代名詞を使いこなし始めた私。
最近フッと気が付いたことがある。それは代名詞を使うことが増えてきたということ。
いよいよそういうお年頃に近づいてきたということだろうか。
そしてごくたまに代名詞しか出てこない時がある。2つ以上のことを同時進行している時や、考え事をしながら話す時にこの現象は起こる。
今朝もそうだった。卵焼きを作りながら、子ども達に学校に持っていくお金をカバンに入れさせなければ。
そう思った私は言った。
私「ちょっと、あそこに入ってる、あのビニールのヤツ?あれちゃんとあっこに入れて!」
冗談はよしこちゃん。自分につぶやいた。
卵焼き作りに集中していたせいでこうなったのだ。
子ども達はもちろん返事はしないし、動いてはくれない。だってまるで意味が分からないもの。
私は卵焼きを作る手を止めてもう一度子ども達に伝える。
私「引き出しにビニール袋に入ったお金があるから、それをカバンにいれておくれ~、ミスターオクレ~」
はーい。とすぐに動く子ども達。
それを見て思った。普段忙しいことを言い訳に、子ども達に明確な指示を出したり、丁寧に説明をしてこなかったのかもしれない。だから子ども達は動けなかったり、とんちんかんなことをしてしまうんだろう。
そんな子ども達に「早くしてー!」なんて何度言っても無意味だ。だって早くしてほしいことが明確に伝わっていないのだもの。
これからは具体的に何をどうして早くしてほしいのか。そして早くすると私がどれだけ助かるかを伝えていこう。
そんな反省をしながら思った。
そういえば、会話が「アレコレソレ」だらけになってきた以外にも、こんな現象が最近よくある。
今朝のように料理なんかをしている時、頭の中で何か考えていると、口から出る言葉が行動していることと混ざってしまうのだ。
今朝のケースなら「引き出しの中にビニールに入った卵焼きあるから、それカバンに入れて!」とお金が卵焼きになったりしてしまったり。トイレに行こうと思っている最中に、こぼした飲み物を子どもに拭くように言おうとしたら「ちょっとー!!ちゃんとトイレ拭いてよ!」と言ってしまったり。
忙しすぎるのが原因だと思いたいけれど、何度考えても忙しくもないし、ストレスなんて感じるタマじゃない。
やっぱり痴呆の始まりなんだろうか。
家族の中だけならまだいいのだが、たまに他人様にもやってしまう。
先日、友人が我が家に遊びに来ていた日の事。頭の中ではお昼のピザ焼こうと考えていた。その時次男の持っていたアイスクリームが溶けてカーペットに落ちた。ティッシュの近くに座っていた友人にティッシュを取ってと言おうとしたら「横にあるピザとって!」と言ってしまった。
一瞬、自分何言ってんだ?と止まってしまったが、優しい友人が爆笑したながら言った。
「ピザって名詞が出るだけ若いよ。私なんかピザもでない。名詞なんか出ないよ。」
それは言い過ぎだろうと思いながらも、ちょっとだけ年齢が先輩の彼女から、物の名前が出るのは大したもんだと褒められて嬉しくなった。
そして帰りがけ、その友人が日本から届いたというお菓子を置いて行ってくれた。可愛いハローキティのクッキーだった。
友人「まっ子はヘロウキティ好きじゃないと思うから、娘ちゃんにでもあげてね!」
ヘロウキティ。
上には上がいる。
名詞なんか口から出ねえと言っていた彼女の口から出た名詞。その名詞がまさかのヘロウキティ。
ハローキティという固有名詞を変化させて使う技術をもっているとは。これが上級者なんだろう。
そういえば、彼女はティーパックをTバックといつも呼ぶ。ナフキンはナプキンだし、ルーズソックスのことはルーズセックスと呼んだもことあった。
この前彼女の家で遊んでいるときなんか、子ども達が鬼ごっこをしている姿を見て彼女がしみじみと言ったのだ。「小さい頃からこうやって頻繁に遊んでるとさ、もう同じ飯の釜を食う仲間だよね。」
釜は食ってねえ
食ったのは飯。
友人の年齢は44歳。ちなみにボーボーで子宮がん検診に行った彼女だ。
最近は「ノースリーブになりてえ」が口癖。
どうやらホットフラッシュが始まったらしい。本格的に更年期に突入だ。
私もそろそろ本格的にノースリーブの服を買いあさったほうがよいかもしれない。
だって私の母は40代前半で閉経したのだもの。こういうのってきっと遺伝すると思うのだ。
あれは確か私がまだ中学生の頃。生理が来ないと言った母が、産婦人科に行った日。新しい兄弟ができるのかとちょっとワクワクしたものの、私が帰宅すると「閉経だって!天国だわ!!今日から私は男として再スタートします!!」と大興奮の母。その頃の母はすでに代名詞を使いこなしていた。
そんな母を思い出し、私が代名詞を使いこなす日はもうすぐそこなんだろうと思った。更年期と物忘れは切っても切れない関係だものね。
女性ホルモンが減っていくと、様々な疾患が起こるリスクが高くなるなんて聞く。だから未来を想い不安な気持ちもあるけれど、こんな面白い失態が増えると思うと、楽しみで仕方ない気持ちが強くなる。
それにこんな先輩が周りにいるのは心強い!とやっぱり男性化するのが楽しみな私なのでした。
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