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THE F WORD

何でもかんでもクソ真面目に考えると疲れるのでたまには息抜きして適当に考えてみるということも大事だ。それでも、我々日本人にとってそれは、かなり、かなーり難しいことだとは百も承知である。わたしのベリーダンススクールに通ってくださっているまどかさんが、こんなリツイートをされていた。

この世の総てがフェイクだったらどうだろう。今、この瞬間も、昨日も、あしたもあさっても総てが、とにもかくにも総てが嘘だったとしたら。ある意味、こんなに面白くてエキサイトするようなこともないのではないかと思う。その昔、こう思ったことがある。図書館にいったときのこと。おそらく、ここにある蔵書総てを読み尽くすことは一生涯かかっても無理だろうなァと思ったときのことだ。「ここにある蔵書の総ては、古代のひとから含め、総て、総てが1人1人の妄想なのかもしれない。」そうだ。思想や思惑、そういったものは総て、人間の持つ妄想と言ってもいいのだと思う時がある。ただし、物理学や科学というものも存在するので、本当に総てが総てそうかと言われると違うとは思うのだが、ひとつのファンシーな思想家の見解として持ち合わせるには充分なものなのだと感じるのも事実だ。ここ数日は弟とずっと一緒に行動していたので、実に実に色んな話をした。彼の話は面白い。というよりも、彼の研究室にいる人間が群を抜いて面白い。普通に生きていると、あまり触れあえない人種がごまんと出てくる。この間の話とはまた別に、伝説の生徒がいたとのことで、その話を聞かせてもらった。彼女の名前はOさん。弟は、大学院生の頃に、アメリカの砂漠にロケットを打ち上げにいくというイベントに毎年参加していた。ロケットを飛ばす、というとかなり楽しそうだが、その実態はというと、かなり過酷なものだった。アメリカの荒野をひたすら車で運転し、小汚ないモーテルに泊まり、教授の無茶振りに耐え、精神を病んだ生徒同士、取るに足らないコミュニケーションが生み出す殺伐とした空気の中ひたすらにロケットの調整をして飛ばす。こういう話を聞くと、研究職と芸術家、特に舞台関連の苦労などは非常に近しいものがあるなと感じる。さらにこのイベントでは同じ大学内で何班かに分かれ、そこに他大学生も参加し、ロケットの性能や飛ばした距離、その他諸々の数値などで結果を競うそうだ。(わたしにはチンプンカンプンなのでなにが基準になるのかは全くもってわからないが•••)さて、話を戻すと。そこで登場するのが、今回のヒロイン、同じ大学のOさんである。彼女はとにもかくにも常に自信満々で、「ワタシは、自分が出来ることしか、やらない。他のことは貴方たちがやればいい。」と豪語していたそうだ。こう聞くと、わたしが好きなドラマ「グレイズ・アナトミー」の天才心臓外科医 クリスティーナ•ヤンを彷彿とさせるのだが、その実態は全く違うものだった。

それだけのことを豪語するならば、自分自身がやりたい研究に没頭し、他の生徒に雑用をやらせる等の光景が繰り広げられているかと思いきや、彼女は砂漠のド真ん中でPSPの恋愛ゲームをずっとプレイしていたそうだ。つまり、彼女の「できること」というのは、PSPのゲームをやること、だったわけだ。••••すごい、IT界のマリーアントワネットか?!と思われるほど強い彼女だが、ま、当然のことながら役には立たない。波風だけを立てて、余計な仕事を増やすタイプだったそうだ。結果として彼女は、あまりにも自分を貫きすぎるため、周りの人間が「Oさんは最強だからもう何も言えない。」と匙を投げていたそうだ。匙を投げる、というよりも、腫れ物にさわるな状態と言ったほうが近いのかもしれない。さらに驚くのは、Oさんにはなんと、ある一定の固定のファンもいて、その人たちはみんなメンタルが弱い人間だったそうだ。繊細な人間にとって彼女はゴットディーバとなりうる存在で、それはそれで才能のひとつだなと感じるのも事実だ。そのイベントの後、「ワタシはもっと上を目指せる。ここは合わない。」と言って、Oさんは他大学に編入し、その後は行方知れずらしいのだが、とにもかくにも彼女のことは何年経っても忘れられないらしい。それくらいに強烈な人間だったそうだ。この話を聞くと、無茶苦茶ではあるし、対岸の火事でいたいのは確かだが、協調性のある目立たない人間、ひとに迷惑をかけない人間よりも多少迷惑をかけ、周りに見放されるくらいの人間の方が人生は楽しいのではないかと感ずるのも事実である。生きるということはなにか、ということを最近殊更に考えているからこそだが、どうせ死ぬということが決まっているならばどんな形であれ、この世に、それこそ人様の記憶のなかにこびりついて離れないくらいの存在感を遺した方が、幸せなのではないだろうか。昔、キムタクが主演していたHeroというドラマでも確かそんな話があった。不倫相手の女が、本妻に勝ちたいがために、男に濡れ衣を着せて監獄送りにする。その時の台詞が印象的だった。

「検事さん、一番不幸な女はどんな女だと思いますか?醜い女?捨てられた女?私、思うんです。一番不幸なのは忘れられた女だと。だからうそついたんです。自分を刑務所に入れた女のことは、きっと一生忘れないでしょ」

ドラマHero  第5話「二人きりの夜」より

人生が狂うくらいの出逢いは、時として胸を踊らせる。

🩸ANATOMY GIRLS🩸
By MINAMI Stevens Photography

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