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#140 対決 松田聖子 V.S. 大滝詠一『風立ちぬ』

これは #大滝詠一 師匠のファンからすれば有名な盤で、このA面は、大滝詠一がすべて作曲とプロデュースをしているんですね。

ただ、『ロング・バケーション』ほど、(時間も予算もなかったのだろうか)thickな仕上がりではないです。でも、だからこそ、大滝詠一が大切にする一番ミニマムな単位がよく感じられ、ファンにとっては、かけがえない宝物となっているんですよね。

ところで、そもそも #松田聖子 と大滝詠一の楽曲の相性というのは、本当に悪いんだろうなと感じます。

「風立ちぬ」は、最初、松田聖子が「この曲は私向きではないから歌えない」と拒否をしたらしいんですよね。わかる気がします。

大滝詠一さんの曲は、音楽の構築に主眼が置かれていて、歌手を引き立てるようにはできていません。松田聖子にとってはさぞご不満な楽曲だったでしょうと。

ばれると思いますので、正直に白状しますと、僕は松田聖子という歌い手が好きではありません。語尾をしゃくりあげるような、こびたようなあの歌い方が嫌ですね。

けれど、あの歌い方以前にあの歌い方はなく、あの歌唱法をを開発したのがご本人だとすると、ある種の天才だとも思います。ある意味「自己流」で成功したという自信が、「私にはこの曲は向かない」といった傲慢な態度をもとらせるのだと思います。

大滝詠一師匠が用意した5曲。どれも、「大滝文法」がしっかり感じられる楽曲たち。その中に、居座り悪いように、あくまで「個」を出そうとする松田聖子。こういった聖子流の歌い方を大滝さんがディレクションするはずもなく、これはもはや喧嘩に近いのではないかと。「もうこれは治らないよね」なんて誰かのつぶやきが聞こえてきそうです。

その中で、大滝詠一にとっても、おそらく松田聖子にとっても、一番の「迷トラック」と思われる「いちご畑で捕まえて」のライブ映像が残っているなんて、なんてシュールなのでしょうか。この曲は、松田聖子は気に入ったんでしょうか。

B面は、 #財津和夫 なんかが曲を書いていて、のびのび歌ってます。むしろ、「プロ声楽家」松田聖子を感じさせるのはこちらだったりします。「白いパラソル」のサビの歌声など立派で感心します。でも、これじゃ、売れなかっただろうなぁ。

CDは2種類出てて、CD選書盤が最初出ていましたが、音の凹凸が大きくて、あまりよくありませんでした。最近出直ったものは、それに比べるときれいになってます。こっちの方がおススメです。

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