表理事/つれづれ団団長/東北文化学園大…

k_monou/桃生和成

1982年仙台市生まれ/(一社)グラニーリデト代表理事/つれづれ団団長/東北文化学園大学非常勤講師/東北復興文庫/THE6/tsumiki/スキマ百貨店/旅と本とおやつとetc/日々の生活にユーモアと寛容さとおおらかさを。遊び心を忘れずに。今年のテーマは、遊びと余白と余裕。

最近の記事

「混ぜてください」の前に

「いつもおもしろそうなことやってますね。混ぜてください。」と声をかけていただくことがある。こちらがやっていることをおもしろそうと受け止めてくれるのはうれしい。自分が勝手におもしろいと思っているだけで、他人がどう感じるているかはよくわからないのでそういった反応があること自体もおもしろい。 問題はその次にもれなく付いてくる「混ぜてくだい」の一言。本人に悪気はないし、自然と口から出てきた言葉だと思うが、正直返答に困る。自分ではあまり使わない言葉なので、その真意もよくわからない。

    • 「夜と本」を終えて

      仙台市青葉区春日町にあるカフェSENDAI KOFFEEにて「夜と本」を開催した。オーナーの田村さんにお願いをして夜の時間にカフェを開けてもらい、自分たちの好きな古本や古雑誌を持ち込んで空間のあちこちに本を並べる。来店して頂いた方は通常通りカフェのメニューを頼んで、あとはゆっくり本を読む。もちろん気になった本はその場で購入することもできる。 企画を思いついたのは開催の2ヶ月前ぐらいだ。A4用紙1枚に簡単なテキストとイメージ写真を添えて田村さんにお話した。SENDAI KOF

      • cafedit space presnts 夜と本

        週末が始まる金曜日の夜。 仕事が終わっていつもまっすぐ帰宅するけど、 今日は何だか寄り道して帰りたい気分だ。 たまには本に囲まれた空間と熱々の珈琲を飲みながら 誰かと談笑したり、読書にふけったり。 ちょっとだけ贅沢な夜の時間を過ごしたい。 「夜と本」は、春日町にSENDAI KOFFEEの夜営業に 大量の本を持ち込んで、 夜のカフェをより一層楽しんでいただく時間です。 通常通りドリンクを楽しめますし、 本は購入することも可能です。 レコード、雑貨、焼菓子などもご用意します

        • シェアスタッフのおもしろい仕事

          ここ数年でコワーキングスペースが全国的な広がりを見せている。働き方の変化、スペースのシェアによるコストの削減、新しいビジネスチャンスとコミュニティの形成・・・。目的や狙いによってコワーキングスペースの性質は異なるが、コミュニティマネジャーなる肩書の方を配置して、スペースのコミュニティを活性化させることを意図している施設も多い。単なるシェアオフィスではなく意思を持って、人・モノ・お金・情報を循環させようとしている。そこで市民活動の拠点施設に勤務経験があり、現在もコワーキングスペ

        「混ぜてください」の前に

          ボーダーの日/勝手記念日を設定する

          11月11日は、ボーダーの日。記念日を勝手に設定することで何かおもしろことができないか。2008年から活動を続ける謎の集団つれづれ団から生まれた企画である。 棒が4本並ぶ11月11日をボーダーの日として制定し、その日は一日ボーダーで過ごす。まちで素敵なボーダーの着こなしの方を見かけたら「ナイスボーダー!」と声をかけて褒め称える。SNS上ではハッシュタグを活用してボーダーを使ったスタイリングやまちなかにあるボーダー的オブジェを投稿して盛り上がる。夜には「ボーダーレスボーダーナ

          ボーダーの日/勝手記念日を設定する

          書籍「復興から学ぶ市民参加型のまちづくりIII―コミュニティ・プレイスとパートナーシップ」に寄稿しました

          2021年10月22日、創成社より「復興から学ぶ市民参加型のまちづくりIII―コミュニティ・プレイスとパートナーシップ」が発行されました。まちづくりにおける協働・共創の拠点となる施設のあり方や地方自治体との連携の重要性について事例をもとにまとめています。 私は、第3章「プレハブ工法による拠点形成と連携による地域人材の育成」を担当しました。宮城県利府郡利府町にあるインキュベーション施設「利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumiki」の開館までプロセスについてまとめま

          書籍「復興から学ぶ市民参加型のまちづくりIII―コミュニティ・プレイスとパートナーシップ」に寄稿しました

          手探りしよう

          盛岡市の関係人口を増やすための事業「盛岡という星で」に、3年前から関わっている。盛岡をひとつの星に例えて、今まで異なる視点から盛岡を捉えるという取り組みだ。SNSを使って盛岡の魅力を市外・県外に発信し、大きな反響をよんでいる。その中で、私は「もりほしコネクター」として、市内外のひと・こと・ものつなぐハブのような役割を果たしている。主にBASE STATIONと呼ばれる商業施設の地下1階にできた拠点でさまざまなイベントを企画し、盛岡の新しいコンテンツづくりや交流を促している。

          あまりにも熱心なファンがつくり手を苦しめる

          とある小物づくりをする作家が制作を辞めて、拠点を他県に移した。制作を辞めた理由は、あまりに作品の人気が出すぎて需要に応えられなくなくなったのが主な理由だ。そもそも作家活動をはじめたのは、自分がつくったものを純粋に喜んでくれる人が周りにいることがうれしかったから。喜んでくれる人がいると思うとつくり手側もがんばって作品をつくる。それを繰り返すうちに活動が広がり、より多くの人が作家の作品を求めるようになる。自分の作品を喜んで人が増えるとその期待に応えようとして、ますます商品づくりに

