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旅から眺めるエコ①:リサイクルデニム

前回の記事で、好きな店で期待していたほどのクオリティーではなかったが、急いでいたのでやむなくジーンズを買った、と書いたが、やはり以前購入したモデルが好きすぎて落胆していた。履いては脱いで、首をかしげ、しげしげと観察する。そこのジーンズはディテールの装飾が凝っていてかわいいので気に入っていたが、今回のものは経費削減か、省略されている。そして、何より生地が厚ぼったくなって、いまいちすきっとしない。カットは悪くないが、旅先で判断を誤ったかな、と思いつつ、裏返してタグを見つめる。すると繊維の20%がリサイクルデニムであると記されていた。


少し気になってブランドのサイトを覗いてみると、このメーカーは2025年までにオーガニックコットンと再生繊維の利用100%を目標に掲げており、年度ごとの目標使用率も記載している。デニムは再利用すると繊維が短くなるので、ほかの繊維と混ぜて20%ほどの再利用率であるとも。生地の変化は再生繊維利用のためだったのだろうか
ちなみに2017年に同じ店で購入したモデルは、イタリア製デニム使用でリサイクル繊維は使用されていない。
行きの飛行機の機内食でのプラスチック削減といい、ヨーロッパから資源に対する姿勢の本気度を感じさせられることが多い。


そこのブランドはアムステル発だが、オランダといえば2年ほどまえに「MUD Jeans」の記事を読んだことがある。MUD Jeansは、ジーンズを販売でなく月10ユーロ程度のサブスクで貸し出し、期限がくれば回収し再生デニムに生まれ変わる。ジーンズ一本におけるリサイクルデニムの使用率は40%ほど。当時の記事を見つけることはできなかったが、オランダでは深刻な原料調達不足に陥っており、このシステムにつながったと、読んだことを記憶している。


またどちらのブランドも、認証されたオーガニックコットンが使用されているとあった。ブランドサイト以外の記事も読む中で知ったのだが、オーガニック栽培することで水の利用や土壌の負担を軽減することができるという。今までは肌触りがよいとか、生地として付加価値を高いというような点ばかりに注意がいっていたが、店頭に並ぶ前、栽培・生産過程における環境負荷の低減という側面に気づかされた。ただ、一概にオーガニックコットンが環境に優しいとは言えない、という記事もあったことを記しておく。この辺り、もう少し勉強してみたい。


日本でもリサイクルデニムの取り組みがあるようだ。2022年4月にスタートしたライトオンと豊島の「WAMEGURI」、倉敷発のデニムメーカー「ITONAMI」の「FUKKOKU」シリーズなど。また前述のMUD Jeansは日本でも取り扱いがある。


デニムに限らず、生地の再生には興味があるが、その方面に詳しいデザイナーの友人から聞いたところによると、化繊が混じった繊維だと糸としての再利用ができないそうだ。今日の日本の製品は化繊の入っていない綿やウール製品を見つけることは非常に難しい。また、大手メーカーで自社・他社製品に関わらず、衣類の回収をしているところを見かけるが、燃料として再利用されるので、結局燃やされてしまう。オランダは、衣類の回収・再利用システムが進んでいるのか、そちらも少し調べてみたい。


参考サイト:

https://www.scotch-soda.com/global/en/discover?fdid=Responsibility

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