【ルーツ探しの愉しみ🌺】特別な体験が出来る奈良の宿(後編)~椿の花咲く頃
▼古代日本の中心地
さて、宿のご主人のガイドツアーはまだ続きます。昔、村屋神社のあたりがどんな場所だったのか、当時のメモを元にご紹介します(もしどこかに勘違いがあったらすみません😅)。
宿を出てすぐの細い道路は、伊勢街道。東にまっすぐ行くと、三重県の伊勢神宮あたりに着くそうです。
この近くにある笠縫邑は、『日本書紀』に記載された第一の元伊勢だとか。伊勢神宮の神様は、もともとこの辺りにお住まいだったんですね。
しばらく歩くと、川に出ました。大和川の上流にあたる初瀬川です。左側に三輪山が見えます。ふもとに大神神社があるわけですが、確かにこの距離なら自転車でも行けそう。
宿のご主人と宮司さんによると、昔、このあたりの様子はこんな感じだったようです。
なるほど、肥沃な土地で水運が盛んだったんですね。藤原宮跡がすぐ近くにあることもあり、このあたりは古代日本の中心地だったようです。
▼桃の流れる川と「桃太郎」伝説
昨年ガイドツアーに参加したときの話も面白かったのですが、今年はバージョンアップして、「桃太郎」伝説の話が追加されていました。一般的に岡山が起源とされる「桃太郎」ですが、実は、本当の舞台はここ奈良の初瀬川なんだとか😆
以前、纏向遺跡で、古代の桃の種10万個が見つかった話を覚えていらっしゃる方もいるでしょう。昔、藤原京のまわりにはたくさんの桃が植えられていて、初瀬川にもプカプカと浮かんでいたそうな。そしてある日、大きな出来事が起きたのです……。
お話の続きを知りたい方は、ぜひマルト醤油に泊まって、村屋神社へのガイドツアーに参加してくださいね✨
▼醤油づくりと椿の意外な関係
ところで、村屋神社のまわりには、太古からの原生林があり、その中に椿の群生があります。実は、椿と醤油づくりには深い関係があるそうです。
醤油づくりに欠かせない麹をつくるために、昔、「椿の葉を燃やした灰」が使われていたのだとか。椿の灰を麹のもと(?)にかけると、うまく発酵してきれいな緑色になるのだそうで、ほかの植物ではダメなんだそうです。
もしかすると、ここに椿の群生があったことが、この地で醤油づくりが盛んになった理由の1つかもしれません。
マルト醤油とは関係ありませんが、私のペンネームである「椿」が、意外にも私の先祖の家業(醤油づくり)に関係していることがわかって、へえ~と思いました😮
▼いつか村屋神社で巫女体験を✨
もう1つ、村屋神社のお話を。古来、この地では芸能文化(猿楽・伎楽・舞楽など)が栄え、芸能のふるさととも呼ばれていたそうで、お祭りでは華やかな神楽が奉納されます。
そしてなんと、この神社では一般の人が「神楽巫女」の体験ができるんです。ホームページによると、「巫女の衣装を着用して、古くから伝わる独自の神楽を体験。最後に神様に神楽を奉納していただきます」とのこと。
しかも年齢不問で、中高年で参加する人もいるそうなので、私もそのうち参加して、憧れの巫女さんになってみようとひそかに考えています😆
↑よく見ると、御朱印がすごくカラフルで豪華です!!
▼弥生時代の遺跡もある
ちなみに、この近くには、弥生時代の環濠集落の遺跡「唐古・鍵遺跡」と、その資料館もあります。いや~、見どころがいっぱいです!
▼宿に戻って朝ごはん
朝参りから帰ると、充実した朝ごはんが待っていました。醤油のおいしさが存分に味わえる、卵かけご飯を召し上がれ😋
(写真は、今年3月のものです)
あぁ美味しかった!
もうこれで私は十分満足でしたが、実は東京に帰ったあと、もう1つのお楽しみがあったので、最後にご紹介します。
▼クラウドファンディングで得たもの
私が初めてマルト醤油に泊まってから半年ほどしたころ、1通の手紙が届きました。
ようやく醤油の一般販売のめどが立ち、2022年に「大和一雫(やまとひとしずく)」という銘柄で復活を遂げることになったというご案内でした。
しかも、おそらく宿泊客向けだと思うのですが、一足先に貴重な醤油を手に入れられる、クラウドファンディングを行うとのこと。
豊富なラインナップの中には「約67リットルの醤油樽」もありましたが、さすがにそれは食べきれないので😅、私は「Vintage醤油3本セット」(税込10,500円)を申し込みました。2018~2020年に醸造された醤油の3本セットです。
そして今年2月下旬、私の手元に、貴重な3本の醤油が届きました。
さっそくお餅を焼いて、3種類の醤油をつけていただきます。
どれがどの年度の醤油か、わかりますか?
答えは、右下が2018年、右上が2019年、左が2020年です。右下が一番色が濃いので、すぐにわかったかもしれませんね😆
「地元産原材料と天然醸造製法にこだわり丁寧に作られたお醤油」ということで、それはもう味わい深い、おいしいお醤油でした。
個人的な感想としては、一番古い2018年はまろやかでうまみが強く、2020年のは少しとがった感じがしました。やはり時間がたつほど、熟成が進むんだなあ。
▼いつか椿の花咲くころに🌺
さて、3回にわたってご紹介した奈良県田原本町のマルト醤油ですが、私にとってこの宿は、
という意味で、特別なのです。
しかも、醤油蔵を改装した素敵な部屋に泊まり、さまざまな味わいの醤油づくしの朝夕食のフルコースを味わうこともでき、大満足でした😊
古代ロマンと、貴重な醤油蔵の復活ストーリーを体験できるこの宿に、皆様もぜひ一度泊まってみてはいかがでしょうか。きっとそれぞれにとって特別な体験ができるはずです。
私も、いつかまた椿の咲くころに訪ねてみようと思っています🌺✨
(おわり)
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