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好敵手はいるか #書もつ

毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。

薩長同盟が締結されたという今日は「ライバルが手を結ぶ日」だそうです。ライバルは、自分を鼓舞する存在として大切です。相手がライバルだと思ってないことも多々ありますが(笑)

というわけで、ライバルが出てくる作品を。久しぶりに、読書メーターから、はじめて読んだ時の感想を引いています。

本日は、お日柄もよく
原田マハ

この作家の感性に驚かされる。読みやすいのに、しっかりとした展開の妙。
場所を選ばず本を読むことを憚られるような、とても感動するシーンや、スピーチが散りばめられている作品。自分がスピーチをすることなんて、あまりないだろうけど、きっと参考になるはず。対策本買うよりも、この作品読んだ方がいい。登場人物の身近さにも助けられ、楽しい作品でした。

僕が好きなので、何度も登場している作家さん。この作品が、代表作と言っていいくらい読まれているのではないでしょうか。結婚式のスピーチから広がる、言葉の世界。

言葉によって救われる主人公と、魅力的な人たちが関わる成長の物語は、とても清々しい読み終わりでした。

この作品では、主人公のライバルが、とても頭が良くてドライな印象で描かれており、ライバル然として、展開にハラハラさせられます。あ、一応書いておきますが、恋のライバルとかではありません。

ともすると、人間的ではない世界を描いているのですが、ちっぽけな個人の悩みが詳細に語られることで、読み手は共感し、物語に無理なく入っていける印象でした。

この作家さんは、電車では読んではいけないと悟ったのはこの作品でした。のめり込んで乗り過ごしてしまうし、展開に涙してしまうし、鮮やかな物語は居心地が良くて。でも、続きが気になるから、つい開いてしまうのですが。

赤めだか
立川談春

落語家の、のんびりとした風体とは対照的な思考の羅列に、天才は考えることが違うなぁと思っていたら、どうも天才ではないようでした。この人が演るのを観たことがないのが悔しい。談志の特徴的な物言いが、断片的にしか知らなかった人物を生き生きとさせて、この作品そのものが落語だったのか、とはっとしました。

噺家の半生を自伝として語る作品は、期待通りに面白かったです。

ある意味で、落語は架空の物語であり主人公は噺家本人ではありません。

だからこそ、言葉遣いや仕草、間の取り方、なにが面白いのかを知る審美眼などなど、人として生きていく中で得られることが大切なのだと知りました。

師匠への眼差しもまた、ふつうの人には分からない世界で魅力的でした。師匠があれだけ破天荒ならば、弟子も大変でしょうが、芸の肥やしとして蓄え、こうして作品として昇華させたことで、意味があったのではないかと思うのです。

筆者のライバルは、同門の弟弟子の、志らく。筆者が舐めてきた苦労をことごとく避け、新しい時代の噺家を予見させるスマートさ。

読んでいる側も応援に困ってしまうくらいに、筆者の客観と主観が混ざり、バランスよく人物像が垣間見えるのは、噺家という職業のなせる技なのかも知れないと、読みながら感じていました。

引用した感想にもあったように、読み終えた時、この作品がひとつの人情ものの落語噺として書かれていたのだと感じました。


どんな世界にあっても、ライバルの存在は刺激的です。好戦的でないとしても、勝ちや負けを意識したり、真似するようなことをしてみたり、自分を高めるための起爆剤のような、ありがたいライバルと、一緒に成長していけたらいいですね。

ライバル関係のサムネイル・・こう来たか・・という赤青対決の図。infocus📷さん、ありがとうございます!一時期、お互いを揶揄するようなCMがありましたね・・。


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