          あまりにも熱心なファンがつくり手を苦しめる

          書籍「復興から学ぶ市民参加型のまちづくり―中間支援とネットワーキング―」に寄稿しました

          2018年12月26日、創成社より「復興から学ぶ市民参加型のまちづくり―中間支援とネットワーキング―」が発行されました。東日本大震災からの復興過程において重要な役割を果たした「市民」「協働」「中間支援」という視点から今後の復興まちづくりの参考になるポイントを事例を交えながら紹介しています。 全6章で構成される本書にて、私は、第2章「震災時の市民活動・NPO支援センターの役割とネットワーキング」を担当しました。前職の多賀城市市民活動サポートセンターで経験した多賀城市内の復興に

          書籍「復興から学ぶ市民参加型のまちづくり―中間支援とネットワーキング―」に寄稿しました

          意味のないところから意味が生まれる

          とある平日の夜、知り合いのプロデューサーを自宅に招いてぐだぐだとしゃべっていた。最近あったおもしろいこと、共通の友人の近況、閉店したお店の情報など他愛のない話ばかりが続いた。普段の会話の90%ぐらいはどうでもよい話をしている。どうでもよい話ばかりをしていると生産性がないように思われがちだが、そんなこともない。雑談の中からおもしろいアイディアのタネがポロッと出てくる時がある。 その後も二人の会話は続き、1冊の本を手づくりしようという話になった。お金をかけずにとりあえず1冊つく

          意味のないところから意味が生まれる

          小学生が考える環境を破壊するキャラクター

          「ワケナイキャラクター図鑑」は、小学生6名と数名の大人たちが大量の雑がみを使って制作した、環境を破壊する悪者キャラクターたちをまとめた冊子だ。 「ワケナイキャラクター図鑑」の発端は、仙台市の環境局が主催する夏休みの小学生を対象としたワークショップである。プログラムを通して環境問題に関心を持ってもらうことが狙いだ。 環境に関するワークショップは、だいたい環境問題の現状を知り、自分たちができることを考える啓発の意味を含んだプログラムを組みがちだが、大人の押し付けのような行儀の

          小学生が考える環境を破壊するキャラクター

          枝元なほみさんのインタビュー記事を読んで

          北欧、暮らしの道具店のウェブサイトに料理研究家の枝元なほみさんのインタビュー記事「あの人の生き方」が掲載された。記事を読んでとても考え方が似ている部分があった。もちろん枝元さんとはこれまで培った経験、実績、スキル、ノウハウ、ネットワーク全てにおいて遠く及ばないが、記事の中で出てくる短くも力強いフレーズにとても共感する。 例えば、何か新しいことをはじめるときに枝元さんはあまり計画を立てない。ほとんどの物事が計画どおりにいかないことを知っている。やりながらどうしたらうまくいくか

          枝元なほみさんのインタビュー記事を読んで

          枝元なほみさんに学ぶ

          料理研究家の枝元なほみさんとのお付き合いは、2016年に遡る。当時、宮城県利府町にできた公共施設、利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumikiのオープニングイベントとして枝元さんが関わる震災関連のプロジェクトのマーケットを開催したことでご縁が生まれた。私が代表を務める法人は、利府町からの業務を受託し、私自身はtsumikiのディレクターとして施設の運営やイベント等の企画に携わっていた。ちなみにマーケットの当日は私がアシスタントとして枝元さんのトークと料理のデモンスト

          枝元なほみさんに学ぶ

          「何かいっしょにやりましょう」の罠

          ちょっと変わったことをしていると知り合いや初めて合う方から「今度、何かいっしょにやりましょう」とお声がけいただくことがある。その場の雰囲気やイベント中で気が回らず「ぜひぜひ」と笑顔で返答してしまう。目の前にいる相手からの「何かいっしょにやりましょう」を真に受けてこの人と何かできないものか、一瞬だけ考えを巡らしてしまう。次の日に、そのときの自分の対応を思い出してうんざりしてしまう。 「何かいっしょにやりましょう」とお声がけいただいたその後、実際に形になることはほとんどない。そ

          「何かいっしょにやりましょう」の罠

          スッと立つ

          ここ2、3年はコロナ禍にも関わらず時間さえあればこっそり遠出をしていろんな町に足を運んだ。ずっと仙台・宮城にいると考えも行き詰まるのでリフレッシュするのに最適だ。誰もが知り合いのいない町でごはん屋、古着屋、古道具屋、雑貨屋、(古)本屋などを巡ると最高のインプットになる。 そんな中でおもしろい動きが生まれている町がいくつかある。寂れた飲み屋街や何もない平凡な土地にある小さなお店がポンっとできて、そのお店を中心に人が集まり出しポツポツとまた新しい個性的なお店ができる。数年経つと

          余白のあるものづくりワークショップ

          先月、ブランチ仙台の月一回のイベントツギゴトデキゴト.を開催した。仙台の長命ヶ丘と桜ヶ丘にまたがる商業施設ブランチ仙台は、2019年の開館以来、落語、パフォーマンス、パンフレットづくり、スクール、アートの展示、映画上映などさまざまな企画を一緒に作ってきた。 今年度は春から月一回のイベントを実施し、謎解き、ピクニック、古着入門講座などさまざまな形で来館者に楽しんでもらった。 先月は布小物づくりを得意とするHello Helloさんにご協力いただきワークショップを行った。Hel

          余白のあるものづくりワークショップ