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余白のあるものづくりワークショップ

先月、ブランチ仙台の月一回のイベントツギゴトデキゴト.を開催した。仙台の長命ヶ丘と桜ヶ丘にまたがる商業施設ブランチ仙台は、2019年の開館以来、落語、パフォーマンス、パンフレットづくり、スクール、アートの展示、映画上映などさまざまな企画を一緒に作ってきた。 今年度は春から月一回のイベントを実施し、謎解き、ピクニック、古着入門講座などさまざまな形で来館者に楽しんでもらった。

先月は布小物づくりを得意とするHello Helloさんにご協力いただきワークショップを行った。Hello Helloさんに用意してもらった布のハギレ、ダンボール、紐、まつぼっくりなどを中央のテーブルに配置して参加者は好きなものを選んで家の装飾品をその場で作るという内容だ。

会場の真ん中に材料を置くレイアウト

何を作っても自由だが、中にはイメージが湧かない人もいるのでHello Helloさんが作ったサンプルも参考まで展示した。 ものづくり系のワークショップと聞くと首飾りなら首飾り、貯金箱だったら貯金箱と、どうしても作るのが先に決まっているパターンが多い。特に商業施設で実施するワークショップは時間潰しという意味合いもあるので数分で簡単に作れるものに偏ってしまう。事情はよくわかるので頭ごなしに否定はできないが、作るのが最初から決まっているとそれはもはやワークショップではなく単なる工作教室になってしまう。もう少し参加者に考える余地のあるワークショップがあっても良いのではないだろうか。

参加者は参加費を払えば自由に材料を使える

先月実施したワークショップでは、Hello Helloさんに「講師」ではなく「お手伝い」という肩書きで関わってもらった。作りたいものは参加者が考え、技術的にわからないことをお手伝いさんに聞くというスタイルだ。ゴールを示すのではなく参加者自ら設定したゴールを向かうためのノウハウを少しだけ伝授する。 参加者の中には戸惑う方もいたが、素材選びの後に手を動かすとあとは集中して作品に向かう。30分から1時間かけて作っていく方もいた。完成して「お家に飾ります。ありがとうございました。」と言ったその顔はとても満足そうだった。 「手取り足取りなんでも教えます」「簡単にすぐできます」のものづくりワークショップも、悪くはないが、もう少しプログラムも作り側も工夫したいところである。

大人よりも子どもの方が手を動かす

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