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シャアは極左:4(最終回)

前回の続き。 「こんなもここらで男にならんと、もう舞台は回ってこんど」手駒がなくなったシャア、自ら動く。 ザビ家への復讐から、理想的な社会への変革を目指した青年…

MARNIHEISH
5年前
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シャアは極左:3

前回の続き。 「ニュータイプに指導者は二人もいりゃせんのじゃ」シャア扮するクワトロ・バジーナ、出自を偽り、ニュータイプの革新の為、エウーゴを利用して大いに暗躍す…

MARNIHEISH
5年前
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シャアは極左:2

前回の続き。 「ウチがミス・ジオンになるんね」そもそも、機動戦士ガンダムは、父を暗殺されたシャアの復讐劇なんだ。 本名はキャスバル・レム・ダイクン。掃除機みたい…

MARNIHEISH
5年前
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シャアは極左:1

「そがな昔の事、誰が知るかい」政治思想の世界において「赤」は社会主義・共産主義の色と相場が決まっている。 中国も、ソ連も、ベトナムも国旗の色は赤。日本共産党の機…

MARNIHEISH
5年前
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レントンと、レントンに憧れた愚かな少年の20年。

 4月8日の公開から3週間。  3回も観てしまった。別に複雑なストーリーじゃない。伏線らしきものもない。1度見れば充分だ。それでも何度も足を運んでしまう。理由は色々…

MARNIHEISH
7年前
16

続・フットボールにおけるダービーとは何か。

 余談。  トレインスポッティングの続編、20年後を描いた「T2」が公開された。現代のスコットランドだ。あのどん底だった20年前から何が変わったか。  この国は、EU加…

MARNIHEISH
7年前

フットボールにおけるダービーとは何か。

 フットボールは紛れもなくスポーツという文化だ。けれどもフットボールの応援もまた、スポーツではないものの、一つの文化であると、おれは思っている。スポーツではない…

MARNIHEISH
7年前
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He ain't got nothing at all.

 かのアンディ・ウォーホルが見出したことで伝説となったNYのロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。退廃的なサウンドとタブーに切り込む歌詞は、後世に大き…

MARNIHEISH
8年前
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シャアは極左:4(最終回)

前回の続き。

「こんなもここらで男にならんと、もう舞台は回ってこんど」手駒がなくなったシャア、自ら動く。

ザビ家への復讐から、理想的な社会への変革を目指した青年期を経て、政治的、平和的手段による人類の改革は不可能であると悟ったシャア。彼の導き出した、たった一つのシンプルな結論とは……

「小惑星を地球に落として人類が地球に住めなくなればの、みーんな宇宙の民となって新たな可能性が開けるんじゃけえ

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シャアは極左:3

前回の続き。

「ニュータイプに指導者は二人もいりゃせんのじゃ」シャア扮するクワトロ・バジーナ、出自を偽り、ニュータイプの革新の為、エウーゴを利用して大いに暗躍する。…となれば良かった訳だけど、現実はそう甘くないんだな。

そもそも、シャアの標榜するジオニズムとは、ニュータイプによる人類の革新を目指す思想だ。これは、新しい価値観・適応力を身につけた人間が人類をより良く導き、地球圏に意識も肉体も囚わ

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シャアは極左:2

前回の続き。

「ウチがミス・ジオンになるんね」そもそも、機動戦士ガンダムは、父を暗殺されたシャアの復讐劇なんだ。

本名はキャスバル・レム・ダイクン。掃除機みたいな強そうな名前だ。

キャスバルはまずは偽の戸籍、つまりシャア・アズナブルに成りすまして、士官学校に入学する。そこでザビ家4男のガルマに近づき、親友となってザビ家の知己を得る。他人になりすまして権力者と仲良くなる?果たしてそんな事が?ま

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シャアは極左:1

「そがな昔の事、誰が知るかい」政治思想の世界において「赤」は社会主義・共産主義の色と相場が決まっている。

中国も、ソ連も、ベトナムも国旗の色は赤。日本共産党の機関誌は「赤旗」。フランス革命で「赤旗」がシンボルとして使用された事が由来だと言われており、その意味は、肌の色を問わず全人類の血は赤である、という事。反共組織であったナチスにも赤色が使われていたけれども、彼らも国家社会主義という名の社会主義

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レントンと、レントンに憧れた愚かな少年の20年。

 4月8日の公開から3週間。

 3回も観てしまった。別に複雑なストーリーじゃない。伏線らしきものもない。1度見れば充分だ。それでも何度も足を運んでしまう。理由は色々あるが、ただ単に「思い入れ」という言葉で片づけてしまってもいいだろう。

「T2 トレインスポッティング」

 1996年に公開されたトレインスポッティングの続編。20年後のストーリーだ。確かこの映画を初めて見たのは18歳だったから、

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続・フットボールにおけるダービーとは何か。

 余談。

 トレインスポッティングの続編、20年後を描いた「T2」が公開された。現代のスコットランドだ。あのどん底だった20年前から何が変わったか。

 この国は、EU加盟によって景気が上向いていた。街には最新型の路面電車が走り、垢抜けてきれいになった。

 そしてパブにはユニオンジャックの旗が飾られている。つまり、EUであるイギリスを受け入れている(その後、離脱が決議されたが……)。レントンは

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フットボールにおけるダービーとは何か。

 フットボールは紛れもなくスポーツという文化だ。けれどもフットボールの応援もまた、スポーツではないものの、一つの文化であると、おれは思っている。スポーツではないと書いたのは、それが競技ではないからだ。

「フットボールの応援が文化である」という考え方は、日本ではそれほど根付いていない。そもそもフットボールとは別物だという認識もない。文化というのは、つまるところ歴史の積み重ねだ。だから、少なくとも応

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He ain't got nothing at all.

 かのアンディ・ウォーホルが見出したことで伝説となったNYのロックバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。退廃的なサウンドとタブーに切り込む歌詞は、後世に大きな影響を残した。

 基本的にヴェルヴェッツはフロントマンであるルー・リードのバンドであったと言える。それに対抗できる個性と感性の持ち主がベーシストでヴィオラ演奏者のジョン・ケイル。二人の激しい個性のぶつかり合いが、初期のヴェルヴェッツの

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